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2011年12月20日火曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第74号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!
最高裁弁論~教育の自由と全ての処分取消を⑧~
最高裁、年明け1/16にトリプル判決!!
裁量権逸脱・濫用、
いかなる線引き判決も許されない!!

1,本日、最高裁第一小法廷が三度弁論開催

 11/28、12/12に続き三つ目の弁論。今回は、高裁で戒告処分取消判決(大橋裁判長)を勝ち取っていたアイム‘89処分取消訴訟の裁量権逸脱・濫用についての弁論だった。弁論が開かれたことは、処分取消が見直される、つまり戒告・減給処分が是認確定された第一波判決との整合性が図られる可能性がある。判決は1/16で、当日はトリプル判決となった。
 3つの事案で裁量権行使が見直され<破棄自判>が行われ、その裏付けとして<職務命令は教育の自由侵害にあらず>とした原審に基づき最高裁独自の論理展開を示すかもしれない。また、事案における処分量定の是非と処分量定一般の可否を区別するかもしれない。この結果、裁量権逸脱・濫用を処分量定によって区別して<戒告/減給・停職>、<戒告・減給/停職>、<戒告・減給・停職/免職>等の線引き判決の可能性がでてきた。これに道理があるだろうか。

2,なぜ併合(07・08・09・10)訴訟か 
~道理をわかりやすく~

私の訴訟は4度の懲戒処分(戒告・減給1月・減給6月・停職1月)取消を求めている。裁量権逸脱・濫用を判断するには、まず教育現場での言動が問題になる。4度の不起立・不斉唱は一貫した教育実践であり、生徒に多様な考え、多様な行動があることを示し自立した思考・行動の意義を示した。前年の不起立者は当然注目される。次の年も、その次の年も。生徒、保護者、同僚の前で明快な行動が求められる。こうして退職の最後の1日は停職処分執行で終わった。
都教委は、私の一貫した不起立・不斉唱に対して、恣意的、意図的な累積加重処分を行った。処分を構えた一律起立・斉唱の強制と不起立・不斉唱による教育の自由(教授の自由・学習の自由)の実践のどちらが「正しい教育」なのか。物事を転倒させることは許されない。都教委は「基礎的知識」とか「学習指導要領」を持ち出しているが、強制貫徹のために「ガン細胞=抵抗者」を執拗に駆逐することをねらった。この累積加重処分につながる初回の処分=戒告も裁量権逸脱・濫用であることははっきりしている。線引き判決には道理がない。私は、このことをわかりやすくするために4度の被処分事案を併合提訴している。

3,判決日の無期延期は不条理~最高裁追随の枠組~
~下級審は自立して公正な審理・判決をせよ~

 現在、地裁・高裁の口頭弁論、判決を1/16最高裁判決後に先送りする動きがある。最高裁の動向はもちろん重要だが、下級審はそれぞれの事案の事実審理を進め自立して判決を下すべきである。累積加重処分取消裁判では、地裁民事19部は8月に結審したまま判決日を無期延期している。
 「最高裁追随の枠組」は二度と再び、「難波判決」や「大橋判決」さらには部分的裁量権濫用認定判決を出させない仕組みである。上記のように、私の事案は全ての処分量定が含まれている。憲法判断と裁量権逸脱・濫用が認められ、全処分が取り消されない限り勝利はない。1/16判決をなぞるような中途半端な判決は許されない。

今後の予定 報道リンク
(最高裁判決:各開廷の60分前~40分前の間に傍聴整理券交付、その後抽選)
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 判決 1/16 13:30
*アイム‘89処分取消請求訴訟 最高裁第一小法廷 判決 1/16 13:30 
*東京「君が代」裁判一次訴訟 最高裁第一小法廷 判決 1/16 15:30

*土肥裁判 東京地裁民事第19部判決 1/30 13:30 第527号

 累積加重処分取消訴訟(原告:近藤順一) 地裁判決延期 期日未定 


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2011年12月13日火曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第73号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!
最高裁弁論~教育の自由と全ての処分取消を⑦~
最高裁、第二波判決へ向けて一気呵成!!
年明け1/16にダブル判決!!

1,本日、最高裁第一小法廷が弁論開催

 11/28に続き二つ目の弁論。今回は、高裁で処分(戒告・減給)取消判決(大橋裁判長)を勝ち取っていた東京「君が代」裁判一次訴訟の裁量権逸脱・濫用についての弁論だった。従って、都側が上告人、被処分者側が被上告人となった。弁論が開かれたことは、処分取消が見直される、つまり戒告・減給処分が是認確定され第一波判決との整合性が図られる可能性がある。
 第一波最高裁判決(5~7月)では、起立斉唱を強制する職務命令は憲法19条に照らして、被処分者が拒否する「敬意の表明」は制約該当性がある。しかし、必要性、合理性から見て制約許容性があり合憲とした。基本的には一律起立斉唱は必要なこと、教育公務員は上司命令に従うべしということに行き着く。これが「19条の枠組」の限界である。そして、ピアノ判決(2007/2/27)が懲戒処分の裁量論について上告受理申し立てを不受理としたのと同様、「不当な支配」等は不受理とした。ここに原審の裁量権逸脱・濫用無し、処分(戒告・減給)是認が確定された。

<被処分者側弁論 ~不起立・不斉唱は思想・良心の表明~>

 被処分者側の弁論では、「裁量権逸脱・濫用の基準」や「処分量定に関わらない裁量権逸脱・濫用」等が述べられた。「教育者が生徒に対して自らの思想や良心を語ることなくして、教育という営みは成立し得ない。」「本件において各教員が身をもって語った思想・良心」「『やむにやまれぬ』思想・良心の発露」(弁論要旨)としてあくまで思想・良心を背景とする論理展開を行った。この点、「日の丸・君が代」は論争的課題として教育の自由(教授の自由・学習の自由)を主要な論点とした11/28弁論とは様相を異にした。

2,一挙に決着をつける意図(第二波最高裁判決)

 最高裁は、停職処分と戒告・減給処分の事案を同日判決とした。「教育の自由」についても判決が出されるという。もう一つ19日に弁論が行われるアイム‘89処分取消請求訴訟も重ねられる可能性がある。そうなればトリプルになる。また、今年1月に敗訴した予防訴訟も第一小法廷に係属している。
 さらに地裁民事19部係属の土肥事件判決が1/30に延期された。再任用についての裁量権は、一旦退職した教職員を再任用するか否かの判断であって、懲戒処分の裁量権より広範な裁量判断に服するとの見解もある。
 最高裁は、主要な「日の丸・君が代」裁判に決着をつけ「最高裁追随の枠組」を固めようとしている。

3,累積加重処分取消裁判にも地裁判決の可能性
~下級審は自立して公正な審理・判決をせよ~

 戒告・減給・停職の裁量権問題の最高裁判決日が確定したことによって、全ての処分量定を含む私の訴訟事案の判決も近く下される可能性がある。
 地裁民事19部(古久保裁判長)が、事実に基づいて憲法判断(教育の自由・思想良心の自由)、裁量権判断を行い、全ての処分を取り消すことを請求する。

今後の予定 報道
*東京・小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 12/13 16:00 424号
*アイム‘89処分取消請求訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/19 10:30 
*都障労組3人処分取消訴訟 高裁口頭弁論 12/19 14:00 824号
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 判決 1/16 13:30
*東京「君が代」裁判一次訴訟 最高裁第一小法廷 判決 1/16 15:30
*土肥裁判 東京地裁民事第19部判決 12/22=>延期 2012.1/30
                             13:30 第527号
 累積加重処分取消訴訟(原告:近藤順一) 地裁判決延期 期日未定 


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2011年12月12日月曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第72号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!
最高裁弁論~教育の自由と全ての処分取消を⑥~

東京都公立学校現場の教職員の皆様へ ~卒業式・入学式に向けて~

1,自由の土壌を耕そう ~「日の丸・君が代」強制、処分に抗する意味~

 第二学期末、目の回るような忙しい情況だと思います。そして、3月の卒業式さらには次年度の入学式に向けて要項審議を始める時期かと思います。都教委10・23通達以来9回目の卒業式です。現在小・中学校に在籍する児童・生徒は、ほとんど「日の丸・君が代」強制下の儀式しか知らないことになります。
 この強制に反対することは、±1の取組だといえます。強制を止めさせ0の地点まで引き戻し、できれば+1の出発点を確保することです。極めて初歩的な、地道な行動です。皆様の中には、教育実践や教育理論の面ですばらしい成果を挙げている方もいるでしょう。ただ、教育の営みにおいて、教職員の自由を確保し児童・生徒の学習権を保障することは不可欠なことだと思います。それは、農民が「田んぼを作る」のに似て“自由の土壌を耕す”ことでしょう。
 「日の丸・君が代」起立・斉唱に異議を唱えるなど、今さらと言われたり、どうしようもないことのように見られるかもしれませんが、ぜひ多様な取組を試みてほしいと思います。

2,厳しい局面 ~第一波最高裁判決は強制・処分を合憲とした~

 今年の5~7月にかけての最高裁判決は、10・23通達と職務命令は憲法19条に違反しない、「敬意の表明」という間接的制約も必要性、合理性があり合憲としました。そして、戒告・減給処分、嘱託合格取消、嘱託採用拒否を確定し、さらには刑事事件まで有罪としました。つまりは被処分者の全面敗訴となり、行政処分を司法が追認する事態となりました。また、この「19条の枠組」により教育の自由や不当な支配の問題は取り上げられませんでした。
 現在、最高裁では弁論が開かれ、戒告・減給・停職処分についての裁量権逸脱・濫用問題が審理され、年明け早々にも第二波判決が下されます。その他にも地裁、高裁で多くの裁判が闘われていますが、「最高裁追随の枠組」がはめられようとしています。私たちは全ての処分取消、教育の自由を始めとする憲法判断を求めて粘り強く闘いたいと思います。皆様のご支援をぜひお願いします。

3,強制のその先は ~今、行動で示す時~

 今年は「満州事変」80周年、「真珠湾攻撃」70周年に当たります。論評は様々ですが、明治以来懸命に登り詰めた「坂の上の雲」の下は断崖絶壁で、奈落への転落は誰にも止められませんでした。その背景に教育の国家主義的統制があったことが語られています。3・11原発事故の様相と相似をなすと言えましょう。それでも原発を継続稼働しようとしています。当時の「共存共栄・アジア解放」を「国益自衛・国際貢献」に改変して推進しています。沖縄では「犯すときに『これから犯しますよ』と言うか。・・『基地のない、平和な島』はあり得ない。沖縄が弱いからだ。」(田中局長)との真意放言。この暴言も前半は追及されましたが、後半部分はやり過ごされています。また「独裁と言われるぐらいの力」「教育は2万%強制」(橋下市長)等として登場しています。
 率直に言って今決定的に不足しているのは学校現場での持続的な異議申し立てです。情況は厳しく抵抗の反作用は身に降りかかってくるかもしれませんが、子どもには見るべきものを見せておかねばなりません。

今後の予定 報道
*東京「君が代」裁判一次訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/12 10:30
*東京・小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 12/13 16:00 424号
*アイム‘89処分取消請求訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/19 10:30 
*都障労組3人処分取消訴訟 高裁口頭弁論 12/19 14:00 824号
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 判決 1/16 13:30
*土肥裁判 東京地裁民事第19部判決 12/22=>延期 2012.1/30
                             13:30 第527号

 累積加重処分取消訴訟(原告:近藤順一) 地裁判決延期 期日未定 


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2011年12月3日土曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第71号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!
最高裁弁論~教育の自由と全ての処分取消を⑤~

地裁判決無期延期の意味~最高裁追随の枠組~

1,連続不起立・不斉唱=>被停職処分“自由と正義は我にあり”

 11/28最高裁第一小法廷にて上告審弁論、幸運にも入廷できた。中央に金築(第一波判決において補足意見)、向かって左に宮川(同反対意見)、その他は桜井・横田・白木(同意見無し)各裁判官が並ぶ。上告人(被停職処分者)側の4人の代理人弁護士が立った。焦点は裁量権に絞らされたが、論旨は明快だった。連続不起立・不斉唱の教育的意義、累積加重処分の教育破壊・反人権的意味、裁量権逸脱・濫用の停職処分は取り消されるべし。特に、金築・宮川両裁判官はしっかり注目していた。
 旭川学テ大法廷判決の本質「教育は子どもとの直接の人格的接触」をめぐって、決して逃げなかった被停職処分者ふたりは「教師人格の崩壊につながる危機」(市川教授証言)に立ち向かうことにより、都教委の理不尽さを浮き彫りにした。「答弁書」を出していた被上告人=都教委側は弁論しなかった。
 原審判決(3.25高裁・加藤裁判長)とこの日の弁論を対比して、裁量権問題は、教育の自由につながるものであることがはっきりした。第二波判決に向けて、自由と正義を回復する反転攻勢のきっかけとなることが期待される。判決日は年明け1/16(月)13:30と指定された。

2,全ての処分(戒告・減給・停職)を取り消させるために

 最高裁第一小法廷は、12/12・19にも弁論を開く。戒告・減給を取り消した原審判決(3・10高裁・大橋裁判長)を見直す可能性がある。戒告・減給は、「19条の枠組」を採った第一波判決(5/30~7/19 第一・二・三小法廷)によって確定した。これを変更するには第一小法廷だけの弁論・判決で可能だろうか。それは気休め、幻想ではないのか。小法廷弁論に全力を注ぐことはもちろん重要だが、やはり、大法廷が必要だと思う。第一波判決について「安定した判例の形成がなされたとは考えがたい。」(澤藤弁護士)とする一方、「これを変えるには相当な期間がかかる。」(水口弁護士)との見解がある。戒告・減給も含めて全ての処分を取り消させるためには、大法廷を開かせ教育の自由・裁量権を「迂回作戦」(澤藤弁護士)ではなく、正面から主張することだ。現在、弁論の対象となっている裁量権問題は結局教育の自由、思想良心・信教の自由に連動していく。また、裁判官の反対意見・補足意見はそのことを示している。これからの第二波判決で「19条の枠組」が固定化される前に裁判所内外の取組を強化して“大法廷を開け”の声を挙げるべきだ。時間を無為に過ごしてはならない。

3,地裁判決無期延期は一体何を意味するか

 私の事案、累積加重処分取消裁判は地裁民事19部で8月に結審し、一度は判決日が指定されたが取り消されたまま無期延期になっている。戒告・減給・停職の3段階全処分の取消を請求している。現在最高裁において裁量権逸脱・濫用について弁論されているが、いかなる線引き判決にも反対である。
 そもそも、「日の丸・君が代」強制問題を裁量権の枠組に閉じこめるのではなく、教育の自由侵害の憲法判断をすべきである。「最高裁追随の枠組」を許してはならない。
 地裁・高裁は最高裁判決を待ってそれに追随した判決を出すのではなく、事実に基づき自立した審理・判決を進めるべきである。裁判所が決めた枠組に従うことは、最も肝心なことを排除している。今、3つの「枠組」が横行している。

「19条の枠組」「裁量権の枠組」「最高裁追随の枠組」を打破しよう。

今後の予定 報道
*東京「君が代」裁判一次訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/12 10:30
*東京・小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 12/13 16:00 424号
*アイム‘89処分取消請求訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/19 10:30 
*土肥裁判 東京地裁民事第19部判決 12/22 13:30 第527号
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 判決 1/16 13:30

 累積加重処分取消訴訟(原告:近藤順一) 地裁判決延期 期日未定 


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2011年11月23日水曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第70号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!
最高裁弁論~教育の自由と全ての処分取消を④~

連続不起立・不斉唱 ~教育的意義は不変~

1,不起立・不斉唱はどこまでやるか

 最高裁弁論を控えて、裁量権逸脱・濫用をどの段階の処分で画するかが問題になっている。はっきりしていることは、戒告があって減給があり、減給があって停職があるという累積加重処分になっていることである。
 私の場合、2度の減給処分期間計7ヶ月は給与支給日に事務室で現金を数えなければならなかった。ある時以下のような対話があった。
 事務長:(不起立を)まだやるのか。
 近藤:もちろんです。事態はなにも変わっていませんから。
 不起立・不斉唱は「日の丸・君が代」一律起立・斉唱という強制下における教育実践だから、一貫した連続性を示すことになる。4度の処分の根拠となった不起立・不斉唱の意義に軽重はなく、その処分は全て不当である。
 この意味で、大阪の「免職処分条例案」が成立したら、それへの抵抗は文字通り身分をかけた行動となるだろう。

2,なにがなんでも停職処分 ~辞令1月、執行1日~

 連続不起立・不斉唱はその意義は変わらないが、都教委の処分は厳格である。私の場合、退職の1日前3月30日に停職処分辞令が発令された。従って、辞令1月、執行1日となった。後日、1日分の給与の返還を求められた。
 合理性などはかなぐり捨てた処分者=都教委の執念を感じた。懲戒分限処分審査委員会で検討したとはいうが、規定のルートに則った処分である。このような停職処分が裁量権逸脱・濫用であることは明らかだ。

3,教育の自由と結合した裁量権逸脱・濫用

 都教委は、私たち教員に児童・生徒の面前で起立・斉唱することを強制した。最高裁も認めた起立・斉唱という「敬意の表明」は、不本意ながらそれを受忍した者の思想・良心に深いダメージを与える。同時に、教員の存在自体の根幹を揺るがすものである。強制下の儀式的行事においても教授の自由を発揮し児童・生徒の学習権を保障したことに対する都教委の処分だからこそ裁量権の逸脱・濫用である。それは処分の段階に関係ない。
 第一波判決は“19条の枠組”の中で処分(戒告・減給)を確定した。これを突破しない限り裁量権逸脱・濫用による全処分取消を勝ち取ることはできない。今でも「最高裁は裁量権逸脱については判断を出していない。裁判は判決文がすべて。」(「君が代・強制」解雇裁判通信 第117号 水口洋介弁護士)との見解がある。しかし、第一波判決文では「上告棄却」「所論の点に関する原審の判断は、以上の趣旨をいうものとして、是認することができる。」(5・30第二小法廷判決)とされている。他の判決も同様である。特に5・30判決の事案は一・二審とも一貫して裁量権問題が争われた。上告理由書には「被上告人の本件処分が憲法19条ないし14条に違反し、裁量権の逸脱、濫用であることは明らか」と提起し、「再任用拒否」と共に「戒告」をも裁量権逸脱・濫用としてその取消を求めていた。

