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2011年12月12日月曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第72号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!
最高裁弁論~教育の自由と全ての処分取消を⑥~

東京都公立学校現場の教職員の皆様へ ~卒業式・入学式に向けて~

1,自由の土壌を耕そう ~「日の丸・君が代」強制、処分に抗する意味~

 第二学期末、目の回るような忙しい情況だと思います。そして、3月の卒業式さらには次年度の入学式に向けて要項審議を始める時期かと思います。都教委10・23通達以来9回目の卒業式です。現在小・中学校に在籍する児童・生徒は、ほとんど「日の丸・君が代」強制下の儀式しか知らないことになります。
 この強制に反対することは、±1の取組だといえます。強制を止めさせ0の地点まで引き戻し、できれば+1の出発点を確保することです。極めて初歩的な、地道な行動です。皆様の中には、教育実践や教育理論の面ですばらしい成果を挙げている方もいるでしょう。ただ、教育の営みにおいて、教職員の自由を確保し児童・生徒の学習権を保障することは不可欠なことだと思います。それは、農民が「田んぼを作る」のに似て“自由の土壌を耕す”ことでしょう。
 「日の丸・君が代」起立・斉唱に異議を唱えるなど、今さらと言われたり、どうしようもないことのように見られるかもしれませんが、ぜひ多様な取組を試みてほしいと思います。

2,厳しい局面 ~第一波最高裁判決は強制・処分を合憲とした~

 今年の5~7月にかけての最高裁判決は、10・23通達と職務命令は憲法19条に違反しない、「敬意の表明」という間接的制約も必要性、合理性があり合憲としました。そして、戒告・減給処分、嘱託合格取消、嘱託採用拒否を確定し、さらには刑事事件まで有罪としました。つまりは被処分者の全面敗訴となり、行政処分を司法が追認する事態となりました。また、この「19条の枠組」により教育の自由や不当な支配の問題は取り上げられませんでした。
 現在、最高裁では弁論が開かれ、戒告・減給・停職処分についての裁量権逸脱・濫用問題が審理され、年明け早々にも第二波判決が下されます。その他にも地裁、高裁で多くの裁判が闘われていますが、「最高裁追随の枠組」がはめられようとしています。私たちは全ての処分取消、教育の自由を始めとする憲法判断を求めて粘り強く闘いたいと思います。皆様のご支援をぜひお願いします。

3,強制のその先は ~今、行動で示す時~

 今年は「満州事変」80周年、「真珠湾攻撃」70周年に当たります。論評は様々ですが、明治以来懸命に登り詰めた「坂の上の雲」の下は断崖絶壁で、奈落への転落は誰にも止められませんでした。その背景に教育の国家主義的統制があったことが語られています。3・11原発事故の様相と相似をなすと言えましょう。それでも原発を継続稼働しようとしています。当時の「共存共栄・アジア解放」を「国益自衛・国際貢献」に改変して推進しています。沖縄では「犯すときに『これから犯しますよ』と言うか。・・『基地のない、平和な島』はあり得ない。沖縄が弱いからだ。」(田中局長)との真意放言。この暴言も前半は追及されましたが、後半部分はやり過ごされています。また「独裁と言われるぐらいの力」「教育は2万%強制」(橋下市長)等として登場しています。
 率直に言って今決定的に不足しているのは学校現場での持続的な異議申し立てです。情況は厳しく抵抗の反作用は身に降りかかってくるかもしれませんが、子どもには見るべきものを見せておかねばなりません。

今後の予定 報道
*東京「君が代」裁判一次訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/12 10:30
*東京・小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 12/13 16:00 424号
*アイム‘89処分取消請求訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/19 10:30 
*都障労組3人処分取消訴訟 高裁口頭弁論 12/19 14:00 824号
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 判決 1/16 13:30
*土肥裁判 東京地裁民事第19部判決 12/22=>延期 2012.1/30
                             13:30 第527号

 累積加重処分取消訴訟(原告:近藤順一) 地裁判決延期 期日未定 


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