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2012年6月1日金曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第96号)

~「日の丸・君が代」一律起立・斉唱の強制下~
校長はどうするのか? 先生はどうするのか?
保護者はどうするのか? 来賓はどうするのか?
友達はどうするのか?そして、自分はどうするのか?

儀式の全てから学ぶ
児童・生徒はミタ!!


~5/31,2つの高裁口頭弁論を傍聴して~
「日の丸・君が代」強制を強弁する都側代理人


まず<10人訴訟>の控訴人尋問。都側は急きょ反対尋問を主尋問に切り替えた。その目的は最高裁判決の「過去の処分歴等」を再確認させるためだった。
都側代理人は、最初から「10・23通達」・職務命令の違憲・違法性を抜きに「国旗を掲揚すべきかどうか。」と問う。ここでも学習指導要領の国旗国歌条項が一律起立・斉唱を示しているかのごとく錯覚を偽造する。
後は、「写真」などを示して裁判官に控訴人に対する悪印象を植え付けようとしたり、人事委員会採決や最高裁判決で処分等が確定したことを盛んに強調した。その中で「あなたは家庭科の教員であって、社会科の教員ではない。」というくだりがあった。従軍慰安婦・共生社会・オウム事件などの授業をしたこと自体に対する非難のようだが、これは、図らずも「日の丸・君が代」の歴史性・社会性について教えなくてよい、従わせるだけ、という非教育的姿勢を示した。
総じて、「日の丸・君が代」の強制は入学式・卒業式などだけでなく、教育課程全般に及んでいること、不起立・不斉唱を含む多様な取組の実践は、児童・生徒の学習に応えるものであることを示した。

前提を欠く独善に固執する都側の主張


次に<米山解雇訴訟>の口頭弁論。都側の準備書面(2)が出された。「重要な学校行事」「重要な職務命令」「重大な非違行為」という表現を繰り返している。そして、「公教育の根幹である学習指導要領」として、特に不起立・不斉唱を「児童を目の前にして起こした非違行為」「絶対にしてはならないこと」とまで決めつけている。
ここへ来てもまだ、学習指導要領の「学習」「指導」「指導するものとする」が、不当な支配を禁止した教育基本法や教育の自由を確定する憲法を前提としなければならないことが裁判官にも理解されていないようだ。「日の丸・君が代」などの対立的論争的課題を扱うのに儀式という場は最もふさわしくない、クラスや小グループでのディベートが適しているかもしれない。ましてや、その対立論争を覆い隠して、一糸乱れぬ掲揚・起立・斉唱・伴奏を<挙行>するのは愚の骨頂である。最もふさわしくない場で、最もふさわしくない強制が実施される時、「子どもとの直接の人格的接触」をもつ教職員は何をすべきだろうか。
2つの裁判を傍聴して、「日の丸・君が代」裁判を狭い裁量権問題に矮小化してはならないのであって、不当な支配の禁止・教育の自由・人権規約をめぐる本格的な論争が期待されていると感じた。受け身はよくない。

高裁審理の傍聴・支援もよろしくお願いします。

今後の予定 報道

*再雇用拒否撤回二次訴訟 地裁口頭弁論 6/7 15:00 第103号
*河原井損害賠償差し戻し審 高裁口頭弁論 6/20 11時 812号
*都障労組処分取消訴訟 高裁判決 6/27 13:15 第824号
*「授業してたら処分」事件 地裁弁論 7/9 11:00 第527号
*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 7/17 15時 第825号
*東京「君が代」裁判2次訴訟 高裁口頭弁論 7/20 14:00 第101号
*河原井・根津処分取消訴訟 地裁口頭弁論 7/23 16時 第527号
*米山処分取消・不採用取消裁判 高裁口頭弁論 8/7 15:30 第822号

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