 全処分の取消、教育の自由侵害の憲法判断を勝ち取るために、現実を直視し“19条の枠組”に、さよならしよう。リンク

今後の予定 報道
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 11/28 10:30
*東京「君が代」裁判一次訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/12 10:30
*東京・小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 12/13 16:00 424号
*アイム‘89処分取消請求訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/19 10:30 
*土肥裁判 東京地裁民事第19部判決 12/22 13:30 第527号
 累積加重処分取消訴訟(原告:近藤順一) 地裁判決延期 期日未定 
11/17に裁判所に出かけて頂いた方がいたようで、申し訳ありません。
地裁判決無期延期については、次号で論評したい。

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2011年11月19日土曜日

処分取消裁判を支援する会ニュース(第69号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!
最高裁弁論~教育の自由と全ての処分取消を③~

11/28弁論への都側「答弁書」~倒錯した論理~

 真っ向から都教委の論理を展開している。10・23通達、職務命令による一律起立・斉唱は「日本人として自覚し、国を愛する心を持つこと」「明日の我が国を担うべき児童・生徒が国旗・国歌を尊重する態度を学ぶことは極めて重要」であるとしている。これに対して不起立・不斉唱は「自己の思想、良心を優先させ」「都教委の措置に対する抗議、反対の意思表明としての」「『確信的』に職務命令に反する行動をと」り「生徒の教育を受ける権利を侵害した」という。双方の教育の正当性が争われている。以下、主要な点を指摘する。

1,裁量権逸脱・濫用の判断基準
「具体的処分が社会観念上著しく妥当性を欠いている場合に裁量権濫用と判断される」として、「諸般の事情を考慮」する必要はないという。これは、3/10高裁判決(大橋裁判長)を否定し、7/25地裁判決(青野裁判長)を肯定したものである。特に後者で示された基準を踏襲している。

2,累積加重処分(戒告・減給・停職)の全てを確定する意図
 「本件各処分のごとき免職に至らない懲戒処分にあっては、比例原則違反により処分が違法となることはほとんど考えられない」として、停職と免職の間に線を引こうとしている。

3,教育実践の意義否定と教育の自由の争点回避

 都教委側は「国旗・国歌の有する意義も時代と共に変遷」したとして「国民の多数意識」が「基礎的知識」として児童・生徒に「指導する」ことを期待しているという。そして連続不起立・不斉唱はそれを「阻害」し「指導効果を大きく減殺」し、「停職出勤」や「卒業文集」に見解掲載、「再発防止研修」への抗議、「受付担当」を拒否し会場で不起立等々を「厳重な非違行為」の証明としている。
 一方、教育の自由については「本件各通達及び本件各職務命令が教員の教育の自由を侵害するものでないことは原判決が判示するとおりである。」と一蹴し「子どもや保護者に与える教育関係上の影響(悪影響)なるものは、上告人らの法律上の利益に関係のない事項であり、これを処分の取消事由(裁量権の逸脱・濫用事由)として主張することは許されない。」と述べる。
 つまり、裁判官や国民に二人への停職処分が当然との印象を与えるには、児童・生徒に対する教育実践を転倒して描くことが最も効果があるとしながら、教育の自由に踏み込むことは避けたいというジレンマに陥っている。都教委「答弁書」は、停職6月の累積処分を科しながら免職という加重処分を阻止したことを報じる新聞記事まで持ち出して、停職処分妥当を強弁している。
 石原都知事も、しばしば“すぐに辞めさせるわけではない。”と言い訳がましく広言している。大阪の「免職処分条例」との関係で、11/27・28はますます重要になってきた。≪やがて来たる者へ≫見るべきものを示さなければならない。

今後の予定 報道
*再雇用拒否撤回第2次訴訟 地裁口頭弁論 11/21 15:00 103号
*米山処分取消・非常勤不採用取消訴訟 高裁口頭弁論 11/22 15:30 822号
*東京・小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 12/13 16:00 424号
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 11/28 10:30
*東京「君が代」裁判一次訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/12 10:30
*アイム‘89処分取消請求訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/19 10:30 
*土肥裁判 東京地裁民事第19部判決 12/22 13:30 第527号
 累積加重処分取消訴訟(原告:近藤順一) 地裁判決延期 期日未定 


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2011年11月15日火曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第68号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!
最高裁弁論~教育の自由と全ての処分取消を②~

田原反対意見(起立・斉唱分離論)の半端な論理

 前号では、宮川反対意見が教育現場を理解しない危険なものであることを紹介した。もう一人の反対意見者である第三小法廷の田原裁判官は「起立命令」と「斉唱命令」を区別して「憲法19条との関係について検討する」として「『起立命令』に限っていえば、多数意見が述べるとおり・・間接的な制約となる面はあるものの、・・その制約を許容し得る程度の必要性及び合理性を有することを肯認できると考える。」という。「日の丸」に正対して起立することこそ教員が強制を受忍していることを児童・生徒に見せることではないのか。ことは、サッカー場やオリンピックでの「日の丸」ではない。また、一般的に学校儀式に国旗・国歌を取り入れるかどうかの問題でもない。国旗(日の丸)は10・23通達によってどこにどのように掲げるかが指定され、従来掲げられてきた卒業制作などが排除されたのである。掲揚が強制され、起立が強制された下での対処である。
 連続する不起立は「殊更に示威的な拒否行動」(大谷裁判官補足意見)ではなく、強制下でも「子どもとの直接の人格的接触」により自主・自立・自由を提示する教育的意義をもつものである。強制・処分は特別の思想・良心・信教をもつ者だけの問題ではなく、自分たちの学校の教育については自分たちで決め実践するという自由への弾圧である。田原反対意見もまた19条の枠を出られず、教育の自由侵害に対する無理解を示している。
 すでに成立した大阪の条例は「大阪府の施設における国旗の掲揚及び職員による国歌の斉唱に関する条例」である。「日の丸」と「君が代」は強制のセットである。
 私の場合は、「日の丸」にではなく生徒に正対して不起立・不斉唱を敢行した。生徒が自分の考えに基づいて行動する意味、つまり学習の自由を提示した。 それこそが憲法を遵守する公務員の責務であろう。これに対して「現認」の名目で起立斉唱を強要することこそ教授の自由に対する干渉であり、校務遂行に対する妨害である。
 裁判官の皆さまには、学校現場の実態、教育の自由の意味をよく理解してもらいたい。裁量権逸脱・濫用を判断するにも、このことが特に重要である。最高裁弁論に向けて双方から関連文書が提示され始めている。次号ではこれを取り上げる。

今後の予定 報道
*再雇用拒否撤回第2次訴訟 地裁口頭弁論 11/21 15:00 103号
*米山処分取消・非常勤不採用取消訴訟 高裁口頭弁論 11/22 15:30 822号
*東京・小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 12/13 16:00 424号
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 11/28 10:30
*東京「君が代」裁判一次訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/12 10:30
*アイム‘89処分取消請求訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/19 10:30 
*土肥裁判 東京地裁民事第19部判決 12/22 13:30 第527号
 累積加重処分取消訴訟(原告:近藤順一) 地裁判決延期 期日未定 


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2011年11月11日金曜日

処分取消裁判を支援する会ニュース(第67号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!
最高裁弁論~教育の自由と全ての処分取消を①~

 第一波最高裁判決(5/30~7/19)は、一律起立・斉唱・伴奏が憲法19条侵害にあたらないとして、減給・戒告処分を確定した。そして、最高裁第一小法廷は11・12月に弁論を開こうとしている。弁論で展開されるべきは、都教委による不当な介入支配、憲法23・26条の教育の自由侵害を認め全ての処分を取り消すことである。
 19条の枠に留まって、部分的な裁量権逸脱濫用を確定することではない。第一波判決を下した多数意見はもちろん、反対意見や補足意見を展開した裁判官もまたこの問題の本質とりわけ被処分者の連続不起立・不斉唱・不伴奏について無理解を露呈している。
 まず、第一小法廷の宮川裁判官は反対意見の冒頭で「国旗に対する敬礼や国歌を斉唱する行為は、私もその一員であるところの多くの人々にとっては心情から自然に、自発的に行う行為であり、式典における起立斉唱は儀式におけるマナーでもあろう。しかし、そうではない人々が我が国には相当数存在している。」と述べる。10・23通達や職務命令の強制性、被処分者の「教育上の信念」を展開しても結局のところ「そうではない人々」の個々の思想・良心問題である。行き着くところ、「不起立不斉唱行為」の「実質的害悪」「害悪が極めて重大であるか」の検討を提起し「受付を担当させる等、会場の外における役割を与え、不起立不斉唱行為を回避させる」と教育権自体を否定する。    

 かくして、自覚的な教職員が場外に出された後、式場では「秩序が確保」され「円滑な進行」により「日の丸・君が代」強制、教育の自由(学習の自由・教授の自由)の侵害が粛々と進行する。19条の枠に固執した結果である。これでいいのか。
 私の場合、戒告・減給・停職の全てが取り消されない限り勝利はない。延期されている地裁判決で勝訴するためにも、最高裁審理の前進が必要だ。    

大阪「処分条例」の本質を撃つ

 大阪府知事選挙が告示された。市長選とのダブルになる。すでに「日の丸・君が代」条例は成立している。継続審議になっている「教育基本条例案」は免職規定まである。東京の累積加重処分は裁量による懲戒処分・停職6月までである。大阪の破壊的な学校支配の核心も処分を構えた愛国心などの教育内容の強制である。
 大阪維新の会による府政、市政乗っ取りを許さず、教育の自由回復を実現しよう。

地裁民事19部に、公正な審理、判決を求める賛同署名、
ご協力ありがとうございました。本日(549)筆提出しました。
(第1次として204筆はすでに提出しました。)

今後の予定 報道
*再雇用拒否撤回第2次訴訟 地裁口頭弁論 11/21 15:00 103号
*米山処分取消・非常勤不採用取消訴訟 高裁口頭弁論 11/22 15:30 822号
*東京・小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 12/13 16:00 424号
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 11/28 10:30
*東京「君が代」裁判一次訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/12 10:30
*アイム‘89処分取消請求訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/19 10:30 
 累積加重処分取消訴訟(原告:近藤順一) 地裁判決延期 期日未定 


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2011年11月1日火曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第66号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点! 最高裁不当判決【第一波最高裁判決(5/30~7/19)】を 早期に破棄せよ!上告人は意気軒昂!!

 都教委10・23通達が発出された直後から抵抗を続けてきた方々は不当判決を受けても、闘いを継続する意思を表明している。私のようにずっと遅れて参入したものにとっても心強い限りだ。圧倒的な市民と共に、地裁、高裁、さらには最高裁での闘いで先行した不当判決を破棄させたい。

 不屈に闘った上告人の意志を確認しておきたい。
*ここまで一緒に戦ってくれた卒業生や保護者、また志を同じくしてきた仲間の教師、南葛の教育のために多くの力を貸してくれた方々に支えられた裁判であったことを誇りに思います。少しの悔いもなく次に進める気がします。(申谷雄二)
*裁判闘争を軸に回っていたこの三年間、皆さんと家族に支えられ充実していた 教壇復帰と1円は取り損ねたが、後悔は無し ただただ感謝あるのみ(木川恭)
*僕は裁判で、「君が代」の違憲性を問うてきました。・・判決を認めるわけにはいきません。闘いはこれからも続きます。(中島暁)
*明治以来の全体主義的政治勢力とその走狗、公安、検察、裁判官の一掃なくして日本の未来は暗い。(藤田勝久)
*引っ込むわけにはいかないと思います。・・今後は「日の丸・君が代の強制に反対し、子どもと教育を守る会」として運動を続けていくことを確認しました。(都教祖八王子支部「3人の先生を支える会」川崎)
*裁判としては全く納得できない結果で終わることになりましたが、私たちは今後とも、関連する裁判を始め闘い続けるつもりです。(嘱託採用拒否撤回を求める会)
*地裁、高裁の記録集につづいて最高裁段階の記録集を、現在、鋭意編集中である。(不当解雇撤回を求める被解雇者の会 平松辰雄)
*最高裁判決を乗り越え「君が代」裁判に勝利しよう・・思想・良心の自由についても大法廷で弁論を行うように、取り組んでいこうと考えています。(「君が代」不当処分撤回を求める会<東京教組>)
今後ともアドバイスをいただき、共同、共闘していくことを期す。

劉連仁記念館の「日の丸」

 錦秋の候、それは中国山東省高密市の農家の一角にあった。“豚になっても生きろ!”という言葉があるが、劉連仁さんは強制連行され強制労働させられていた炭坑から逃亡し、正に北海道の“熊”となって14年の歳月を耐え抜いた。その間、日本の敗戦も、中国の解放も知らなかった。発見されたときも手斧を握りしめていたという。          さて、私たちの10年、20年はいかほどのものか。
 記念館へは劉?新館長(劉連仁さんの息子)が同道してくれた。

 館内には関連する証拠品や写真と共に次のような展示があった。




「日の丸」と星条旗の右上=有事法制 反対
「日の丸」と星条旗の上=アメリカと
「日の丸」と星条旗の下=心中する日本!

地裁民事19部に、公正な審理、判決を求める賛同署名

ご協力ありがとうございます。
現在、(219)筆。来週、提出します。
(第1次として204筆はすでに提出しました。)

今後の予定 報道
*都障労組処分取消訴訟 高裁口頭弁論 11/7 16:00 824号
*再雇用拒否撤回第2次訴訟 地裁口頭弁論 11/21 15:00 103号
*米山処分取消・非常勤不採用取消訴訟 高裁口頭弁論 11/22 15:30 822号
*東京・小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 12/13 16:00 424号
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 11/28 10:30
*東京「君が代」裁判一次訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/12 10:30
*アイム‘89処分取消請求訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/19 10:30 

 累積加重処分取消訴訟 地裁判決延期 期日未定 


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2011年10月24日月曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第65号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!!
情況を直視し、正攻法で進もう!
全ての処分取消・強制システムに憲法判断を

第一波最高裁判決(5/30~7/19)が示したこと

  1. 処分(戒告・減給)を確定したこと。
  2. 原審の“裁量権逸脱・濫用認めず”を是認したこと。

 10・23通達、職務命令は憲法19条に違反しない、そして、処分(戒告・減給)の確定。北九州ココロ裁判では、2008年の福岡高裁判決が「処分(戒告・減給)は裁量権の範囲を逸脱、濫用したものということはできない。」とし、最高裁でこれが是認された。従って、最高裁が整合性を迫られているのは、この第一波判決と3・10大橋判決(戒告・減給取消)である。後者について第一小法廷は12/12と12/19に弁論を開く。第一波判決は3つの小法廷全てで下されたもので、同様の事案で1つの小法廷だけが異なる判決を出すことはできないだろう。下級審では裁量権について異なる判決が出されている。しかし、最高裁は基本的に確定判決を行う。民事訴訟法326条には破棄自判の制度がある。
 この情況をふまえての対応が迫られている。全ての処分を取り消すためには「意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき」(裁判所法 第10条3項)により大法廷を開くしかない。

教育の自由・不当な支配の憲法判断こそ正攻法

  1. 10・23通達、職務命令は学校現場への不当な介入。
  2. 教育の自由侵害(23・26条)に憲法判断を。
  3. 「正しい教育」に対する処分は裁量権逸脱・濫用。

何が「正面突破」で何が「迂回作戦」か。

 「日の丸・君が代」強制は、公立学校現場で、教育公務員に、職務専念義務が科された勤務時間中に、校務としての教育課程の実施の中で進行したものである。すでに成立した大阪府の「日の丸・君が代」条例、審議されている教育基本条例をみると、その核心が分かる。06教育基本法の愛国心をはじめとする教育目標決定権を知事に集中させ、抵抗する者は教育委員であれ、現場教職員であれ排除するというもの。特に抵抗を継続する者、連続不起立・不斉唱・不伴奏者には容赦しない、免職にするという内容。また、公権力の国家シンボル強制に対する批判も、それが19条・20条に留まっている限り「慣例上の儀礼的な所作」を突破できない。
 教育の自由は決して「迂回作戦」ではない。処分が裁量権の逸脱・濫用である根拠は、10・23通達、職務命令の不当な支配に抗して「正しい教育」を進めようとしたことにある。教育の自由侵害に憲法判断を!!

