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2013年7月22日月曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第164号)

「日の丸・君が代」処分(戒告から停職まで)
累積加重処分取消裁判
~第三波最高裁判決(2013/9)にあたって~
判決の核心と全面的評価が重要

 双方(都側と原告)の上告受理申立(裁量権判断)が不受理となったことから戒告是認、減給・停職の取消が事実上確定し、憲法判断は弁論無き小法廷判決言い渡しにより厳しい内容が予想される。判決日(9/5)まで1月半、大法廷回付と公正な審理・判決を請求していきたい。
 私の「日の丸・君が代」裁判の核心は、教育の自由・思想良心の自由における憲法判断であり、「10・23通達」・八王子市通達・職務命令の違憲違法による全処分取消である。裁量権逸脱濫用による累積加重処分取消においては、減給・停職の取消は当然だが、戒告是認や「過去の処分歴等」「不起立前後の態度」により規律秩序を破壊したとされる減給・停職の是認も許さない。
 厳しい現実を突きつけられても、判決の全面的把握こそ次の闘いの方向を正確に照射する。

最高裁判決の個別意見について
~ピアノ判決での反対意見を(藤田裁判官)考える~
*テクスト①~藤田宙靖『最高裁回想録 学者判事の七年半』~
 「在任中関与したいわゆる『審議事件』総計約750件ほどの中で、私が『反対意見』(結論が多数意見と異なるもの)を書いたのは3件に過ぎず、『意見』(結論は多数意見と同じであるが、理由が異なるもの)を含めても、多数意見と異なる見解を述べたのは僅か6件に過ぎない。しかし、『補足意見』(多数意見に結論・理由共に賛成するが、さらに補足するもの)を書いたケースが20件以上あり。合わせると、個別意見を書いた事件が30程になる。」
 「今日、木で鼻を括ったような全員一致の判決理由・決定理由では、国民は基本的に納得せず、むしろ、本当に裁判官がまじめに審理したのかどうかを疑うことともなり、引いては裁判に対する信頼をも失いかねない。・・つぶさにわかるような理由を示されてこそ、当事者は、仮に訴訟で負けたとしてもそれなりに納得し、国民もまた裁判所を信用するのだと思う。」
 藤田元最高裁裁判官は、「個別意見を書くことを特に許された最高裁判事の責務」として個別意見において情報発信し「説明責任」に応えるべきだという。
 君が代ピアノ伴奏拒否訴訟事件の最高裁第3小法廷判決(2007・2・27)では戒告処分を受けた原告の音楽教員は敗訴したが、藤田は反対意見を書いた。それを見てみよう

テクスト②~ピアノ判決・藤田「反対意見」~
 「本件における真の問題は、・・入学式においてピアノ伴奏をすることは、自らの信条に照らし上告人にとって極めて苦痛なことであり、それにもかかわらずこれを強制することが許されるのかどうかという点にこそぁる」
 「公的儀式においてその斉唱を強制することについては、そのこと自体に対して強く反対するという考え方も有り得る」
 公的儀式における斉唱の協力を強制することが、当人の信念・信条そのものに対する直接的抑圧となることは、明白であるといわなければならない。」

 ピアノ判決はその後の「日の丸・君が代」裁判において、“校長の職務命令が違憲ではない”という判決を広げた。しかし、2011年最高裁判決は「敬意の表明の要素を含む行為は間接的制約」にあたると認めた。特に、「公的儀式における・・強制」という把握は、一般公務上の「職務専念義務」と一律起立・斉唱の「職務命令」の二重の制約下における不起立・不斉唱を行う者にとって、正当な憲法判断の突破口となる。藤田は「子供の教育を受ける利益の達成」を提示し「この重層構造のそれぞれの位相に対応して慎重に検討されるべきであると考える」と述べている。教育の自由まではあと一歩である。
 正当な反対意見や補足意見は当事者にあれこれの指示を与えるものではなく、将来の道理ある軌道回復へゆっくりとボディブローのように効いてくるものである。

最高裁判決 9月5日(木) 
近藤順一 07~10年処分取消訴訟・最高裁判決
 14:30 傍聴整理券交付開始(最高裁南門)
 14:10 整理券交付〆切(その後、抽選)
       15時30分判決(第1小法廷)
最高裁への行き方:地下鉄(半蔵門線・有楽町線・南北線)
永田町駅・4番出口 徒歩5分

裁判所法
第十条 (大法廷及び小法廷の審判)
 事件を大法廷又は小法廷のいずれで取り扱うかについては、最高裁判所の定めるところによる。但し、左の場合においては、小法廷では裁判をすることができない。
一  当事者の主張に基いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを判断するとき。(意見が前に大法廷でした、その法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するとの裁判と同じであるときを除く。)
二  前号の場合を除いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合しないと認めるとき。
三  憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき。

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「最高裁に公正な審理・判決を要請する」署名継続、よろしくお願いします。


今後の予定 報道

*東京「君が代」裁判3次訴訟地裁口頭弁論 8/2(金)10:00第527号
*河原井・根津処分取消訴訟 地裁口頭弁論 8/19(月)13:30第527号
*「授業してたのに処分」事件地裁弁論 9/5(木)10:30 第530号
*東京小中「君が代」裁判 最高裁判決 9/5(木)14:00 第1小法廷
*累積加重処分取消裁判 最高裁判決 9/5(木)15:30 第1小法廷
*東京「君が代」裁判二次訴訟・最高裁判決 9/6(金)14:00第2小法廷
*08年処分取消請求・非常勤教員合格取消撤回訴訟・最高裁判決 9/6(金)15:30 第2小法廷
*都障労組04年処分取消請求訴訟・最高裁判決 9/10(火)14:00 第3小法廷




お知らせ

コンサート 自由な風の歌
  8/4(日)13:30会場 14:00開演
  四谷区民ホール(丸ノ内線「新宿御苑前」)

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