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2012年6月25日月曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第100号)

~「日の丸・君が代」処分(戒告から停職まで)~
平成24年(行コ)第214号 戒告処分取消等請求控訴事件~
控訴審にむけて 日本の政治状況
~「敬意の表明」は圧倒的多数派~
~学習の自由(多様性・相違性・個性)を保障する不起立・不斉唱は必要不可欠~


川崎市議会も議場に日の丸掲揚へ
川崎市議会は22日の本会議で、議場に日の丸を掲揚する決議案を賛成多数で可決した。47都道府県と20政令市の中で唯一、議場に掲げていなかった。・・「国旗に敬意を表し、より一層真摯(しんし)に議会活動に臨む」として国旗と市旗の掲揚を求めた。裁決では、共産や無所属の議員が反対した。
(毎日新聞 2012/6/23 朝刊)

上記のべた記事によると、日本全国で、国会・政府のみならず地方議会でも「日の丸」掲揚が行われることになった。川崎市の場合、その目的・動機も明示された。ともかく、政治の世界では裁決が行われ、反対表明が可能である。
それに引き替え、教育の世界では以下のごとくである。

最高裁判決
「個人の歴史観ないし世界観に由来する行動(敬意の表明の拒否)と異なる外部行動(敬意の表明を含む行為)を求められることとなり・・その者の思想及び良心の自由についての間接的な制約となる面があることは否定しがたい。」「その制限が必要かつ合理的なものである場合は・・許容され得る」
「地方公務員法に基づき、中学校学習指導要領に沿った式典の実施の指針を示した本件通達を踏まえて、その勤務する当該学校の各校長から学校行事で
ある卒業式等の式典に関して本件職務命令を受けたのである。」
第3小法廷 2011/6/14

東京都の公立学校では、職員会議での挙手裁決は禁止され、都教委や市教委の通達・校長の命令によって強制され、処分される。決定過程は政治の場よりも不明確である。最高裁も異論・制約を認めながら、強制・処分を容認する。まさか、「敬意の表明」を拒否する議員が処分されることはないだろうが、学校の教職員は問答無用で非違行為とされ、次々と重い処分が科された。
政治の世界では多数決で決定実施される対立論争的課題が、教育の世界に一方的に持ち込まれることは決して許されない。そして、そのような理不尽なことが強行される時、多様性・相違性・個性を示すのは教師の職責である。

教育の場における「寛容」と教師の「職責」
この「職責」は、教育の場に「寛容」を実現するために、価値の多様性を否定する教育活動には関わらないという不作為義務と、価値の多元性を回復する教育活動を行うという作為義務の二つをその内容としています。
藤田英典編『誰のための「教育再生」か』

高裁への要請署名を開始しました。第1次集約の締め切りは7月末です。今回は高裁への要請です。前回ご協力いただいた方も再度お願いします。

今後の予定 報道

*都障労組処分取消訴訟 高裁判決 6/27 13:15 第824号
*「授業してたら処分」事件 地裁弁論 7/9 11:00 第527号
*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 7/17 15時 第825号
*東京「君が代」裁判2次訴訟 高裁口頭弁論 7/20 14:00 第101号
*河原井・根津処分取消訴訟 地裁口頭弁論 7/23 16時 第527号
*河原井損害賠償差し戻し審 高裁口頭弁論 8/1 10時 511号
*米山処分取消・不採用取消裁判 高裁口頭弁論 8/7 15:30 第822号
*東京「君が代」裁判3次訴訟地裁口頭弁論 9/28 15:00 第527号

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