地裁民事19部に、公正な審理、判決を求める賛同署名
~10月末、第2次しめきり、よろしくお願いします~
(判決日の延期により、署名用紙中の文言を一部変更しました。署名していただいた方は送ってください。また署名用紙を請求してください)

今後の予定 報道

*都障労組処分取消訴訟 高裁口頭弁論 11/7 16:00 824号
*再雇用拒否撤回第2次訴訟 地裁口頭弁論 11/21 15:00 103号
*米山処分取消・非常勤不採用取消訴訟 高裁口頭弁論 11/22 15:30 822号
*東京・小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 12/13 16:00 424号
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 11/28 10:30
*東京「君が代」裁判一次訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/12 10:30
*アイム‘89処分取消請求訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/19 10:30 

 累積加重処分取消訴訟 地裁判決延期 期日未定 

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2011年10月21日金曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第64号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!!
悔いなき闘いになっているか!!
情況と展望~いくつかの疑問~

第一波最高裁判決(5/30~7/19)と裁量権問題

 11件の判決はどれも上告棄却・原審確定だった。戒告、減給処分は是認された。今後の第二波、第三波はこれを前提に展開されるだろう。そして、最高裁第一小法廷は弁論を開こうとしている。
 そこで次のような疑問がある。どなたか、教えてください。

①最高裁の第一波判決(5/30~7/19)では、裁量権について判断しないで処分(戒告・減給)を是認確定したのか。
②最高裁第一小法廷は、処分(戒告・減給)是認とは異なる判決を、「君が代」裁判第一次訴訟やアイム‘89処分取消請求訴訟において出せるか。  その場合、法の下の平等はどうなるのか。
③大法廷を開くことによって、先の処分(戒告・減給)是認を見直し裁量権逸脱・濫用による処分取消を勝ち取る可能性はあるか。


何をめざすべきか

 都教委10・23通達発出から8年になる。北九州・広島などを先行とした「日の丸・君が代」強制処分は、戦後教育史上に画期をなす攻撃だ。
 勤評、学テ、教科書検定・検閲、職階制(主任制・主幹制・主任教諭制等)、人事考課制、さらに最近の教科書採択問題等が展開されてきた。これらはどれ一つとっても重大な意味をもっている。例えば教科書問題では、“教科書を教えるのか”“教科書で教えるのか”が問われた。職階制では、教職員の自主性と生活がかかってきた。しかし「日の丸・君が代」強制処分は、児童・生徒に何をどう教えるのかというその指導場面で教職員の行為そのものが問われることとなった。従って教育現場の自由、教育活動そのものの自由こそが問題となった。個々の教職員がどのような思想良心、信教を持っているかとは別に、基本的に強制のシステム自体が問題とされなければならない。裁量権問題に矮小化されてはならない。最高裁はこの教育の自由を意図的かどうか見事に外した。
 ここでもいくつかの疑問がある。

④“大橋判決の維持が最低限かつ最大限追求すべき課題”なのか。
⑤最高裁で「上告事由に該当せず」とされた教育の自由(憲法23・26条)などを審理させる方法はあるか。


 大阪で成立した「日の丸・君が代」条例、現在審理されている処分条例は破壊的な影響をもつだろう。これが裁判の動向とタイアップしていることは明らかである。大阪維新の会の橋下知事は、裁判判決や新聞社説に対して直接的な発言をしている。
 多くの市民の皆さんと進んでいかなければならない。私達の責任は重い。

地裁民事19部に、公正な審理、判決を求める賛同署名

~10月末、第2次しめきり、よろしくお願いします~
(判決日の延期により、署名用紙中の文言を一部変更しました。署名していただいた方は送ってください。また署名用紙を請求してください)

今後の予定 報道
*都障労組処分取消訴訟 高裁口頭弁論 11/7 16:00 824号
*再雇用拒否撤回第2次訴訟 地裁口頭弁論 11/21 15:00 103号
*米山処分取消・非常勤不採用取消訴訟 高裁口頭弁論 11/22 15:30 822号
*東京・小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 12/13 16:00 424号
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 11/28 10:30
*東京「君が代」裁判一次訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/12 10:30
*アイム‘89処分取消請求訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/19 10:30 

 累積加重処分取消訴訟 地裁判決延期 期日未定 


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2011年10月15日土曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第63号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!!
走り出した最高裁、大法廷を開け!

教育の自由・不当な支配・裁量権に憲法判断を!
停職・減給・戒告、全ての処分取消を!

最高裁第一小法廷の弁論開始

 係属している三つの裁判で11/28,12/12,12/19に弁論が開かれる。高裁ではそれぞれ停職是認(3/25)、戒告・減給取消(3/10)、戒告取消(3/10)の判決が出された。民事訴訟法319条により、弁論開催によって裁量権逸脱・濫用の適用が見直される可能性があるという。戒告・減給取消が見直されて処分が是認される重大事態である。
 裁量権問題については、戒告・減給を是認した第一波最高裁判決(5/30~7/19)と3/10高裁判決の整合性が問題になるだろう。最高裁の多数意見は上告棄却・原審確定(処分是認)であった。裁量権逸脱・濫用は認められなかったが、以下の反対意見、補足意見は裁判官の間でかなりな議論があったことを示している。
*田原・反対意見:校務運営に相当程度の支障を生じさせるようなものでない限り懲戒処分とすることは原則、裁量権の濫用に当たる。
*宮川・反対意見:起立斉唱は・・人権の尊重などを強調してきた教育者として、その魂というべき教育上の信念を否定することになると思われる。
*須藤・補足意見:強制や不利益処分は可能な限り避けるべきだ。
*岡部・補足意見:命令の必要性や起立しなかったことによる損害など影響の程度などを勘案した結果として、処分を科すことが裁量権の逸脱に当たる場合がある。
*大谷・補足意見:過度の不利益処分をもってする強制や示威的な拒否行動で教育関係者に対立が深まれば教育現場は混乱し、生徒に悪影響を及ばすことが懸念される。

 最高裁大法廷が開かれれば、停職だけでなく全ての処分について取り消される可能性があり、少なくとも、懲戒処分に対して警告・牽制する多数意見がまとめられる意味は大きい。第一波判決は3つの小法廷全てで出されたもので、第一小法廷だけでは判決の変更による処分の取り消しは不可能だろう。
 停職処分はもちろん、減給も戒告も「正しい教育」に対する裁量権逸脱・濫用であり取り消されるべきである。それはこれから出される第二波最高裁判決においても、また、すでに判決が下された戒告・減給処分も破棄される必要がある。このことを最高裁に要請する。

10・23通達、職務命令に憲法違反の判断を

 不起立・不斉唱・不伴奏に対する処分が裁量権の逸脱・濫用である根拠を追及すれば、10・23通達、職務命令が行政の不当な介入・支配であり教育の自由の侵害であることが明らかとなる。上記以外にも最高裁裁判官の次のような意見がある。
*金築・補足意見:職務命令に起因する対立が教育環境の悪化を招けば、児童・生徒も影響を受けるため、慎重かつ賢明な配慮が必要。
*千葉・補足意見:国旗・国歌が強制ではなく、自発的な敬愛の対象となる環境を整えることが重要。

 先の最高裁判決では「上告事由に該当せず」とされたが、今度こそ23条、26条、13条を含め憲法判断をさせなければならない。さらに子どもの権利条約などの国際条約もある。
 「日の丸・君が代」強制、処分は戦後教育史上に画期をなす学校現場への直接的な介入・侵害である。関連裁判は北九州、広島、神奈川、東京を始め新潟、大阪などへも広がっている。周知のように大阪「君が代」条例、処分条例は破壊的な影響をもつ。裁量権の逸脱・濫用問題に解消させることなく、介入・侵害のシステム自体にNOを突きつけるべきだ。

参考資料
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
裁判所法(大法廷及び小法廷の審判)
第10条 事件を大法廷又は小法廷のいずれで取り扱うかについては、最高裁判所の定めるところによる。但し、左の場合においては、小法廷では裁判をすることができない。
  1. 当事者の主張に基いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを判断するとき。(意見が前に大法廷でした、その法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するとの裁判と同じであるときを除く。)
  2. 前号の場合を除いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合しないと認めるとき。
  3. 憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
民事訴訟法(破棄自判)
第三百二十六条  次に掲げる場合には、上告裁判所は、事件について裁判をしなければならない。
一  確定した事実について憲法その他の法令の適用を誤ったことを理由として判決を破棄する場合において、事件がその事実に基づき裁判をするのに熟するとき。
二  事件が裁判所の権限に属しないことを理由として判決を破棄するとき。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

地裁民事19部に、公正な審理、判決を求める賛同署名
~10月末、第2次しめきり、よろしくお願いします~
(判決日の延期により、署名用紙中の文言を一部変更しました。署名していただいた方は送ってください。また署名用紙を請求してください)

今後の予定 報道
*東京「君が代」裁判三次訴訟 地裁口頭弁論 10/14 15:00 527号
*再雇用拒否撤回第2次訴訟 地裁口頭弁論 11/21 15:00 103号
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 11/28 10:30
*東京「君が代」裁判一次訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/12 10:30
*アイム‘89処分取消請求訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/19 10:30 
 累積加重処分取消訴訟 地裁判決延期 期日未定


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2011年10月7日金曜日

公正な審理、判決を求める署名

東京地方裁判所民事第19部 裁判官 様

公正な審理、判決を求めます

 2003年に東京都教育委員会が発した「10.23通達」によって、東京都の全ての公立学校の入学式、卒業式等で「日の丸・君が代」に対し一律起立・斉唱の強制が続いています。さらに八王子市教委は、都教委「通達」と同じ内容の「9.22通達」「12.8通達」を発し、校長は懲戒処分を構えた職務命令を出しました。
 全都では延べ430名以上の教職員が処分を受けました。私は外国人生徒も多く学んでいる夜間中学でこの強制に服することはできないと考えました。多様な考え、多様な行動の自由を示す不起立・不斉唱によって4度の処分(戒告・減給1月・減給6月・停職1月)を受け、その取消を請求して提訴しました。
8/22に結審し、近いうちに判決が予定されています。貴裁判所におかれましては、学校に自由を取り戻し、教職員の自由な教育実践によって児童・生徒が生き生きと学べるようにするため、公正な審理、判決をお願いします。
 以下の項目を要請します。

〔要請項目〕

  1. 「日の丸・君が代」に対し一律起立・斉唱を強制することは教育への「不当な支配」を禁じた教育基本法第16条に違反し、教育の自由(子どもの学習の自由・教職員の教授の自由)を定めた憲法23条、26条に違反する点について公正な判断をすること。
  2. 都教委「10.23通達」、八王子市教委「通達」、職務命令は憲法19条(思想・良心の自由)、20条(信教の自由)及び国際条約に違反する点について公正な判断をすること。
  3. 4度の累積加重処分は、全て都教委の裁量権を逸脱・濫用したものであることについて公正な判断をすること。

署名用紙へのリンク

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第62号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!!
判決日は延期!!
 延期を好機に!!

 <11/17予定の判決は延期する。期日は追って指定する。>との連絡が入った。この間、東京地裁民事第19部は、結審や判決をしばしば延期してきた。東京「君が代」裁判二次訴訟の判決延期、土肥裁判の結審延期、累積加重処分取消裁判の結審延期、そして今回である。今回の延期の理由は明言されていない。他の訴訟、特に最高裁の動向と関係があるのかもしれない。ともかく、11/17までには判決を確定できないと言うことだろう。
 最高裁第一小法廷は11/28に弁論を開始し、3・25高裁判決の停職処分是認を見直す動きを見せている。戒告・減給については、第一波最高裁判決(5/30~7/19)で裁量権の逸脱、濫用を認めず処分を是認した。私の訴訟は、教育の自由などの憲法判断を求め、戒告・減給(2度)・停職全ての懲戒処分取消を請求している。4度の不起立・不斉唱は、その動機、態様、教育効果とも一貫したものであり、累積加重処分は都教委の恣意的な裁量であった。そもそも、卒業式は教育課程(特別活動の儀式的行事)の実施という校務遂行である。10・23通達、職務命令によって「敬意の表明」が強制されるとき、生徒に自由を示す以外に何ができるでしょうか。その形態は多様であるとしても、自由を示す教育実践を前提としない限り、“正しい教育”も、“生徒が主人公の卒業式”も、“日頃の教科指導・生活指導の集大成としての最後の授業”も成り立たないであろう。都教委の裁量権逸脱、濫用は明らかである。
 判決日が延期されたと言うことは、署名活動や宣伝活動などの期間が保障されたと考える。裁判は裁判所の中だけで闘われるものではない。少なくとも、東京の処分取消の取組は大阪の処分条例を撃つ。皆さまと共に進んでいきたい。

署名(204筆)を提出、ご協力に感謝します

 本日(10/6)、皆さまにご協力を頂いた<公正な審理、判決を求める>署名(第1次分)を裁判所に届けました。九州から、兵庫から、山口から、・・・郵送してくださった方、職場やご家族で取り組んでいただいた方、ありがとうございました。
 多くの市民が注目していることだけは、裁判官に伝わったと思います。引き続き進めます。よろしくお願いします。

地裁民事19部に、公正な審理、判決を求める賛同署名
~10月末、第2次しめきり、よろしくお願いします~
(判決日の延期により、署名用紙中の文言を一部変更しました。署名していただいた方は送ってください。また署名用紙を請求してください)

今後の予定 報道
*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 10/11 16:00 424号  
*東京「君が代」裁判三次訴訟 地裁口頭弁論 10/14 15:00 527号
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 11/28 10:30
 累積加重処分取消訴訟 地裁判決延期 期日未定 

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2011年10月2日日曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第61号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!!
展示中!!
「日の丸・君が代」強制、処分反対!

▼イベント名
「第14回八王子平和を愛する文化祭」
▼会 場   八王子労政会館2階
展示企画 (2階各会議室)
 時間  10月2日 10:00~17:00

 例年、開かれている展示会に今年もエントリーしています。この「文化祭」は八王子で日常的に活動している多くの団体が実行委員会を結成して各種のイベントを行っています。
 「日の丸・君が代」累積加重処分取消裁判を支援する会として、歴史的背景、裁判の情況、大阪の条例、署名要請などを展示しています。
 10/2(日)のみとなりましたが、八王子近辺の方、ぜひご覧ください。


地裁民事19部に、公正な審理、判決を求める賛同署名
~9月末、第1次しめきり、よろしくお願いします~
(署名していただいた方は送ってください。また署名用紙を請求してください)

今後の予定 報道
*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 10/11 16:00 424号  
*東京「君が代」裁判三次訴訟 地裁口頭弁論 10/14 15:00 527号
累積加重処分取消訴訟 地裁判決 11/17(木) 13:30 527号 
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 11/28 10:30

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2011年9月28日水曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第60号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!!
「裁量権を判断していない」論はミスリードに導く!!

第一波最高裁判決は上告棄却・原審確定


 5/30~7/19の三つの最高裁小法廷における11件判決は全て原審である高裁判決を確定した。不当処分確定としては、藤田事件と神奈川こころの自由裁判以外の9件の戒告処分・減給処分を確定した。裁量権問題について最高裁裁判官の間でどのような論議があったのかは判決文に書かれてはいない。反対意見や補足意見を見る限りある程度の議論がなされたことが伺える。特に補足意見では、学校現場の自由を維持するために強制・過度の処分を牽制している面も見られる。
 それでもなお多数意見が戒告・減給処分を確定したのは裁量権逸脱・濫用を認めなかったことを意味している。例えば、5/30判決の嘱託採用拒否事件では裁量権逸脱・濫用を上告理由としていたが、最高裁はこれを却下した。
 このことは現在最高裁に上告されている裁判、高裁・地裁で審理されている事案において戒告・減給処分を取り消させるハードルの高さを規定しているのである。最高裁が独自の論理展開をした憲法19条、「上告事由に該当せず」とした教育の自由(23・26条)、さらには裁量権逸脱・濫用論等について見直しをさせる道はある。それは第一小法廷の枠内では不可能だろう。

二つの「論拠」に有効性はない

 「最高裁は裁量権を判断していない」論の「論拠」として二つのことがいわれている。一つは、裁量権を嘱託採用の裁量権と処分の裁量権を分けて、後者の裁量権について判断していないとするものである。しかし、懲戒処分を受けたからこそ採用が拒否されまた解雇されたのである。そして最高裁はそれを是認したのである。懲戒処分==>不採用・解雇であり、その逆ではない。
 二つ目は、停職処分取消訴訟(高裁判決=停職是認)において第一小法廷が弁論期日を指定していることが挙げられている。停職処分について見直すからといってすでに確定した戒告・減給処分に連動すると見るのは気休めだ。第一波最高裁判決では停職処分の事案はなく、その裁量権については議論されたとしても判断の限りではなかったであろう。停職処分は教授の自由以前に児童・生徒から切り離すことによって教育権の行使自体を奪い経済的にも重大な損害を与えるものである。大阪の免職条例に歯止めをかけるとしたら停職にはストップをかけておくしかない。現に上程された条例案では「標準的な分限処分は、免職とする」という裁量・猶予が付いているようだ。

教育の自由のために、全ての処分を取り消すために最高裁大法廷を開かせよう

 「日の丸・君が代」強制・処分が教育の自由の問題ではないなどという不合理きわまりない判決をできるだけ早く改めなければならない。教育の自由の追求、10・23通達・職務命令への追及こそが都教委の裁量権逸脱・濫用を白日の下にさらすことになる。有無をいわせぬ国家忠誠表明の強制を「慣例」「儀礼」「秩序」等へ逃げ込むのを許してはならない。
 今、私達被処分者、原告は自らの行動を正々堂々と語らなければならない。それは決して勇猛果敢なものばかりではない。躊躇し、動揺し、恐れおののいたこともある、必要なことと可能なことの狭間で悶えたこともある、それでも一瞬でも、自分が考える教員としての理想や希望に向かって行動しようとしたことをはっきりと示さなければならない。ヘマばかりやってきた30数年の教員生活を思えば気恥ずかしい限りだが、コウカイアトヲタタズ。
 今は、共に闘う原告の方々、何よりも学校現場の教職員そして市民の皆さまと共に最高裁大法廷に入り、戒告、減給、停職全ての処分を取り消す弁論をききたいと思う。

地裁民事19部に、公正な審理、判決を求める賛同署名

~9月末、第1次しめきり、よろしくお願いします~
(署名していただいた方は送ってください。また署名用紙を請求してください)

今後の予定 報道
*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 10/11 16:00 424号  
*東京「君が代」裁判三次訴訟 地裁口頭弁論 10/14 15:00 527号
累積加重処分取消訴訟 地裁判決 11/17(木) 13:30 527号 
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 11/28 10:30

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2011年9月23日金曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第59号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!!
橋下「大阪維新の会」、教育基本条例提出!!

