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2011年12月3日土曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第71号)

地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!
最高裁弁論~教育の自由と全ての処分取消を⑤~

地裁判決無期延期の意味~最高裁追随の枠組~

1,連続不起立・不斉唱=>被停職処分“自由と正義は我にあり”

 11/28最高裁第一小法廷にて上告審弁論、幸運にも入廷できた。中央に金築(第一波判決において補足意見)、向かって左に宮川(同反対意見)、その他は桜井・横田・白木(同意見無し)各裁判官が並ぶ。上告人(被停職処分者)側の4人の代理人弁護士が立った。焦点は裁量権に絞らされたが、論旨は明快だった。連続不起立・不斉唱の教育的意義、累積加重処分の教育破壊・反人権的意味、裁量権逸脱・濫用の停職処分は取り消されるべし。特に、金築・宮川両裁判官はしっかり注目していた。
 旭川学テ大法廷判決の本質「教育は子どもとの直接の人格的接触」をめぐって、決して逃げなかった被停職処分者ふたりは「教師人格の崩壊につながる危機」(市川教授証言)に立ち向かうことにより、都教委の理不尽さを浮き彫りにした。「答弁書」を出していた被上告人=都教委側は弁論しなかった。
 原審判決(3.25高裁・加藤裁判長)とこの日の弁論を対比して、裁量権問題は、教育の自由につながるものであることがはっきりした。第二波判決に向けて、自由と正義を回復する反転攻勢のきっかけとなることが期待される。判決日は年明け1/16(月)13:30と指定された。

2,全ての処分(戒告・減給・停職)を取り消させるために

 最高裁第一小法廷は、12/12・19にも弁論を開く。戒告・減給を取り消した原審判決(3・10高裁・大橋裁判長)を見直す可能性がある。戒告・減給は、「19条の枠組」を採った第一波判決(5/30~7/19 第一・二・三小法廷)によって確定した。これを変更するには第一小法廷だけの弁論・判決で可能だろうか。それは気休め、幻想ではないのか。小法廷弁論に全力を注ぐことはもちろん重要だが、やはり、大法廷が必要だと思う。第一波判決について「安定した判例の形成がなされたとは考えがたい。」(澤藤弁護士)とする一方、「これを変えるには相当な期間がかかる。」(水口弁護士)との見解がある。戒告・減給も含めて全ての処分を取り消させるためには、大法廷を開かせ教育の自由・裁量権を「迂回作戦」(澤藤弁護士)ではなく、正面から主張することだ。現在、弁論の対象となっている裁量権問題は結局教育の自由、思想良心・信教の自由に連動していく。また、裁判官の反対意見・補足意見はそのことを示している。これからの第二波判決で「19条の枠組」が固定化される前に裁判所内外の取組を強化して“大法廷を開け”の声を挙げるべきだ。時間を無為に過ごしてはならない。

3,地裁判決無期延期は一体何を意味するか

 私の事案、累積加重処分取消裁判は地裁民事19部で8月に結審し、一度は判決日が指定されたが取り消されたまま無期延期になっている。戒告・減給・停職の3段階全処分の取消を請求している。現在最高裁において裁量権逸脱・濫用について弁論されているが、いかなる線引き判決にも反対である。
 そもそも、「日の丸・君が代」強制問題を裁量権の枠組に閉じこめるのではなく、教育の自由侵害の憲法判断をすべきである。「最高裁追随の枠組」を許してはならない。
 地裁・高裁は最高裁判決を待ってそれに追随した判決を出すのではなく、事実に基づき自立した審理・判決を進めるべきである。裁判所が決めた枠組に従うことは、最も肝心なことを排除している。今、3つの「枠組」が横行している。

「19条の枠組」「裁量権の枠組」「最高裁追随の枠組」を打破しよう。

今後の予定 報道
*東京「君が代」裁判一次訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/12 10:30
*東京・小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 12/13 16:00 424号
*アイム‘89処分取消請求訴訟 最高裁第一小法廷 弁論 12/19 10:30 
*土肥裁判 東京地裁民事第19部判決 12/22 13:30 第527号
*河原井・根津停職処分取消訴訟 最高裁第一小法廷 判決 1/16 13:30

 累積加重処分取消訴訟(原告:近藤順一) 地裁判決延期 期日未定 


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