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2013年9月3日火曜日

最高裁に公正な判決を求める要請

「日の丸・君が代」の強制を止めさせ学校に自由と人権を取りもどすために

  私の事案は、2007年から2010年までの4度の懲戒処分(戒告・減給1月・減給6月・停職1月)を一括併合して取消を請求しています。下級審の判決では、減給と停職処分は都側の裁量権逸脱濫用により取り消す判決が下されました。
 八王子市では、都教委「10・23通達」と同様な八王子市教委通達が発せられ外国人生徒も多く学ぶ市立第五中学校夜間学級の卒業式では校長の職務命令が出されました。本件事件が発生した時期には、多国籍の生徒(インド・中国・バングラディシュ・フィリピン・ラオス・カンボジア・グァテマラ)が在籍し、日本人生徒と共に学んでいました。中国残留孤児の1世・2世、戦後の混乱期に義務教育を受けられなかった成人している生徒もいました。そのような情況で日本国国旗・国歌だけを取り上げ「敬意の表明」を指導することは“立ちたくない、歌いたくない”と考える生徒に拒否感をもたせるだけではなく、国際儀礼自体にも違和感を抱かせました。私は、卒業式ではせめて「国歌(君が代)」斉唱だけはやめるべきだと提案してきました。各国の国旗・国歌を対等に尊重する方法は別に考えるべきです。
 2011年の最高裁判決では、一律起立・斉唱は「国旗国歌に対する敬意の表明の要素を含む行為」であると判じました。卒業式は教育課程の特別活動・儀式的行事の実施にあたります。「敬意の表明の要素を含む行為」は明らかに教育内容です。
 国旗(日の丸)・国歌(君が代)にたいする教育内容を行政が一方的に決定し処分を構えて強制することは、旭川学テ裁判最高裁大法廷が「教育内容についてはできるだけ抑制的であることが要請される」「一方的な観念を受け付けるような内容の教育の強制」を禁じた判決に反すると思います。
 現在、都教委、神奈川県教委、大阪府教委は教科書採択に当たり介入を強めています。神奈川県の教育委員長は校長への「再考指導」を「混乱を避けるいい判断だった。」(2013/8/21付け毎日新聞朝刊)などと事態を転倒して述べています。このような事態は、第1小法廷の裁判官の皆様が補足意見で憂慮した事態ではないでしょうか。
 金築誠志裁判官「教育環境の悪化を招くなどした場合には、児童・生徒も影響を受けざるを得ないであろう。」、横田尤孝裁判官「現実が多感な生徒に及ぼす影響」、櫻井龍子裁判官「自由で闊達な教育が実践されていくことが切に望まれる」と提示されています。教育の自由を保持するために、以下の項目について要請いたします。

要請項目


1,大法廷に回付するか、高裁に差し戻して、口頭弁論を行い慎重な審理を尽くしてください。
2,「10.23通達」・八王子市教委通達・職務命令が、教育の自由侵害、学校教育への「不当な介入・支配」にあたり、思想及び良心の自由侵害にもあたり、違憲・違法であることについて公正な判断をしてください。
3,裁量権逸脱濫用である全ての処分を取り消すよう公正な判決を出してください。

     
要請文へのリンク