学校教育への直接介入

 ついに提出された。一部修正はされたが「愛国心および郷土愛にあふれた人材の育成」を掲げ、職務命令違反では「3回目の違反に対する標準的な分限処分は、免職とする」との内容の条例である。東京都では地方公務員法の規定により都教委が裁量権を行使して分限・懲戒処分を行う。累積加重懲戒処分は1回目=戒告、2回目=減給1月、3回目=減給6月、4回目=停職1月、5回目=停職3月、6回目=停職6月となり、「君が代」強制での懲戒免職はまだない。     
 大阪の条例案では「標準的な」を挿入することによって裁量の余地を明示しつつ免職規定している。最高裁第一小法廷が弁論を開き停職懲戒処分を取り消す可能性を見込んだものだろう。11/27に大阪ダブル選挙、11/28最高裁第一小法廷弁論が予定されている。その意味でも停職はもちろん、減給・戒告も含めて全ての処分を取り消させることが重要である。第一波最高裁判決は全ての小法廷で戒告・減給処分を是認した。大法廷を開きこれを見直させることだ。

「日の丸・君が代」強制・処分の歴史的位置

 戦後教育に行政権力から仕掛けられた攻撃の中でも突出している。
 1950年代の勤評闘争、50~60年代の学テ反対闘争(1976:旭川学テ大法廷判決)、60~90年代の教科書裁判、70年代の主任制、その後の職階制(副校長・主幹・主任教諭)攻撃などが進行した。勤評や職階制は教職員の身分・待遇規制であり、学テ、教科書検定は調査・教材という媒介に対する攻撃であった。これに対して「日の丸・君が代」攻撃は、直接に子供への指導内容、指導場面での強制、そして過酷な処分は特筆される。国旗国歌への敬意の表明、国家への忠誠を通して愛国心を醸成する。そのためには自由、自主、自立、公正とは逆の強制、追従、独善を子供に感化することが強要される。教職員の教育活動そのものの存在意味が問われることとなった。60年間日本の教育理念をリードしてきた47教育基本法が改定されたのは、決定的な意味をもった。

学校現場を基本に

 不服従抵抗に対する処分の行き着く先が免職と決められようとしている。問答無用、これほどの破壊はない。累積処分停職6月で押しとどめている東京でも不起立・不斉唱・不伴奏者は激減した。今年度の入学式ではただ一人。権力側が、「この行為に対してこの処分をする」といった時、「この行為」を選択肢から除外したら闘いにならない。「日の丸・君が代」強制反対、10・23通達撤回という総論を掲げても行動方針がないところに前進はない。
 “不起立・不斉唱・不伴奏を含む多様な取組を呼びかける”ことを一貫して提起してきた。不起立できる者はそれを追求し、職員会議で反対議論できるものはそれを追求する、宣伝行動、集会など行動はいくらでもある。問題は、なりゆきにまかせるのではなく、広く「呼びかける」ことである。「呼びかける」ことが現場の教職員に精神的圧迫を与えるという意見もある。教職員が試行錯誤するのは当然である。広く厚い取組が展開されることを期待する。学校現場の取組を基本に抵抗し共同し闘う展望をしっかり提示していくことが、大阪をはじめ全国的に必要である。

地裁民事19部に、公正な審理、判決を求める賛同署名
~9月末、第1次しめきり、よろしくお願いします~
(署名していただいた方は送ってください。また署名用紙を請求してください)

今後の予定 報道
*米山処分取消訴訟 高裁口頭弁論 9/27 15:30 822号
*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 10/11  
*東京「君が代」裁判三次訴訟 地裁口頭弁論 10/14 15:00 527号
累積加重処分取消訴訟 地裁判決 11/17(木) 13:30 527号


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2011年9月19日月曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第58号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!!
教育の自由を保障し、全ての処分を取り消すために
最高裁大法廷へ向けて率直に自由を語ろう

~最高裁第一小法廷の弁論決定に当たって~


 報道によると、最高裁第一小法廷は11/28に河原井・根津停職処分取消訴訟について弁論を開くという。民事訴訟法第319条は上告棄却する際には弁論を経ないでよいとされている。原審破棄の時に弁論を開くので、停職処分を是認した3・25高裁判決(加藤裁判長)が見直される可能性がある。歓迎だ。今後、他の訴訟でも弁論が開かれる可能性がある。
 3・10高裁判決(戒告・減給取消)、3・25高裁判決(停職是認)、第一波最高裁判決(戒告・減給是認)という裁量権逸脱・濫用問題の不整合を最高裁は何とか解決しようとしている。全ての処分を取り消させるために、今必要なことは圧倒的な声を挙げることだ。10・23通達下で苦しめられた者、不起立した者も起立した者も、戒告処分を受けた者も減給処分を受けた者も停職処分を受けた者も、そして処分を受けなかった者も、勇敢にも最高裁まで闘って不当判決を受けた方々、今も下級審・最高裁で裁判闘争を継続している者も、提訴に至らなかった者も、何よりこの運動に関わってくださっている多くの市民の方々も、ぜひ声を挙げて欲しい。

裁量権問題から教育の自由へ

 では、何を語るのか。児童・生徒、学校とそれにつながる日本の社会について、大阪の「君が代」強制・免職条例について、教育のあり方と教職員の果たすべき役割について、そして強制・処分と自由について。「正しい教育をしたいという思いからの行動」が何で処分に値するのか。「子供に考えること、自分で判断すること」を提起したのが処分に値するというのか。処分の不当性、裁量権の逸脱・濫用を語れば、それは教育の自由(憲法23・26条、教育基本法、権利条約など)に向かうはずだ。全ての処分は「憲法に適合しない」、「憲法・法律の解釈適用について」第一波最高裁判決(全ての小法廷に関わっている)は間違っていることを認めさせるためには、大法廷を開くしかない。第一小法廷が弁論を開くのは歓迎だが、問題の核心である強制のシステムを断罪し教育の自由保障を判定させるためには大法廷が必要だ。それによってこれまで是認された処分を取り消させることができる。

最高裁に迫る判決を

 地裁判決まで2ヶ月を切ったが、他の下級審裁判と同様、極めて重要な意味をもっていると思う。あれこれの最高裁判決があるからといってあきらめるわけにはいかない。そもそも、旭川学テ最高裁判決は正確に適用されていない。この問題で、教育の自由の憲法判断を「上告事由に当たらない」としたことの不当性が浮かび上がってくる。
 一審・二審で着実な前進を積み重ねれば、最高裁も無視できないだろう。

地裁民事19部に、公正な審理、判決を求める賛同署名
~9月末、第1次しめきり、よろしくお願いします~

今後の予定 報道
*東京「君が代」裁判一次訴訟 最高裁要請 9/20 14:40 東門
*都教組八王子・3人の裁判 新たな闘いの前進をめざす集い 
9/22 18:30 労政会館
*米山処分取消訴訟 高裁口頭弁論 9/27 15:30 822号
*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 10/11  
*東京「君が代」裁判三次訴訟 地裁口頭弁論 10/14 15:00 527号
累積加重処分取消訴訟 地裁判決 11/17(木) 13:30 527号


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2011年9月12日月曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第57号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!!
座視して判決を待たず

最高裁大法廷へ向けて一・二審で前進を勝ち取る

 第一波最高裁判決(5/30~7/19)は、憲法19条について一律起立斉唱は思想及び良心の自由を侵害しないとした。それは「慣例上の儀礼的な所作」であるから世界観や歴史観とは直接に関わらないし、国旗国歌への「敬意の表明=間接的制約」も式の「秩序を確保」し「円滑な進行」という必要性・合理性があり職務命令は合憲であるとした。では、それを強制、思想及び良心の侵害と受け止める者は忍従するか、退職するか、それとも不服従によって累積加重処分を受けるか、ということである。大阪府の方では君が代斉唱を「条例上の規定された義務」として累積加重処分の行き着く先=免職までも決めようとしている。“法律で愛の形を決めないで! 通達で式の形を決めないで! 条例で職の形を決めないで!”ということである。
 教育の自由(23条・26条)についてはもっとひどい判決内容になっている。最高裁は居丈高にも「上告事由に該当せず」として門前払いした。「事実誤認」だとか「単なる法律違反」だと断定して、それらは下級審の問題とした。          
 市川須美子教授は指摘している。
 「思想・良心の自由主張は、基本的には個別義務免除を求める主張であり、義務賦課のシステム自体の適法・違法を問わないのである。・・しかし、教育の自由を主張する自主性擁護的教育裁判の現状は、最高裁学テ判決以降憲法裁判としての展開はほとんどなく、せいぜい行政の裁量濫用の段階での争いになっている。」(「教師の思想・良心の自由と教育の自由」『法律時報79巻2号』)
 10.23通達、職務命令による職務専念義務下の強制メカニズムを解明するには校務としての児童・生徒との関係を追及するのが必須である。
 このような最高裁に対して、第二波では大法廷を開かせ、口頭弁論を行わなければならない。そのためには一・二審の事実認定段階で前進を勝ち取ることが特に重要である。

裁量権逸脱・濫用課題
~ハードルの高さを知らなければ越えることはできない~

 上記のように最高裁は上告棄却・原審確定の判決を出した。思想良心の自由については最高裁独自の論理展開を明示した。教育の自由等「その他の上告理由」については却下し判決文上には独自の論理展開は示さず原審を是認した。つまり、それぞれの戒告処分を確定したのである。裁量権についても最高裁がどう審理したのかは明示されていないが、それぞれの事案における戒告処分について裁量権は「判断されていない」のではなく逸脱・濫用を認めなかったのである。最高裁は裁量権逸脱・濫用課題を留保したり、下級審判決を待って判断しようとしているのではない。最高裁が原審確定で戒告処分を是認したことを徹底的に批判していかねばならない。
 今後、小法廷で裁量権逸脱・濫用により戒告処分を取り消す判決を出すなら、第一波判決との間で法の下の平等に反する事態を引き起こすであろう。最高裁はおそらくそのようなことをしないだろう。小法廷では少なくとも戒告処分については裁量権逸脱・濫用を認めないだろう。このハードルを越えねばならない。戒告、減給、停職全ての処分における裁量権逸脱・濫用を確定し、処分を取り消させるためにも、重大な判決の変更を求めて大法廷を開かせなければならない。(大法廷で審理される案件:憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき)

地裁民事19部に、公正な審理、判決を求める賛同署名
~9月末、第1次しめきり、よろしくお願いします~

今後の予定 報道
*再雇用拒否撤回二次訴訟 地裁口頭弁論 9/1215:00 103号
*都立七生養護ここから裁判 高裁判決 15:00 101号
*早川公務災害裁判 判決 9/14 15:00 809号
*都教組八王子・3人の裁判 新たな闘いの前進をめざす集い 9/22 18:30 労政会館
*米山処分取消訴訟 高裁口頭弁論 9/27 15:30 822号
*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 10/11  
*東京「君が代」裁判三次訴訟 地裁口頭弁論 10/14 
累積加重処分取消訴訟 地裁判決 11/17(木) 13:30 527号

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2011年9月5日月曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第56号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!!
第一波最高裁判決に対する実践的批判

いくつかの論調

最高裁判決が出されてからいくつかの見解が公開されている。散見したところ、以下の緒論が見られる。
  1. 勝野正章「『日の丸・君が代』最高裁判決で問われる学校観」(『世界2011.8』)
  2. 西原博史「『君が代』不起立訴訟最高裁判決をどう見るか」(『世界2011.9』)
  3. 土屋英雄「『国旗・国歌』は『強制可能な公的利益』か」(『法律時報2011.9・10号』)
  4. 斎藤貴男他4名「最高裁判決を読んでの私の意見」(パンフ「『日の丸・君が代』強制反対 最高裁は大法廷を開き、口頭弁論を」)
 ここでは全面的な検討はできないが、②については論者の学校教育の「対立関係」規定、即ち「教育行政<対>教師」、「教育行政・教師多数派<対>教師少数派・子ども・親」という枠組を固定するところから、地方行政権力の強化を容認している。今日、教育基本法の実働化や地方自治体・地教委の暴走ともいえる動向の中では危険な側面をもつ。また、「少数派」の思想・良心を取り上げるのに、「教育委員会側の権力策動を重視しない」「東京においては教師の側の運動論的な盛り上がりがむしろ認識を妨げている」と、ことの本質を見ない見解を吐露している。一方では、最高裁が「敬意の表明」という「間接的制約」を認めたことを思想・良心に関わる「重要な一歩」としている。
 ③は、国際的動向から最高裁判決を批判し、自由権規約など国際条約の意義から今後の動向を予見するものである。ただ、竹内裁判官の補足意見を取り上げる中で、論者が中国「義勇軍行進曲」と日本国「君が代」を同列において論じているのは、強制・排外主義を指摘する意図は認めるが、二つの「国歌」に対する歴史認識の点で疑問である。

現場からの実践的批判

 学者や評論家ではなく、弁護士でもない私たちは、より教育実践的に対応したい。まず、判決は起立斉唱が「慣例上の儀礼的な所作」であるから通達、職務命令は「直接に思想・良心を侵害しない」とした。つまり、起立斉唱は「法律・規則上の規定された行為」ではないと言うこと。通達、職務命令によって強制され、それに従わなかったから処分されたことが明白となった。「慣例」と認めるか否か、「所作」を行うか否か、ここに対立、論争があることを最高裁は認めたことになる。
 次に判決は国旗国歌に対する「敬意の表明を含む行為」と認めた。最高裁は避けたのであろうが、シンボルである国旗国歌への「敬意の表明」はその本体である日本国の象徴天皇制国家としての側面への忠誠表明である。これは旭川学テ判決がいう特定の認識を教え込むこと、教える側には柔軟性、裁量の余地がない形態であること等が導かれる。
 例えば、起立するかどうか、斉唱するかどうかの組み合わせでは少なくとも4パターンがある。<起立・斉唱><起立・不斉唱><不起立・斉唱><不起立・不斉唱>である。<国旗に正対するかどうか>まで加えるとパターンはさらに増える。少なくとも指導対象である児童・生徒には離席、退場の自由がある。都教委も「子どもには強制しない」という。<離席・退場>の可能性も含めると選択肢は多様化する。教職員はこのような多様な考え、行動を示すことによって「公平な判断力を養う」態度を身につけさせることができる。これこそが教授の自由であり、学習の自由である。ついでに言えば、私が宮川反対意見中の<教員に場外の役割を与える>ことを批判しているのは、そのような職務命令によって「児童・生徒との直接の人格的接触」をさせないことにより教育活動そのものを否定するからである。教職員が、強制・処分を避けるため自主的に「会場に入らない」(休暇、場外勤務等)こととは別である。
 判決は、式の「秩序を維持」し「円滑な進行」という必要性、合理性のために「敬意の表明=間接的制約」を容認した。「秩序を維持」することは一律起立・斉唱によって一糸乱れぬ「所作」をさせることを意味し、「円滑な進行」とは起立斉唱に疑問をもち態度を保留・変更するのを許さず追従を意味するのであれば、最早それは教育ではなく感化である。

第二波最高裁判決に向けて

 最高裁は教育の自由(憲法23・26条)については「上告事由に該当せず」として取り上げなかった。そのため不起立・不斉唱・不伴奏行為を思想良心の自由の面から判断した。特に第一小法廷の金築補足意見は「当該外部行為が一般的、客観的に意味するところに従って判断すべきと考える。」「本人の主観的判断に委ねてしまうという問題点を少しも解決していない」と断じている。そして「上告人らは、教職員であって、法令やそれに基づく職務命令に従って学校行事を含む教育活動に従事する義務を負っている者である」として「制約を正当化」している。教育の自由への行動を明確にし、それによって処分が裁量権の逸脱・濫用であることをも展開する必要がある。私の場合、戒告、減給、停職という累積加重処分を受けてきたが、不起立・不斉唱の回を重ねるに従って、より正確に生徒に多様な考え、行動を示そうという思いは強くなった。去年不起立して今年は起立するなどということは論理展開の外であった。何より恐れたのは、その時になって動揺し躊躇し生徒に自由の意義が伝わらないことだった。一審判決がどうであれ、二審高裁さらには第二波最高裁判決に向けて言わなければならないことは多い。
 
地裁民事19部に、公正な審理、判決を求める賛同署名
~9月末、第1次しめきり、よろしくお願いします~

今後の予定 報道
*再雇用拒否撤回二次訴訟 地裁口頭弁論 9/12 15:00 103号
*早川公務災害裁判 判決 9/14 15:00 809号
*米山処分取消訴訟 高裁口頭弁論 9/27 15:30 822号
累積加重処分取消訴訟 地裁判決 11/17(木) 13:30 527号


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2011年8月28日日曜日

公正な裁判を求める署名

東京地方裁判所民事第19部 裁判官 様

公正な審理、判決を求めます


 2003年に東京都教育委員会が発した「10.23通達」によって、東京都の全ての公立学校の入学式、卒業式等で「日の丸・君が代」に対し一律起立・斉唱の強制が続いています。さらに八王子市教委は、都教委「通達」と同じ内容の「9.22通達」「12.8通達」を発し、校長は懲戒処分を構えた職務命令を出しました。
 全都では延べ430名以上の教職員が処分を受けました。私は外国人生徒も多く学んでいる夜間中学でこの強制に服することはできないと考えました。多様な考え、多様な行動の自由を示す不起立・不斉唱によって4度の処分(戒告・減給1月・減給6月・停職1月)を受け、その取消を請求して提訴しました。
 8/22に結審し、11/17には判決が予定されています。貴裁判所におかれましては、学校に自由を取り戻し、教職員の自由な教育実践によって児童・生徒が生き生きと学べるようにするため、公正な審理、判決をお願いします。

