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2010年8月31日火曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第10号)

<G>:生徒・保護者・来賓の面前で・・・
(都教委「準備書面(1)」への反論シリーズ⑦)

 このシリーズも最後。不起立・不斉唱・不伴奏行動とは何か。
 都教委の弁:「起立しないという行動をとることは、児童・生徒の入学式・卒業式において、国旗・国歌について指導を受けるという教育を受ける権利を侵害するものである。」「式に参列する来賓や保護者に対して不信感を抱かせるだけでなく、・・君が代斉唱時に起立しない教職員がいることで、こうした者が、嫌悪感や不快感を覚えるだけでなく、厳粛で清新な気分を味わおうとして式典に臨んだ際に抱いていた期待を大きく損なう」(P44)
 「当該違反行為は、入学式、卒業式という重要な学校行事において生徒、保護者、来賓の面前で行われたものであり、教育公務員の職に対する信用を傷つける行為」(P72)
 まず「面前で・・」について、これこそ都教委が進める強制の性格をよく示している。教員に対して「日の丸・君が代」研修を強制するものではなく、また「日の丸・君が代」レポート提出を強制するものでもなく、児童・生徒への指導場面で強制を貫徹しようとするものである。そして処分を構えた一律起立・斉唱強制という教授の自由・学習の自由の侵害については無自覚である。
 先日傍聴した地裁原告証人尋問の中で、都教委代理人は反対尋問で「原告の不起立は生徒・保護者から見えたと思うか。」「国旗が壇上に掲揚されている会場に入ること自体は思想・良心の侵害だとは思わなかったか。」と提起した。まさしく、不起立・不斉唱の意味について、教職員が公務として儀式に臨み、「君が代斉唱」時も児童・生徒指導する義務があることを前提として、裁判官に「原告=反教育者・保護者無視・儀式破壊者」の印象を与えようとした。
 私の場合、はっきりと言いたい。<国旗掲揚、国歌斉唱が行われようとも生徒がいる限り指導する義務があり、制限された教授の自由に基づき、日の丸に対してではなく生徒に正対して不起立・不斉唱することによって会場内の一律起立・斉唱を阻み、生徒にはよく見える位置にあり多様な考え、多様な行動の存在を確認できたと思う。保護者のみならず来賓にも、生徒にも色々な考えの方がいるのに、価値中立的でないものを強制しているのは都教委である。>

今後とも、「日の丸・君が代」問題を多くの皆さまと考えていきたいと思います。よろしくご教示ください。

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