 以下の項目を要請します。

〔要請項目〕

  1. 「日の丸・君が代」に対し一律起立・斉唱を強制することは教育への「不当な支配」を禁じた教育基本法第16条に違反し、教育の自由(子どもの学習の自由・教職員の教授の自由)を定めた憲法23条、26条に違反する点について公正な判断をすること。
  2. 都教委「10.23通達」、八王子市教委「通達」、職務命令は憲法19条(思想・良心の自由)、20条(信教の自由)及び国際条約に違反する点について公正な判断をすること。
  3. 4度の累積加重処分は、全て都教委の裁量権を逸脱・濫用したものであることについて公正な判断をすること。

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累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第55号)

判決へ向けて争点と運動の結節点!!
公正な審理、判決を求める賛同署名のお願い
~生活と闘いの現場から裁判所へ声を届けよう~

 判決日(11/17)は決まった。一審地裁での取組を前進させ、教育の自由保持のため判決の中に一言でも憲法に基づく判断を書かせることが重要だ。そこで、以下の内容で地裁民事19部に要請していきたい。
  1. 「日の丸・君が代」に対し一律起立・斉唱を強制することは教育への「不当な支配」を禁じた教育基本法第16条に違反し、教育の自由(子どもの学習の自由・教職員の教授の自由)を定めた憲法23条、26条に違反する点について公正な判断をすること。
  2. 都教委「10.23通達」、八王子市教委「通達」、職務命令は憲法19条(思想・良心の自由)、20条(信教の自由)及び国際条約に違反する点について公正な判断をすること。
  3. 4度の累積加重処分は、全て都教委の裁量権を逸脱・濫用したものであることについて公正な判断をすること。
 裁判長も交代したので、ぜひこれまでの経過を精査して判決を出すように要請します。橋下大阪府知事と維新の会による君が代強制処分条例は地方行政権力の暴走であり、「つくる会」系教科書採択などの動向に少しでも歯止めをかけたいと思います。皆さまがそれぞれの立場から賛同署名にご協力いただければ幸いです。よろしくお願いします。

今後の予定 報道

*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 8/30 15:30 825号
*都障労組処分取消裁判 高裁口頭弁論 8/31 11:00 824号
*再雇用拒否撤回二次訴訟 地裁口頭弁論 9/12 15:00 103号
*早川公務災害裁判 判決 9/14 15:00 809号
*米山処分取消訴訟 高裁口頭弁論 9/27 15:30 822号
 累積加重処分取消訴訟 地裁判決 11/17(木) 13:30 527号


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2011年8月24日水曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第54号)

本日、地裁結審==>判決は
11/17(木)1:30 527号


傍聴ありがとうございました

 民事第19部、新しい裁判体制(古久保裁判長)において原告本人の最終陳述を行いました。その内容は、1:不起立・不斉唱の動機、2:夜間中学の生徒の実態、3:服務事故再発防止研修の屈辱、4:「日の丸・君が代」の論争的課題などでした。八王子市教委「通達」の強制性、難波判決の意義も強調しました。
 多くの方の傍聴により新裁判長にプレッシャーをかけることができました。約3ヶ月後に判決日が指定されましたが、最高裁を見据えて一審・二審の闘いが重要になっていると思います。今後とも皆さまと共同して裁判所内外の取組を強化していきます。
リンク
大阪条例と裁判闘争、重大な局面

 大阪の国旗国歌条例・教育基本条例は処分を明確にする地方行政権力の暴走です。06教育基本法の実働化と教育統制を一挙に進めようとしています。裁判所・司法はこれに対し歯止めをかける責任があります。また、正当な不起立行為に対して「確信的な職務命令違反行為」等と決めつける判決が出されたりしています。最高裁は関連上告事案を第一小法廷に集中係属し第二波不当判決攻勢に備えています。特に裁量権逸脱・濫用、処分取消に対する包囲網が作られていると思います。最高裁は、教育の自由侵害・不当な支配・裁量権の逸脱濫用の上告申請を取り上げ、独自に審理し判決を出すべきです。各地の課題を全国的に関連させ、8.13集会に結集した力をさらに発展させよう。

今後の予定 報道

*土肥裁判 地裁口頭弁論 結審 8/25 10:00 527号

*朝鮮高校無償化実現 参議院院内集会8/25 15:00 会館1F講堂

*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 8/30 15:30 825号

*都障労組処分取消裁判 高裁口頭弁論 8/31 11:00 824号

*再雇用拒否撤回二次訴訟 地裁口頭弁論 9/12 15:00 103号

*早川公務災害裁判 判決 9/14 15:00 809号

*停職処分取消訴訟 地裁口頭弁論 9/26 11:00 527号

*米山処分取消訴訟 高裁口頭弁論 9/27 15:30 822号


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2011年8月16日火曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第53号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 24)
今度こそ結審!! 最終陳述~不起立は教育の自由実践~  

 結審まで1週間、おそらく裁判長も交替しているだろう。7/25、民事19部青野前裁判長は“詳しい原告敗訴”の判決を出して法務省へ去っていった。新裁判長は高裁からやってくるそうだ。この人事異動が「日の丸・君が代」裁判にどのような意味をもつのかはまだ分からない。8/22の結審口頭弁論でその一端が見られるかどうか。ともかく10分間、次のような陳述を用意した。
  1. 2006年:最初の不起立・難波判決・教育基本法改定
  2. 服務事故再発防止研修
  3. 不起立・不斉唱の意味、裁量権逸脱・濫用
  4. 教育の自由侵害に憲法判断を裁判官は学校現場を直視すべし
 全国学習・交流集会では多くのことを学んだ。いよいよ教育基本法の全面実働化が「日の丸・君が代」強制を梃子に進められている。教科書採択、大阪「日の丸・君が代」条例等に対して各地で粘り強い闘いがくまれている。一つ一つの裁判、口頭弁論を意味あるもの
にしていきたい。

*多くの方の傍聴、お願いします。
停職、減給、戒告、全ての処分の取消を求める。
累積加重処分取消裁判 地裁民事19部 結審
 8/22(月)4:30~527号
 原告本人の最終陳述 

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2011年8月3日水曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第52号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 23)
さようなら!!青野裁判長、よろしく!!古久保裁判長

 緊急にお知らせします。東京地裁の言によると、民事19部は8/1付で青野裁判長が異動し新しく古久保裁判長が担当することになったそうだ。異動した青野裁判長は7/25に全くの不当判決(東京「君が代」2次訴訟)を出した。この判決は、第一波最高裁判決(5/30~7/19)を踏襲し、①「10・23通達」「職務命令」を合憲とし、思想良心の自由・信教の自由を認めない。②不当な支配の禁止や教育の自由を認めない。③処分は裁量権の逸脱濫用にあたらず、戒告・減給・停職を是認した。最高裁が判断を下さなかった教育の自由や高裁で判決が分かれている裁量権の逸脱濫用問題など、これから十分な審理が尽くされるべき段階でそれらを網羅する不当判決である。特に、正当な教育活動である連続不起立に対し“確信犯”のレッテルを貼った。
 その青野裁判長が退場したからといって、予断は許されない。新任の古久保裁判長は東京高裁民事14部に所属していたようである。東京高裁は、民事第2部(大橋裁判長)が裁量権逸脱濫用で原告一部勝訴判決(3/10)を出したが、その他ではいずれも原告敗訴判決を出してきた。そして最高裁はこれを是認する不当判決を出したのである。
 これで、私の訴訟の結審が延期された理由は、はっきりしたが古久保裁判長がこれまでの審理を十分把握理解し、公正な審理・判決を進めるよう要請する。
 8・22にはいよいよ結審となるが、10分間の陳述が認められているので、全ての裁判官に最高裁判決批判、「日の丸・君が代」問題の論争的課題、教育の自由と連続する不起立・不斉唱の意義などについて訴えたい。
 多くの方のアドバイス、そして傍聴をお願いします。

予定:「日の丸・君が代」全国学習・交流集会  8月13日(土)9:30~  
(12日に諸行動・交流会)   <場所> 社会文化会館(地下鉄永田町)
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停職、減給、戒告、全ての処分の取消を求める。累積加重処分取消裁判 民事19部 古久保裁判長 結審 8/22(月)4:30~527号 原告本人の最終陳述 

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2011年7月28日木曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第51号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 22)
踏まれても立つ!! 連帯の意気高く!!
~不当判決(地裁民事19部)を超えて、共に闘う皆さまへ~

 東京「君が代」裁判第2次訴訟に対して下された判決文(青野裁判長)を読んだ。この150ページ余りの文章は単純だ。その体裁は、ごまかしの「公平性」を装う。前半の争点部分は形式的に原告・被告の主張を並列し、「争点に対する判断」部分でも一つ一つ原告の論旨を否定していく。その論拠は、都教委(被告)への追従と最高裁小法廷判決のコピーである。「慣例上の儀礼的所作」「秩序の確保」「円滑な進行」によって、「10・23通達」「職務命令」は合憲合法であるという。そして、国―行政―校長の縦ルートの秩序を守り抜こうとする堅固な意志を示す。
 また、裁量権問題でも原告の不起立・不斉唱・不伴奏に対してひたすら悪意に満ちた評価を並べている。3・10大橋判決(戒告処分取消)と3・25加藤判決(停職処分是認)の違いの根拠もまたこの評価にある。私もこの間このような裁判官に向かって語ってきたかと思うと愕然とする。しかしやはり現実から出発しなければならない。もう一度この判決が被処分者(原告)の行動をどう見ているかを確認しておきたい。これからの闘いへの連帯と共同のために。
 “判決は不起立・不斉唱・不伴奏をどう見たか”

~処分は裁量権を逸脱、濫用したものではないとする理由~
判決文(争点に対する判断)から

「児童・生徒に範を示すべき立場にある教職員」
「上司の職務上の命令違反にあたり、地公法32条違反」
「教職員の職の信用を傷つける行為」「教職員全体の不名誉となる行為」「地公法33条違反」
「重要な職務命令に違反するという重大な非違行為」
「教育上好ましくない」
「職務命令を公然と無視したという看過できない非違行為」
「生徒や保護者が参列し、厳粛かつ清新な雰囲気で挙行されるべき卒業式等の場面において公然とされた」
「卒業式等の進行自体に具体的な支障がなかったとしても、本件不起立等を軽微な非違行為であるということはできない」
「不起立が懲戒処分の対象となることを十分認識していたにもかかわらず、同種の非違行為である本件不起立をあえて繰り返したと評価される」
「減給処分10分の1・1月を科したことが社会通念上著しく妥当を欠くとまではいい難い」
「教職員として学習指導要領(国旗国歌条項)に沿った教育指導を行うべき立場にあるにもかかわらず、学校行事である卒業式等において公然と職務命令違反行為である本件不起立等を行った」
「4度にわたって同種の職務命令違反を繰り返すということは通常想定し難い事態であり、同原告の本件不起立は確信的な職務命令違反行為である」

不当処分撤回へ 

 ここには“正しい教育をしたいという真摯な動機”等の評価はどこにもない。それ以前に聞く耳を持たないというかたくなな姿勢である。とりわけ、一貫した行動をしたものは“確信犯”として累積加重処分が当然とされている。この間の最高裁判決は戒告処分を是認したが、地裁民事19部は戒告・減給・停職処分の全てを妥当とし、裁量権の逸脱、濫用はないとした。この不当判決を許さない2次訴訟原告、そして民事19部で闘う皆さまと固く連帯して進んでいきたい。裁判官に対して、市民に対して粘り強く訴えていくことが大切だ。
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予定:「日の丸・君が代」全国学習・交流集会
8月13日(土)9:30~  (12日に諸行動・交流会)
<場所> 社会文化会館(地下鉄永田町)
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停職、減給、戒告、全ての処分の取り消しを求める。
*累積加重処分取消裁判 民事19部 青野裁判長? 
結審 8/22(月)4:30~527号 原告本人の最終陳述 

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2011年7月27日水曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第50号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 21)
地裁民事19部・青野裁判長不当判決
~「君が代」裁判2次訴訟~

 7/25、上記の不当判決を出した民事19部は、私の累積加重処分取消訴訟で「裁判官の人事異動」により結審延期した係属部でもあり注目していた。青野裁判長は「原告請求棄却」「懲戒処分は裁量権の逸脱濫用に当たらない」という全くの行政追認判決を出した。不起立・不斉唱・不伴奏は「重大な職務命令に対する違反であり軽微な非違行為とはいえない」とされた。
 青野裁判長はわざわざ判決を延ばし、この間の最高裁小法廷判決を踏襲した。強制・侵害をまともに論ぜず「慣例上の儀礼的な所作」として校長の職務命令は憲法19条違反ではないという。また、間接的な制約についても職務命令の必要性、合理性が認められるとした。そして「公務員の法令遵守義務」を強調し秩序維持を優先させた。戒告・減給・停職までも妥当とした。
端的に言えば“裁量権の逸脱濫用=処分取消”に対して外堀を埋めた形となった。1審、2審で争われている訴訟での巻き返しが一層重要になってきた。

教育の自由追求は広範な世論を喚起する

象徴天皇制国家思想の学校教育への全面展開

 第一波の最高裁判決を受けていよいよ下級裁判所の追従が始まった。青野判決が“国家秩序維持”を掲げたのもうなずける。現在の日本国家は「民主的で文化的な国家」(教育基本法前文)、「従属国家」等といわれているが、「日の丸・君が代」との関係では象徴天皇制国家であろう。国旗・国歌法制定時(1999年)の政府見解は今日も生きている。
 「日本国憲法下においては、国歌君が代の『君』は日本国及び日本国民統合の象徴であり、その地位が主権の存する日本国民の総意に基づく天皇のことを指しており、君が代とは、日本国民の総意に基づき、天皇を日本国及び日本国民統合の象徴とする我が国のことであり、君が代の歌詞も、そうした我が国の末永い繁栄と平和を祈念したものと解することが適当である」(小渕恵三内閣総理大臣、後に政府見解)
 「日の丸・君が代」は象徴天皇制国家シンボルとなり「慣例上の儀礼的な所作」(最高裁判決)の対象として公認された。象徴天皇制国家思想は「日の丸・君が代」ばかりでなく、「つくる会」系教科書、愛国心・道徳教育、東京五輪招致、“日本は一つ、がんばろう”等々によって推進されるだろう。

不起立・不斉唱・不伴奏の意義を全面展開しよう

 最高裁判決やそれに追随する下級審判決が懲戒処分を是認しても、3/10高裁判決を生かすためには、不起立・不斉唱・不伴奏の動機、態様、効果を口頭弁論によって積み上げることである。学習権保障の積極的意義を語る必要がある。その点、大橋判決が懲戒処分を取り消した理由に注目したい。
 「生徒に対して正しい教育をしたいなど・・真摯でやむにやまれぬ行為」(=学習権の保障)「控訴人らの歴史観等が独善的なものではない」(=論争的課題)「卒業式が混乱した事実はない」(=否定的要因の有無)「卒・入学式は毎年あり、不起立等を繰り返すと累積加重処分となる」(=教授の自由の一貫性)
 教員としての正当な行為に対し都教委は処分した。裁量権の逸脱濫用は、実は教育の自由(憲法23・26条)の侵害を証明するものでもある。最高裁小法廷の第一波判決は、「その余の上告理由」として教育の自由や不当な支配の禁止を取り上げなかった。多数の「反対意見」「補足意見」は有害なものもあるが、教育の自由、学校現場の自主性・自立を求めるものもあった。最早、19条の枠だけでことを済ませることの矛盾は明らかである。「10・23通達」「職務命令」が学校現場の教育にいかなる影響をもたらしたか、原点にかえって提起すること、ここにこそ精力を注がなければならないと思う。

教科書問題、大阪・不起立条例、憲法改悪反対等の取組と連帯しよう

 この夏は、「日の丸・君が代」問題だけでなく、教育に関わる極めて重要な課題が迫っている。「つくる会」系教科書の内容と最高裁判決は連動している。大阪・不起立条例も含めて06教育基本法の実働化は現実ものとなってきた。
 ある意味ではわかりやすくなってきた。これは教員個人の問題だけではないこと、子どもの未来、日本の未来がかかっていることを訴えたい。

予定:「日の丸・君が代」全国学習・交流集会
8月13日(土)9:30~  (12日に諸行動・交流会)
<場所> 社会文化会館(地下鉄永田町)
停職、減給、戒告、全ての処分の取り消しを求める。
*累積加重処分取消裁判 民事19部 青野裁判長? 
結審 8/22(月)4:30~527号 原告本人の最終陳述 

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2011年7月20日水曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第49号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 20)
最高裁第三小法廷、安部処分取消訴訟に不当判決

 7/19、戒告処分取消請求に対し「上告棄却」の不当判決を下した。5/30以来11件目である。これで、2010年末までに高裁判決を受け上告していた事案は全て最高裁判決を受けたことになる。
 この第一波判決についていくつかの特徴を指摘しておきたい。①「日の丸・君が代」強制の職務命令は憲法19条違反にあたらない。19条違反を根拠とする処分取消の論旨は採用できない。②教育の自由・不当な支配・裁量権行使については上告に該当しない。③事案の共通性から、個別的ではなく全国的意味をもつ。④表現行為も「公共の福祉」から制限を受け、「円滑な遂行」を妨げる行為は「違法性を欠くものではない。」
 これらの諸点からは最高裁中枢の断固たる意志が読み取れる。つまり、象徴天皇制国家思想を学校教育で推進することは合憲・合法であり、それに反する行為は許されない、というものである。さて、第二波の事案には、一審勝訴の予防訴訟、二審戒告処分取消判決の一次訴訟、停職・減給処分取消訴訟などが続いている。これらについて、第一波の判決の枠組みで押し切るのか、それとも部分的にしろその枠組みを変更してくるのかが問われている。また、最高裁の下級裁判所への圧力も強まるであろう。
「19条の枠組み」を突破する共同の取組を

~教育の自由・不当な支配禁止から処分(停職・減給・戒告)取消へ~

プラスの要素

 最高裁各裁判官の「反対意見」「補足意見」を見る限り、多数意見の枠組みをはみ出したものが多い。主要には学校現場への影響を危惧するものであり、教育の自由に関わる内容である。「教育環境の悪化」「児童・生徒も影響」(金築)、「教育は、強制ではなく自由闊達に行われることが望ましい」(須藤)など。
 そして何よりも、3・10大橋高裁判決の戒告処分取消の根拠「正しい教育をしたいという思い」に注目すべきである。この不起立・不斉唱の動機は明らかに教育の自由(教授の自由・学習権保障)に関わるものである。

マイナスの要素

 最高裁は19条合憲の枠組みを固定化し、「反対意見」「補足意見」には、不合理、強圧的なものがある。
 「起立斉唱は・・出席教諭全員に一律に要請されるのが一般的である」「参加生徒らに模範を示す」(那須)、「殊更に示威的な拒否行動」(大谷)、「卒業式を円滑に執り行うという業務を妨害するおそれがある」(宮川)また、基本的な対立を無視して起立斉唱が自発的に行われることを期待する意見もある。さらに「受付を担当させる等、会場の外における役割を与え、不起立不斉唱行為を回避させる」(宮川)等と学習権保障と逆行する意見もある。そして、厳しい要素としては、予防訴訟高裁不当判決(控訴却下)や3・25加藤高裁判決の停職処分是認がある。
 長期的には最高裁現状12:2の19条不当判決を逆転しなければならないが、陸続する訴訟案件の当面する目標は、最高裁に教育の自由・不当な支配の禁止について公正な審理をさせ停職・減給・戒告全ての処分を取り消させることである。そのためには一審・二審段階で、不起立・不斉唱・不伴奏の動機、態様、意義を全面展開することが特に重要になっている。不起立は「示威行為」や扇動行為ではない。論争的課題が不当な支配によって強制される時、児童・生徒に示す教材は教師自身の行動である。教育公務員だからこその行動であり、「公共の福祉」によって制約されるものではない。
 今や、この闘いは大阪の条例反対などで全国化し、また、「つくる会」系教科書採択などによって教育課程全般に押し広げられようとしている。全国の教職員を始め広範な人々との共同の取組が急務となっている。

報道

*7/21・8:30:再発防止研修抗議行動(水道橋駅前・都教職員研修センター)
    3月卒業式、4月入学式で処分されたものへの不当研修 反対

*7/25・13:10:「君が代」二次訴訟・地裁民事19部 判決予定

*7/30・13:30:藤田事件最高裁不当判決抗議 報告集会(板橋文化会館)

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停職、減給、戒告、全ての処分の取り消しを求める。
*累積加重処分取消裁判 民事19部 
結審 8/22(月)4:30~527号 原告本人の最終陳述 

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2011年7月15日金曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第48号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 19)
最高裁第一小法廷、再びダブル不当判決
~東京「君が代」解雇裁判・北九州ココロ裁判~

 先日7/4の第二小法廷に続いて、上記2件について上告棄却の不当判決を出した。特に解雇裁判の方は、「これまでの最高裁判決を見よ」という素っ気ないものだった。ここには「職務命令が憲法19条に違反するものではない」、教育の自由などは「上告理由」にあたいしないという最高裁の強固な意志が示されている。おそらく、最高裁はこの問題が広く国民の間で議論され、教育問題、学校現場が話題になること自体を避けたかったのだろう。
 これまでのところ最高裁は、基本的には一審、二審の枠内で不当判決を出した。まだ、難波判決の予防訴訟、戒告を取り消した一次訴訟・アイム‘89、さらに停職・減給処分取消訴訟などが続く。私も結審延期を受けて残されたチャンスを生かし、ミスリードすることなくしっかりと主張していきたい。

教育の自由こそ憲法判断を!!

 最高裁に憲法23・26条違反の上告理由を取り上げさせるために
 最高裁小法廷は、民事訴訟法312条によって「その余の上告理由」(教育の自由の侵害)を認めない、と言う。(312条1項:上告は判決に憲法の解釈の誤りがあること、その他憲法の違反があるときに、することができる。)
 なぜ、このような結果になっているのか。19条(思想及び良心の自由)・20条(信教の自由)はその保障が憲法に直接規定されている。ある面では“私の思想・信条・信教が侵害されました”というのはわかりやすいかもしれない。これに比して、侵害を受けた教育の自由(教授の自由・学習の自由)は教育基本法規定または学テ最高裁判決によって明文化されているという関係にある。(憲法23条:学問の自由・26条:教育を受ける権利、②義務教育)つまり、まず不当な支配の禁止(47教育基本法10条、06法16条)、教師の裁量権・一方的な教え込みの禁止(旭川学テ判決)を明確にしてこそ憲法に到達できるのである。教育現場での校務中の校務内容における強制を問題にするべきである。
 そのためにはどうしても、「10・23通達」「職務命令」との関係で不起立・不斉唱・不伴奏のまさしく教育的意味を明らかにしなければならない。3・10高裁大橋判決は控訴人の「正しい教育をしたいという思い」を評価して戒告処分を取り消した。この不起立・不斉唱・不伴奏の動機、さらにはその効果、特に児童・生徒の学習権の保障(公正な判断力、多様な考え、批判力等)にとっての意義を全面展開して証言する必要がある。一審、二審で憲法との関わりでの事実認定を前進させ、できれば部分的にでも勝訴を勝ち取り、その上で最高裁に臨むこと。現段階のような理不尽な却下を許さない実績を上げていく必要がある。一連の最高裁小法廷判決において「反対意見」「補足意見」が続出した。その内容は「19条合憲」を補強するものも多いが、一つの側面として問題の本質である教育の自由についての憲法判断を封じ込めた結果である。
 現段階ではまだまだ不当判決反対運動は盛り上がっていない。先日、教科書展示を見に行ったが、「つくる会」系(公民教科書)では「公共の福祉による権利の制約」が異常に強調されている。また、「日の丸・君が代」の項目では「慣習、ならわし、国民統合」の意義を示し、最高裁判決と呼応している。不当判決や大阪をはじめとする強制のドミノを前に、運動の巾を広げ戦後教育史上に突出した大弾圧を背景とする反動攻勢を阻止したい。あなたや子供、孫、そして生活の問題だから。

情報

*7/19・16:00:安部さん処分取消訴訟 最高裁第三小法廷 判決予定

*7/21・8:30:再発防止研修抗議行動(水道橋駅前・都教職員研修センター)
    3月卒業式、4月入学式で処分されたものへの不当研修 反対

*7/25・13:10:「君が代」二次訴訟・地裁民事19部 判決予定

*7/30・13:30:藤田事件最高裁不当判決抗議 報告集会(板橋文化会館)

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停職、減給、戒告、全ての処分の取り消しを求める。
*累積加重処分取消裁判 民事19部 
結審 8/22(月)4:30~527号 原告本人の最終陳述 


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2011年7月12日火曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第47号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 18)
傍聴、ありがとうございました~ドタバタして結審延期~

本日7/11結審予定の口頭弁論、予定時間になっても法廷はロックされたまま、そのうち原告・被告が13階の事務局に呼ばれた。青野裁判長は「人事異動があるから本日は結審しない」という。結局、双方の最終準備書面提出と原告の陳述を行い、下記のように結審日程が決定した。傍聴にきていただいた方にはやきもきさせてしまった。多数の傍聴、感謝します。

本日の原告陳述の内容
  1. 処分を受けた時の生徒との関係
  2. 不起立・不斉唱から処分へ
  3. 累積加重処分と教育の自由
  4. 学校現場への影響
  5. 不再戦と処分取消の請求
当面の目標

 教育の自由侵害、不当な支配、その結果としての過酷な処分が憲法、教育基本法に違反することを判断させる最高裁大法廷を開かせるために、当面の目標は一審、二審での事実認定で前進を勝ち取り、勝訴していくことである。それに向けて、不http://www.blogger.com/img/blank.gif起立・不斉唱・不伴奏の動機、その教育的効果を全面展開することが重要である。行動した後の生徒や保護者の反応を証言することは特に重要である。不起立は、決して「示威的な拒否行動」(大谷「補足意見」)ではない。
 ともかく、結審が延び弁論の機会が追加された。これをおおいに利用したい。

停職、減給、戒告、全ての処分の取り消しを求める。
*累積加重処分取消裁判 民事19部 
結審 8/22(月)4:30~527号 原告本人の最終陳述 

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2011年7月8日金曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第46号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 17)
原告「最終準備書面」~教育の自由、全面展開~

 代理人弁護士の努力によって、結審に向けて「最終準備書面」が整った。最高裁判決を批判し、教育の自由の視座から不起立・不斉唱の意味を全面展開するものとなった。目次を提示する。

第1 本件のいわゆる10.23通達、八王子市教委の9.22及び12.8通達の発出の経緯と校長が職務命令を出さざるを得ない状況

第2 原告の職務命令違反とその処分の経緯
1 原告の経歴と思い
2 卒業式における国旗・国歌の実施と原告の不起立行為・処分
(1) 2003年「10.23通達」発出以前の卒業式
(2) 10.23通達発出後、2004年3月の卒業式
(3) 2005年3月の卒業式
(4) 2006年3月の卒業式での初めての不起立と指導措置
(5) 2007年3月の卒業式での不起立と戒告処分
(6) 2008年3月以降、3回の卒業式での不起立と処分

第3 各通達及び職務命令の違憲・違法性
1 思想・良心の自由(憲法19条)の侵害
2 教育の自由の侵害
(1) 教育の自由侵害が問題となる2つの場面
(2) 教育の自由と「不当な支配」の禁止
ア 入学式・卒業式も重要な教育活動
イ 教育基本法10条の精神
ウ 不当な支配の主体
エ 何が不当な支配なのか
オ 本件各通達、職務命令は「不当な支配」に該当し違法
(3) 教師としての良心の自由
ア 教師としての良心の自由
イ 教師としての良心の自由の内容

第4 本件取消請求について~裁量権の濫用

第5 国家賠償請求(慰謝料請求)

第6 まとめ 

藤田事件・最高裁不当判決と宮川「補足意見」
 7/7,最高裁第一小法廷は、「威力業務妨害罪」を適用して罰金20万円を課した原判決を是認した。藤田さんは都教委「10・23通達」にいち早く抵抗し、来賓として出席した卒業式の前に「日の丸・君が代」強制を批判する内容のビラを配ったというもの。これを不当にも刑事事件とされた。
 判決は、表現の自由も「公共の福祉」のために制限を受ける、「静穏な雰囲気」の卒業式の「円滑な遂行」を妨げたという。「日の丸・君が代」判決の「秩序を確保」「円滑な進行」のために職務命令は合憲としたのと酷似している。
 宮川「補足意見」は、「10・23通達」が「憲法19条(思想及び良心の自由)に違反する可能性がある」としながらも、「校門前の道路等」ではなく「卒業式の行われる体育館という場」での行為は「業務を妨害するおそれがある」と述べている。宮川裁判官は「6・6判決」の「反対意見」でも「会場の外における役割を与え、不起立不斉唱行為を回避させる」等と無理論をさらけ出している。私たちの不起立行動が教育の場で教育的意味をもって行われることをほとんど理解していない。

停職、減給、戒告、全ての処分の取り消しを求める。
*累積加重処分取消裁判 民事19部 青野裁判長
来週(結審)7/11(月)13:30~ 527号 
最終準備書面の提出・原告本人の最終陳述 傍聴よろしく


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2011年7月7日木曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第45号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 16)
ポスト最高裁判決の都教委見解を批判する
~都教委「最終準備書面」(6/29付)にみる強権方針~

先日届いた「準備書面」はおそらく最高裁判決後初の都教委見解であろう。結審にあたって、何をねらっているのかを明らかにしておきたい。

① 最高裁判決に追従
「判決で用いられた憲法19条違反の判断枠組み」「最高裁判決の判断枠組み」として、「慣例上の儀礼的な所作」「秩序を確保して式典の円滑な進行を図ること」から職務命令を合憲としている。注目されるのは一連の最高裁判決を「判断枠組み」として固定化しようとしていること。しかし「現在、日の丸を国旗として、また、君が代を国歌として認容する国民の多数の意見」と述べ、未だ異論があることを吐露している。
②  累積加重処分(減給・停職)を重大視
 「本件については、事案の重大性から・・教育委員の合議により、『戒告』処分を決定」「同様の職務命令違反を繰り返す者については、量定を加重し『停職1月』とすることを相当と判断」「教職員懲戒分限審査委員会の答申を得て教育委員会において決定した」と述べる。
 強制が続く限り生徒に多様な考え行動があることを示す不起立・不斉唱を継続することは当然である。3.10高裁大橋判決は、裁量権の逸脱、濫用として「戒告」を取り消した。処分を取り消すかどうかは、「正しい教育を行いたいという思い」「真摯な動機」を評価するのか、それとも連続する不起立を「度重なる非違行為」とするかの問題である。教育の自由への全面展開が必要である。一貫して教授の自由と生徒の学習権保障を追求した結果の減給・停職処分の取り消しには道理がある。
③  教育公務員・公共の福祉による制約
 「原告は、自らの自由意思で公立学校教職員という特別な法律関係に入った者」「基本的人権も絶対的なものではなく・・制限を受けるもの」「起立することを拒否することは・・児童・生徒の教育を受ける権利を始め、他者の権利・利益を著しく害する」としている。倒錯した論である。
 教育公務員であるからこそ、教授の自由が侵害され、間接的に生徒の学習の自由が侵害される局面では、それに抵抗することが職務として必要であり、生徒の学習権を保障することである。そのような教育的良心が特別権力関係や公共の福祉によって制約を受けるはずもない。
④ 教育の自由による不起立についての無理解ないし無視
 長くなるが奇妙な論理展開なので引用する。「人格の核心たる世界観、社会観に基づかない理由、例えば、国旗・国歌に対して不快感、嫌悪感を有するという感情的な理由や、国旗・国歌に違和感は有してはいないが強制に反対するという理由などにより、国歌斉唱時の起立を拒否するものに対しては、懲戒処分を課すことは、必ずしも同人に対して内心の思想に基づいて不利益を課すことにはならないという結論になる。そうだとすると、このような立論は、国歌斉唱時の起立を拒否する理由がどのようなものであるかを問題とすることになると思われる。しかし、任命権者が処分の検討に当たって、個々の教職員の内心における世界観、主義、主張を調査することはそれこそ憲法19条から許されるものではない。」と述べている。
 不起立が思想や信教以外の理由から決行されることを認めたのはよしとしたいが、都教委は「10・23通達」「職務命令」が教育の自由を侵害していること、不起立・不斉唱がそれに対する抵抗であり、正しい教育をしたいという思いの実践であることを理解しようとはしない。都教委も「強制に反対するという理由」を認めざるを得ないが「内心の思想」ではなく教育的良心(教授の自由)が直撃されていることには無理解である。
 「先に処分ありき」で泥縄式に独善的なドグマを持ち出すと結局は泥沼に陥る。「思想調査」も「処分」も共に許されない。

結審に向けて、いよいよ対立点が明確になってきた。最高裁の“職務命令は19条合憲”“象徴天皇制国家思想の総動員を容認”“処分是認”判決の下で、また、不起立・不斉唱者を免職にする動きの中で、それに真っ向から対決していきたい。停職、減給、戒告、全ての処分の取り消しを求める。

*累積加重処分取消裁判 民事19部 青野裁判長
次回口頭弁論(結審)7/11(月)13:30~ 527号 
最終準備書面の提出・原告本人の最終陳述 傍聴よろしく


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2011年7月5日火曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第44号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 15) 
最高裁 ダブル不当判決

 7/4,第二小法廷は、府中小学校教員処分取消訴訟と南葛飾定時制高校教員嘱託地位確認訴訟において、「職務命令が憲法19条に違反するものでない」とする連続不当判決を下した。判決文はいずれもこの間の最高裁判決を「参照」せよというワンパターンであった。これで最高裁小法廷は5・6度目の“19条枠・23条除外”の判決を確定したことになる。
 命令を「慣例」、追従を「所作」と強弁し、象徴天皇制国家思想を学校教育に全面展開することを容認するものである。そして、「敬意の表明」を拒否する者を排除することをも合憲とした。以後も続々と上告棄却判決が予定されており、思想・良心の自由については、現段階における最高裁の論理が固定化していくだろう。

最終陳述、事実に語らせよう

 さて1週間後に結審を控え、最終陳述で何を述べるか。結論は、私が不起立・不斉唱に至った動機と効果、過酷な処分の事実を率直に展開することに行き着いた。
 本件事案発生時の生徒との関わり、行動を起こした経過、どのような影響があるか、裁判所に何を求めるか、5分間の勝負だ。最高裁の不当判決が続いている中、地裁、高裁での闘いが特に重要になってきたと思う。「正しい教育をしたいという思い」、この動機と共に不起立・不斉唱の教育的効果を正確に伝え、教育の自由(教授の自由と学習の自由)がいかに侵害されたかを述べたい。
 皆様の傍聴をお願いします。

研修の途中で分限免職~疋田分限免職取消訴訟・高裁不当判決~

 6/30,上記の判決が出された。その判決文で、都教委は自ら設定した「研修」を課しておきながらその途中で一方的に分限免職処分を発令し、裁判所はそれを追認している。大阪では免職条例が用意されているという。都教委では懲戒分限審査会(懲分審)で処分が決定される。さらに、一部の「保護者」の声が絶対視され信用失墜の根拠とされている。
教育基本法の実働化(「つくる会」系教科書採択・象徴天皇制・愛国心・規範意識・公共の精神・国際貢献・国益等)が学校教育全般に及んできている。それを拒否し教授の自由を発揮する教職員はどうなるのか。極めて危険な段階に入った。

*累積加重処分取消裁判 民事19部 青野裁判長
次回口頭弁論(結審)7/11(月)13:30~ 527号 
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2011年6月27日月曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第43号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 14) 
再び最高裁「慣例・所作」論を評す

 前号(第42号「慣例・所作」ではなく「命令・追従」)でもとりあげたが、この論が「日の丸・君が代」問題を超えて影響を及ぼしているので再論する。最高裁判決の「慣例・所作」論には3つの特徴がある。列挙して述べる。
 まず、学校教育における象徴天皇制国家思想の総動員を容認したことである。2007年のピアノ判決を打破して全教職員に対して忠誠誓約行為を強制した「10・23通達」「職務命令」を19条合憲とした。国旗国歌法の成立に伴う「君が代」の政府見解、2006教育基本法の「教育の目標 第二条 五」で示された<象徴天皇制―伝統・文化の尊重、我が国・郷土を愛する―国際貢献>が、これから全面展開されるだろう。
 第二に、行政の意向に反する者に対する排除の論理である。「敬意の表明」を受け入れられない者にとっては「間接の制約」となるが、「秩序の確保」や「円滑な進行」のためには職務命令は容認されるとした。そこで懲戒処分や再雇用拒否は当然とされた。権力に“棹をささない”教職員は排除されるだろう。
 第三に、「慣例・所作」論は教育の自由への展開を遮断したことである。裁判官の間では“公的機関が一定の価値観を強制することは許されない”という「信条」への制約も提起されたようだがこれも「思想及び良心の自由の外縁」とされた。また、個々の「反対意見」「補足意見」では、学校現場への影響を憂慮しているものもあるが、憲法23・26条、教育基本法(不当な支配)への展開は示していない。逆に「受付を担当させる等、会場の外における役割」(宮川「反対意見」)を提案している。上記で述べた通りこの問題は、教育内容への全面的な強制であり何人かの教職員が場外に退場して済むものではない。教育の自由侵害を無視する思考である。

当面する教科書採択への影響

 最高裁判決が大阪をはじめとする「日の丸・君が代」問題に直接影響を及ぼすことは言うまでもない。同時に「つくる会」系教科書の採択の動きがある。東近江市議会では「教育基本法・学習指導要領の目標を達成するため、最も適した教科書の採択を求める決議」が行われた。その根拠として、「公共の精神を貴び、国家・社会の形成に参画する国民」「我が国の伝統と文化を基盤として国際社会を生きる日本人」「豊かな情操と道徳心、伝統文化の尊重や我が国を愛する」が挙げられている。象徴天皇制国家思想が儀式だけではなく、教科学習にも取り入れられようとしている。これはもちろん個々の教員の思想・良心の問題ではなく、教育の内容をめぐる教育の自由の問題である。

報  道

●南葛飾高校(定)木川さん再任用採用拒否事件・最高裁判決
 7月4日(月)
  14時 最高裁南門集合
  15時 判決言い渡し(第2小法廷)

●板橋高校藤田裁判・最高裁判決
 7月7日(木)
  14時 最高裁南門集合
  15時 判決言い渡し(第1小法廷)

次回口頭弁論(結審)7/11(月)13:30~ 527号 
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2011年6月24日金曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第42号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 13) 

卒・入学式は、不当な支配・教育の自由破壊の対決点
~「慣例・所作」ではなく「命令・教化」~

 6/21,最高裁第三小法廷は広島・君が代処分取消訴訟で4回目の不当判決を下した。またしても職務命令は「慣例上の儀礼的な所作」のため思想良心の自由を直接に侵害しない、「敬意の表明」を強制することによる「間接の制約」も「秩序の確保」「円滑な進行」のためには容認される、という。これは一体何を意味しているか。
 かつてピアノ判決以来、都教委と下級裁判所は、一律起立・斉唱は「国際儀礼」であり「一般的・客観的」に見て侵害にあたらない、内心と分離してこの外部行為を行うのは当然とした。判決によっては不起立・不斉唱を「学習権の侵害」とした。「国際儀礼」の強制はまさに国際的実態からも破綻した。内心と外部行為の分離は人間の思想と行動の不可分性からも非現実的であることが明らかとなった。そして行き着いたのは日本的「正攻法」である。国旗国歌法は「慣習を成文化」したもの、2006教育基本法の「伝統と文化を尊重し、それをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」態度、そして象徴天皇制国家が被されば完成する。日本国政府の公式見解(1999年以来)は“「君が代」の君は天皇であり、「君が代」は我が国、歌詞は我が国の末永い繁栄と平和を祈念したもの”としている。“日本人なら、公務員教職員なら「慣例上の儀礼的な所作」をしろ!”不起立・不斉唱・不伴奏者は「秩序」を破壊し「円滑な進行」を妨げる者とされる。それを予防した職務命令は合憲というわけである。
 卒業式、入学式等は不当な支配・介入、教育の自由をめぐる激しい衝突の場である。「10・23通達」「職務命令」が果たしている役割は「慣例・所作」ではなく「命令・教化」であり、「敬意の表明」にとどまらず「象徴天皇制国家への忠誠誓約」である。これが私たちの教授の自由を抑圧し、児童・生徒の学習の自由を侵害していることは明らかである。最高裁小法廷がいかに19条で枠をはめようとも、学校現場の実態を反映した23条・26条・教育基本法での闘いはこれからだ。着実に主張を展開していきたい。開けない梅雨はないだろう。

次回口頭弁論(結審)7/11(月)13:30~ 527号 
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2011年6月21日火曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第41号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 12) 
自由は見えないけれど・・・

 自由は見えないけれど、“不起立・不斉唱・不伴奏を含む多様な取組”は見えるものです。私たち不起立・不斉唱・不伴奏者は、ならわし・しきたり(慣例)を解さないヤボな人間でしょうか。いいえ、強制に抗して一人でも何とか決起し自由の歌声をあげる者です。私たち不起立・不斉唱・不伴奏者は、たちい・ふるまい(所作)ができないダサイ人間でしょうか。いいえ、権力の意向に“棹をささない”ささやかな誇りをもつ者です。
 私たちは、強制(一律起立・斉唱)、抵抗、処分、弾圧(再防研修・強制異動・差別)の実態を児童・生徒・世間に分かるように示さなければなりません。自由とその置かれている情況を語らなければなりません。21世紀現代東京公立学校の教職員・児童・生徒はいかなる思想良心、信仰をもっているかにかかわらず、直接に侵害されたのは教授の自由であり、間接に制約されたのは学習の自由です。原発事故によって、今日、空気や水や土さえもタダではないことを知らされました。そう、自由もタダではなく、代償が必要です。
 都教委は“強制などしていない”と白を切り、最高裁は私たちを思いこみの激しい“ドンキホーテ型”に仕立て上げたのです。かくして、草の根の呻吟は、今や巨大な流れの中で闇から闇に葬られようとしています。
 流れといえば、梅雨に菖蒲、菖蒲の花の流れは霧雨にも輝いてどこまでも続いていました。一つ一つの菖蒲は花も葉もそれこそ世界に一つだけでした。そして、真っ白い菖蒲の花は、優雅に肩の力を抜いていました。

報道
*入学式や卒業式で君が代斉唱の際に起立しなかったとして、広島県教育委員会から戒告処分を受けた県内の高校教諭ら42人が、学校側の起立斉唱命令は憲法違反として県教委に処分の取り消しを 求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(大谷剛彦裁判長)は、 判決を21日に言い渡すことを決めた。
*板橋高校卒業式裁判で、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は、口頭弁論を開かないまま、判決期日を7月7日(水)午後3時に指定してきました。

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2011年6月19日日曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第40号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 11) 
場外、校外、国外への追放に反対する

 橋下大阪府知事はジャカルタで言う。「日本には国歌を起立して歌わない先生がいる。クビにしようと考えているが、日本で大変な問題になっている。」
 上田埼玉県知事は記者会見で言う。「自分たちの国歌や国旗を愛せないような教師だったら、日本国の教師にならずに中国かどこかの教師になればいい。」
 いよいよ始まった「日の丸・君が代」強制のドミノ。二人の知事の排除の論理は、抵抗する教職員を児童・生徒から引き離すことをねらっている。そして、教授の自由も学習の自由も根こそぎ否定し、最終的には教職員の身分を奪うものである。

場外退避は思想・良心の自由を守れるか

 儀式が行われている間、場外に出て「不起立不斉唱行為を回避させる」(第一小法廷・宮川「反対意見」)という。これは有効か。これも結局、児童・生徒から教職員を引き離し「直接の人格的接触」をさせないことである。何のメッセージも送れないことになってしまう。仮に処分を免れたとしてもそれで思想・良心の自由が保持されるのか。学校教育の儀式における強制に対しては、教育の自由を追求することを通してしか思想・良心の自由も保持できないと思う。
 また、宮川「反対意見」は、「不起立不斉唱行為が上告人の思想及び良心の核心と少なくとも直接に関連する真摯なものであるかについて・・審査が行われる必要がある。」(判決文P15)としている。「不起立不斉唱行為」を決意実行した「思想及び良心の核心」はそれぞれの行為者によって異なる。「反戦思想」であったり、「国民主権」であったり。共通するのは職務との関係であり、宮川裁判官が言う「真摯性に関する審査」をするならば、職務遂行=教育実践の視点から行われなければならない。
 教職員を学校現場から排除し場外、校外、国外へ追いやることは究極の排外主義である。その出発が、教育の自由への乱暴な破壊である。学校現場からの逃亡にも、排除にも反対する。
 (報道によると、板橋高校卒業式藤田事件の最高裁判決が7/7に予定されている。)

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2011年6月16日木曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第39号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 10) 
最高裁 三度不当判決(第三小法廷、職務命令は合憲)

 本日(6/14)、戒告処分取消を求めて上告していた都教組八王子支部関係3人に対して、最高裁第三小法廷は、職務命令が憲法19条思想良心の自由の侵害にはあたらない、「間接的な制約」についても「秩序確保」「円滑進行」のためには許容されるとした。26条などの教育の自由の点については一顧だにしなかった。
 これで、3つの小法廷全てが、「10・23通達」下の職務命令は19条に違反しないという判決を出したことになる。しかも「間接的な制約も許容される」として、ピアノ判決(2007)とは異なり全教職員対象(一律起立・斉唱)を意識した判決を確定した。
 教育の自由(23・26条)、不当な支配の禁止の鍵をこじ開けなければならない。そのキーポイントは“不起立・不斉唱・不伴奏の教育的意味”である。最高裁多数は<思想・良心から起立・斉唱できなかった>を退けたが、「間接的な制約」の前提である「敬意の表明の要素」に対する「敬意の表明の拒否」の存在を認めた。この「拒否」には児童・生徒に対する教育的意味も含まれていると思う。
 また、「学校の卒業式のような式典において一律に行動を強制されるべきではないという信条」(第二小法廷判決)や「公的機関が一定の価値観を強制することは許されないとの信条」(第三小法廷・田原「反対意見」)のような「信条との関係における制約」は、本来教育の自由の側面から検討されるべきものである。特別活動の儀式的行事という教育課程の中で強制が行われたのである。それによって教授の自由と学習の自由が圧迫、侵害されたことは明らかであろう。追及の余地はある。

一・二審で陣地を獲得することの重要性

 最高裁は、“思想・良心の自由の枠”をがっちり守って「慣例上の儀礼的な所作により直接的な侵害なし」「間接の制約も容認される」とした。教育の自由については「上告申し立て」を受け付けていない。憲法19条・20条について主張を続けることはもちろん重要。しかし、当面特に力点を置かなければならないのは、23条・26条、不当な支配の禁止である。それは一律起立・斉唱の強制下で児童・生徒にどう向きあうかを明確に主張することである。
 3・10高裁判決は「10・23通達」による職務命令が思想・良心の自由を侵害しないとしながらも「正しい教育をしたいという思い」「真摯な動機」「やむにやまれぬ行為」をすくい上げ処分を取り消した。注目すべきは、この高裁判決のポイント部分である原告の教育に関わる主張は地裁中西判決が確定していたところであり、大橋判決でも引用されている。つまりは積み上げである。いかに否定的な要素があろうとも一つ一つ真実を述べていくことである。地裁・高裁での前進によって最高裁も、最低限教育の自リンク由について取り上げざるをえないところにもっていきたい。その可能性はまだ残されていると思う。当面、地裁での前進のために全力をあげたい。

次回口頭弁論(結審)7/11(月)13:30~ 527号 
最終準備書面の提出・原告本人の最終陳述

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2011年6月7日火曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第38号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 9) 

思想・良心の自由(憲法19条)の枠を突破しよう
~最高裁5/30第二小法廷・6/6第一小法廷 不当判決批判~



両小法廷、職務命令合憲判断

 どうやら見えてきた。最高裁は、少なくとも各小法廷において「日の丸・君が代」訴訟を思想・良心の自由問題の枠に押し込め「10・23通達」下の職務命令は憲法19条違反にならないという多数意見判決を出すようだ。上図に示したように、両判決とも職務命令による起立斉唱行為は「一般的、客観的に見て」「慣例上の儀礼的な所作」であり「直ちに制約する」(直接の侵害)ものではない。「間接的な制約」は認められるが、外部行為(不起立・不斉唱)の制限は「秩序を確保」し「円滑な進行」ためには間接的な制約を許容し得る程度である。なお、第二小法廷は「信条の制約」も「間接的な制約の有無に包摂される」として許容されるとする。全く不当な判決である。

教育の自由、判断せず

 ただ根本的な問題は、上図にもあるように中枠の左右を分離し、右枠の「儀式」の場面での思想・良心の自由問題だけを検討対象としていることである。卒業式・入学式・周年行事などは授業をはじめとする教科指導、生活指導と一体のものである。まして、「日の丸・君が代」という厳しい対立をはらんだ問題、児童・生徒・教職員の全人格の成長・形成をかけた学習の自由、教授の自由の課題が突出するのが「儀式的行事」である。判決も「儀式的行事」を「生徒等への配慮を含め、教育上の行事にふさわしい」ものとする必要を述べながら、この場面での「直接の人格的接触を通じて個性ある成長をはかる」ことを忘れ、ひたすら全体の「秩序」「円滑」を主張するのみ。壮大な誤認が生じている。19条では包摂できないのである。

金築「補足意見」

 第一小法廷判決では金築「補足意見」と宮川「反対意見」が提示された。前者は「本人の主観的判断」とか「教職員であって、・・職務命令に従って学校行事を含む教育活動に従事する義務を負っている者」として、不当にも、強制を容認し職務命令の合憲性を述べている。一方で「児童・生徒に対し・・起立斉唱行為を強制」したり「教育環境の悪化を招くなどした場合」への警告を示しているが、事実上それが現実であることの認識はない。

宮川「反対意見」とその限界

 後者「反対意見」は明快だ。起立斉唱の強制が「少数者の思想・良心の核心に対する侵害」「魂というべき教育上の信念を否定することになる」として「10・23通達」が「信念を有する教職員を念頭に置き・・不利益処分をもってその歴史観等に反する行為を強制する」、職務命令が「信念に対し否定的評価をしている」として諸事情の検討も含め原審に差し戻すことを主張している。少数者を狙い撃ちにするようなことは許されないという全く当然の見解である。
 ところが上図にもあるように、宮川裁判官は「式典」を「生徒に対し直接に教育するという場を離れた場面」としている。そのため、「不起立不斉唱行為が上告人らの思想及び良心の核心と少なくとも密接に関連する真摯なもの」であることは「おおむね疑問はない」としながら、その教育実践的意味、不起立不斉唱行為が生徒に与える積極的な意義については思い及ばない。不起立不斉唱を実行した教員に対し、生徒が“やっぱり先生は私達に言ってきたことを貫いたんだね”と評価したり、保護者から励まされることは教育的社会的意味をなさないだろうか。逆に心ならずも強制に従った時の教育的良心へのダメージは計り知れない。宮川「反対意見」は具体的に「受付を担当させる等、会場の外における役割を与え、不起立不斉唱行為を回避させること」を提示している。確かに形式的にはその教員に対する直接の思想・良心の侵害を回避し処分を免れるかもしれないが、会場内では、粛々と強制が貫徹進行するのである。このような措置は、教員を生徒との「直接の人格的接触」の場から引き離し、排除することにもつながるのである。「式典」「ピアノ伴奏」もまた全体として児童・生徒への直接指導の場面である。
 第一小法廷は、教育の自由(23・26条)については取り上げない判断を下したという。しかし、「日の丸・君が代」強制問題を全面的に検討し、憲法判断を勝ち取るにはこの点は抜かせない。私たちはプライベイトタイムにサッカー場で強制されたのではなく、教育公務員のまま職務専念義務が科されている校務遂行中にその校務の内容において強制されたのである。どんなに狭められた教授の自由でも、児童・生徒に正対した時その自由を発揮しなければならないと思う。私は“不起立・不斉唱を生徒に見せる”意味を裁判官に伝えたい。自由に考え行動すべし。自由はタダではないけれど。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

結審、迫る

前回口頭弁論(校長と近藤の証人尋問)の速記録が届いた。いくつか補足すべきところはあるが、基本的には主張を展開できているようだ。結審に向けて最終準備書面の作成に入りたい。

次回口頭弁論(結審)7/11(月)13:30~ 527号
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2011年6月1日水曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第37号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 8)

“「10・23通達」下の職務命令は憲法19条違反にあらず”
最高裁第二小法廷 不当判決

 まず留意しなければならないのは、「上告理由書」によると上告人は憲法19・14・22条を争点とし、教育の自由(23・26条)の憲法判断を求めていないことである。従って判決は、主に職務命令が19条思想・良心の自由に違反するかどうかについて検討し、違反しないと判決した。
 判決文の特徴は全33ページ中、「全員一致の意見」部分は8ページ余りで、その後は3人の裁判官それぞれの「補足意見」が延々と続くことである。その中心的論点は「間接的な制約」である。
 判決はまず「起立斉唱行為は、一般的、客観的に見て・・慣例上の儀礼的な所作」であり「個人の思想及び良心の自由を直ちに制約するものと認めることはできない」とする。ここまでは「ピアノ判決」の枠内であるが、ここで持ち出したのが「間接的な制約」である。上告人の「起立斉唱を拒否する理由」に理解を示すポーズをとりながら結局「儀式的行事においては、生徒等への配慮を含め、教育上の行事にふさわしい秩序を確保して式典の円滑な進行を図る」ための職務命令として「間接的な制約」も許容し得るとしている。重要なことは教育の自由を侵害している一律起立・斉唱の職務命令を「教育上の行事にふさわしい」等と決めつけていることである。
 その後の3人の「補足意見」は言いたい放題である。「生徒の模範となるべき教員としての職務に抵触」(竹内)、「率先垂範的立場にある教員に日常の意識の中で自国のことに注意を向ける契機を与える行為を行わしめる」(須藤)、「起立斉唱行為の教育現場における意義等は十分に認められる」(千葉)。特に須藤「補足意見」は国家主義を高唱すると同時に「見るべき代替案あるいは拮抗する対案が提唱されていることもうかがわれない」とか「起立斉唱の形式、内容、進行方法、所要時間、頻度等を見ても、・・短時間で終了し、日を置かず反復されるようなものでもなく」等、リンク事実に反することが勝手に述べられている。私は、「式次第から『国歌斉唱』を削除すること」を提案してきたし、「日の丸」は式の間中掲揚され、また一律起立・斉唱の強制・累積加重処分は毎年のことであり、そもそもこの強制は教育全体の統制と固くリンクされている。
 「全員一致の意見」は、基本的には“より厳密に検討した結果、職務命令は合憲であること”を打ち出し、「補足意見」は都教委を牽制している面はあるが、「間接的な制約」をも許容し職務命令合憲を補強している。
 今後、まだ憲法判断が出されていない教育の自由(23・26条)への主張を強化したい。

次回口頭弁論(結審)7/11(月)13:30~ 527号 
最終準備書面の提出・原告本人の最終陳述

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2011年5月29日日曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第36号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 7)

橋下「国旗・国歌条例(案)」の強権と巧妙

 ついに出された「条例(案)」を読むと、教育基本法の理念を貫徹すること、都教委「10・23通達」の「足らざるところ」を補強することを目指しているようだ。
 前者については分かりやすい。「条例(案)」の第1条(目的)と教育基本法第二条(教育の目標 五)は、字句までほとんど同一。「伝統と文化を尊重」「我が国と郷土を愛する」「国際社会の平和と発展」橋下知事にとってはこれほど明確な理念を公的場面で実現するのは当然ということだろう。その道具が「国旗・国歌」である。「愛国心」も「国際貢献」も多様な意見が存在する問題ではなく、突き進むべき課題とする。その主体は「府民、とりわけ次代を担う子ども」。
 後者については、一挙に大阪府内の公立学校(小・中・高・特別支援学校)全てに直接強制を図っている。「服務規律の厳格化を図る」ことが目的だから「教職員」が直接のターゲットである。すでに出されている反論において「国旗・国歌法」成立時の国会で「強制はしない」「立っても立たなくてもよい」という野中官房長官等の言が持ち出されているが、同時に有馬文部大臣や矢野政府委員は「職務上の責務」「懲戒処分を行うことができる」と述べている。橋下知事は、東京のような単純な累積加重処分や停職6か月の頭打ちではなく免職までもっていこうとしている。
 こう見てくると、強権と巧妙な策略によって教育の自由を圧殺しようとしているといえる。「思想・良心・信教の自由」一般ではなく、矛先はまっすぐに学校と教職員に向かっている。私のような“無党派浮遊層”を含めて学校現場での正確な反撃、そして府民、国民との共同した取り組みが必要である。

2つの最高裁判決 予告

最高裁の二つの小法廷は、口頭弁論を開かず、判決期日を指定してきた。次の2件である。
南葛飾(定時制)元教員嘱託採用拒否事件 5/30 第2小法廷
嘱託不採用撤回裁判 6/6 第1小法廷 

 *憲法、教育基本法の判断に踏み込むかどうか、注目される。

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次回口頭弁論(結審)7/11(月)13:30~ 527号 
最終準備書面の提出・原告本人の最終陳述

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2011年5月25日水曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第35号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 6)

通達・職務命令と不起立・不斉唱、どちらが合憲、合法か

 そして、反対尋問の最後にこう訊かれた。(4/28口頭弁論)
都教委代理人弁護士:あなたの不起立行為と地方公務員法32条・33条違反はどのような関係なのか。              
近藤:違憲、違法な通達や職務命令に従うつもりはない。
  *地方公務員法32条(法令等と職務命令)、33条(信用失墜行為)
 都教委の主張は<不起立者が特定の思想から勝手に法律を無視して非違行為を行った>というもの。なんとしても教育現場で違法行為が行われたことを裁判官に印象付けようとした。私は、都教委「10・23通達」、八王子市教委「9・22通達」「12・8通達」、校長「職務命令」が教育の自由(憲法23条・26条)に違反していることを学校現場の教育実践に即して述べてきた。そして、都教委側が最後に処分理由としての地方公務員法違反をもち出すなら、やはり裁判官に憲法判断を要請しなければならない。
 言うまでもなく憲法98条(最高法規性)、99条(憲法尊重擁護義務)がある。一教育公務員である私も、それなりの権力をもつ都教委の方々も、その権利と義務において、法の下に平等のはず。

橋下大阪知事の「君が代起立条例」の行方

 東京の「日の丸・君が代」強制反対の闘いは、全国の「強制」したがっている方面を牽制してきた。「強制」を強行したら、学校現場でどれほどの抵抗を引き起こし、どれだけの裁判を抱えなければならないかを示している。首都圏はもちろん北海道や大阪、名古屋での兆候は見られたが、躊躇させてきた。橋下知事はシャニムニ走ろうとしている。私達の堡塁が決壊する危機に当たって、何千、何万の大阪の教職員、何百万の府民と連帯していこう。

嘱託採用拒否事件で、5/30に初の最高裁判決予定

 5/21付『毎日新聞』は「東京君が代訴訟 元教諭敗訴公算」「2審の判断を見直す場合に実施される弁論が開かれておらず、元教諭が敗訴した東京高裁判決(09年10月)が確定する公算が大きくなった。」と報じた。数ある訴訟の中で「10・23通達」関連では初めての最高裁判決となり今後の裁判に多大の影響があろう。
 「戒告処分」取消ならば、再雇用拒否は全く不当である。

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最終準備書面の提出・原告本人の最終陳述

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2011年5月17日火曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第34号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 5)

教育は、即効性だけか? ~続~

口頭弁論(4/28)で、私は以下のように述べました。
「私は本来社会科の教員だが、行政が『日の丸・君が代』のような措置をすれば、社会科は成り立たない。」
「今回の原発事故にも見られるように、現場のプロが危機を感じたら発信しなければならない。」
 社会科で取り上げる課題は「基礎的知識」もあるが、重要なことは「論争的課題」である。例えば「アジア・太平洋戦争」「大東亜戦争」「沖縄戦」「集団自決」「環境保護と経済発展」「憲法と国際平和」等である。政府見解や法律が成立しているかどうかにかかわらず多様な意見がある。これについて教育の場で一定の価値観を一定の方法で教えることを強制されたらどうでしょうか。自立した批判的思考を養うことはできません。
 「君が代」起立条例をたくらむ大阪府の知事は「国歌を歌うには、起立して歌うべし。これが僕の政治感覚です。そしてこれは教育内容の問題ではありません。起立して歌わない教員は、大阪府民への挑戦と捉えます。」と言っているそうです。知事本人の「僕の政治感覚」は認めますが学校教育の場での強制は許されません。東京都の学校現場で強制が貫徹し、教員の教授の自由と児童・生徒の学習の自由、多様な考え行動の自由が侵害されていることに危機感を感じます。学校現場でも裁判の場でもはっきり警鐘を鳴らさなければなりません。それが将来にわたって意味を持つ可能性があります。私は生徒との直接の人格的接触のために式典会場に存在することを求めましたが、不起立可能者を会場に残すかどうかでは一律起立・斉唱を強制する側にもジレンマがあります。その意味で不起立・不斉唱は教育の自由の圧殺か保持かの瀬戸際における教授の自由権の一筋の発揮といえるでしょう。
 現職の教職員には、一人でもその会場の一律起立・斉唱を止め「正しい教育を行う」力を秘めていると思います。

次回口頭弁論(結審)7/11(月)13:30~     527号
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累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第33号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 4)

教育は、即効性だけか? 
口頭弁論(4/28)の反対尋問で次のようなやり取りがあった。
都教委代理人弁護士:不起立はどのような意味があるのか。
近藤:教育指導によって直ちに正さなくてはならないものはもちろんあるが、そのような即効性だけでなく、10年先に生徒の成長過程で意味をもつものもあると思う。


 都教委「通達」・市教委「通達」・校長「職務命令」は、「日の丸・君が代」一律起立・斉唱によって「国旗、国歌への敬意・儀礼」「国家への忠誠」「国を愛する心」を教えるという。そこから、それを教えない不起立・不斉唱は「児童・生徒の学習権を侵害するものだ」という。また、学習指導要領の「国旗を掲揚し国歌を斉唱するよう指導するものとする」が持ち出される。
 私は、教育の本質的営みには、学習の自由と教授の自由が前提とされなければならないと考える。教授の自由はもとより厳しく制限されているし、「通達」「職務命令」により強烈に圧迫される。残された自由の唯一の発揮は不起立・不斉唱によって強制を拒否しその姿を見せることであった。後は生徒の現在と将来の判断に任すだけ。

 かつて、教育実習生「樺美智子先生」も目前と長期で悩んだ。死の前年1959年秋、公立中学校で教育実習を行っている。
 「先生方の評によれば『大分不良がかっている』二人の女生徒がいた。私は注意していて、運動会の練習をサボっている二人を見つけて親しくなり、ついに、いつもサボっている掃除も一緒にするところまでいったが、二週間で離れることを考えると、それ以上内面的につながりを深めることは躊躇せざるを得なかった。・・私はやはり、生徒と親しくなり過ぎないようにしたのは正しかったと思う。」(『人しれず微笑まん 樺美智子遺稿集』より)
 また、ある生徒からは厳しい指摘も受ける。「社会科の授業は大変わかりやすく説明して下さるのでよかったです。私達のH・Rをやって下さいましたが、皆がさわいでいる時はすこしおこって下さればよかったと思います。」(同上)
 運動会に参加「指導」している時の写真からうかがえる真剣そのものの姿はきっと生徒に通じたことだろう。そして「歴史を教えるのはきっと、おもしろいだろうと思って実習に行ったのだが実際は予想していたよりも、もっとおもしろかったということを、はっきり言える。」(同上)と結論付けている。

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**会員・読者の声**

君が代斉唱・日の丸掲揚強制と私たちの生き方(2)
 山田昭次

 戦後に早くも1950年10月17日に文部大臣天野貞佑は、祝日の君が代斉唱・日の丸掲揚を復活するように全国の教育委員会や大学に通達した。その狙いは何か。彼の発言によると、この狙いの対象は大学生や知識人ではなく小学生であり、「この国のために働くんだ、というようなことをだんだん教え込みたいですね。何も理屈じゃなくて感覚的にそういう気持ちを持たせたいので、それには旗とか歌というものが是非必要」と言った(天野貞佑「君が代・日の丸・修身科―現代日本人の課題」『読売評論』1951年1月号。下線は山田)
 東京都教育委員会は、校長が卒業証書を同じフロアで渡す形式から高い演台に立って渡す形式に変更させ、かつ「入学式、卒業式等における教職員の服装は、厳粛かつ清新な雰囲気の中で行われる式典にふさわしいものとする」と、2003年に命じた。これは入学式、卒業式を権威主義的で厳粛なものにすることによって、君が代・日の丸に象徴される日本国家が神聖不可侵のものという印象を児童や生徒に与える演出効果を狙ったものであろう。「感覚的にそういう気持ちを持たせたい」という天野の発想は継承されている。
 君が代斉唱・日の丸掲揚の強制は、私たちが近・現代日本国家が歩んできた歴史を厳密に検証し、これとどのように対峙して生きていくのかという課題を厳しくつきつけている。

次回口頭弁論(結審)7/11(月)13:30~     527号
最終準備書面の提出・原告本人の最終陳述

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2011年5月10日火曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第32号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 3)

不起立・不斉唱は「コウム」か? ~続~

 口頭弁論(4/28)の反対尋問で次のようなやり取りがあった。
都教委代理人弁護士:卒業式の時、一番近くの生徒とはどのくらい離れていたか。
近藤:1メートル前後です。
都教委代理人弁護士:生徒からあなたの不起立は見えたか。
近藤:はっきり見えたと思います。
 私の不起立は、生徒に自らの考えに従って行動してよいというメッセージを送るものでした。前号に続きローカルな話になりますが、〈国歌斉唱〉に続いて〈校歌斉唱〉ですから私は起立して歌います。生徒に正対しての起立―不起立―起立という一連の動作は目立ちます。ところで八王子五中の校歌はなかなか素晴らしいものです。
 高き知性の かがやけば 自由の道の はてもなし
 見ずや個性の おのずから 薫りも色も 新たなり
 友よしたしく 手をとりて 世界の前に 進むべし 
         (土岐善麿 作詞  信時潔 作曲 「学事報告」より)

 私は勝手に、リベラリズム、パーソナリティ、インターナショナリズムを励ますものと解釈しています。土岐・信時のコンビでは、『われらの日本』(新憲法施行記念国民歌)が創作。1947.5.3のこと。
 平和のひかり 天に満ち
正義のちから 地にわくや 
われら自由の 民として
新たなる日を 望みつつ
世界の前に 今ぞ起つ   (古関彰一『新憲法の誕生』より)

 記念式典に天皇は出席せず、君が代ではなくこの歌が歌われたそうだ。国歌はもちろん、校歌にしろ国民歌にしろ強制はダメですが、その意味、意義を批判的に検討し深く理解することは重要だと考えています。このことが裁判官に伝わったでしょうか、心配です。

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**会員・読者の声**

君が代斉唱・日の丸掲揚強制と私たちの生き方(1)
 山田昭次

 1923年9月1日に関東大震災が起こると、日本人民衆の多数派は朝鮮人が暴動を起こしたという官憲が流した情報を「お上の言うことに間違いない」と信じリンク、「お国のために」と自警団に参加し、刀、竹槍、こん棒などを使って無辜の朝鮮人たちを虐殺した。劇作家の秋田雨雀は、こうした民衆の行動は国家が教育してきた「国民道徳」の発露であり、それは「親切、無邪気、相互扶助的な精神さえも、それは全く自己の民族にのみ限られたものであって、一歩利害を異にした民族に対しては、あらゆる残虐、無残な行為を生んでくる」ものだと批判して、「国民道徳」からの解放を訴えた(「民族解放の道徳」、『読売新聞』1923年11月26日)。私がこうした秋田の言葉を思い出す所以は、君が代斉唱・日の丸掲揚の強制を伴う現在の入学式や卒業式の儀式は、民衆の国家との感覚的・情緒的一体化を通じて、戦後民主主義運動によって後退しかかった「国民道徳」の再強化を目指していると見るからである。(この論考は『ほっととーく100号』に掲載されたものですが、先生の了解を得て再録します。)

次回口頭弁論(結審)7/11(月)13:30~
527号 最終準備書面の提出・原告本人の最終陳述

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2011年5月9日月曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第31号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 2)

不起立・不斉唱は「コウム」か?

 口頭弁論(4/28)で次のようなやり取りがあった。
青野裁判長:あなたの言うコウムとは、公務か校務か。
近藤:校務です。
 私は以前から“不起立・不斉唱・不伴奏を含む多様な取組を呼びかける”ことを提起している。その一つ、2003年「10・23通達」以来、一貫して職員会議で“式次第の〈国歌斉唱〉を削除する”ことを提案してきた。さしたる議論も無く校長がこれを否定し〈国歌斉唱〉は通過した。“またか”とか“今さら”の声は常に聞こえてきた。しかし、あくまで強制を続けてきたのは都教委である。
 卒業式の〈目的〉には「学校生活の締めくくり」「新しい生活への出発点」がある。この〈目的〉達成のためには、一律起立・斉唱ではなく、自主自立の判断で行動することではないでしょうか。例えば、外国人生徒にとって日本語を獲得することは自立への糧を得ること。私の不起立・不斉唱も「自由を示して“なんぼ”の校務」でした。八王子五中の校舎全面改築により、本件事案が発生した旧校舎音楽室もプレハブ音楽室もこの地上から跡形もなく消え去るでしょう。「根本において教育の力にまつべきもの」は何でしょう。

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       **会員・読者の声**
 「以上はあくまでも私個人の考えです。でも、これが教育の場における問題として考えるならば、この考えも一つの意見にすぎませんし意見は多様だと思いますから、私の考えを絶対視するつもりもありません。しかし、戦前の国家強権の教育を受けた者としてせめて個人の考えを尊重する教育であってほしいと思います。日本の憲法は主権在民、思想信条の自由、そして何よりも世界に誇ることのできる戦争放棄をうたっているではありませんか。教育とは憲法の精神と真実を教え良き人間としての成長を助けるものだと信じています。その信念に従って公務員としての業務を果たしている教員が何故問責されるのか、私はどうしても納得できません。国旗・国歌の教育現場での扱いについては『強制をしない』という国の答弁をはっきり覚えています。自分の愛する国が世界からも認められる平和な国家であることを切に願っています。」(池田教)

次回口頭弁論(結審)7/11(月)13:30~ 527号
最終準備書面の提出・原告本人の最終陳述

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