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2012年2月18日土曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第84号)

「日の丸・君が代」最高裁判決:1/16裁量権判決と2/9予防訴訟判決
「過去の処分歴等」「個別具体的な事情いかん」とは何か
「規律・秩序・雰囲気・態度」の評価とは何か
教育の自由をめぐる対立激化の導火線!!

 1/16判決では「19条合憲」の「10/23通達」・職務命令に違反した不起立・不斉唱・不伴奏に対して戒告は「最も軽い処分」として是認された。減給1月は、北九州ココロ裁判最判(2011.7.14)とは異なり取り消し、停職については「過去の処分歴等」において「規律や秩序を害する程度の大きい積極的な妨害行為」を認めて停職3月是認、それがない停職1月は取り消しとした。
 2/9判決でも戒告は決着済み、減給、停職については「個々の事案ごとの当該処分の時点における当該教職員に係る個別具体的な事情のいかんによる」として分離・分断判決を適用した。更に免職についても言及している。最高裁は戒告から免職まで視野に入れた。
 「停職3月処分是認の理由」として取り上げられた「過去の処分歴等」は「日の丸引き降ろし」「服務事故再発防止研修妨害」「校長批判文書配布」である。その内実は、校長による非民主的学校運営や都教委の強権的思想良心の改造に起因し、被処分者が子どもの学習権や教員の教授の自由を保持したことを示している。最高裁は都教委のいうとおり、事態を転倒して描いた。具体的な事実が明らかになればなるほどどちらが教育の自由を侵害し、どちらが保持しようとしたかが明らかになる。
 ここで思い出すのは2008.7.15都教委「分限事由に該当する可能性がある教職員に関する対応指針」である。「分限処分の種類」として「降任」「免職」「休職」を挙げ、それに該当する例を20項目以上示している。「研修を受講しない、研修の成果が上がらない」「職務命令に違反、再び非違行為を行い」「協調性に欠け、指導方法が不適切」「公務の円滑な運営に支障」等である。大阪「教育基本条例」(案)の下敷きになったかと思われるほどのなんでもありである。前提抜きでは恣意的にどのようにでも判断される内容である。
 都教委は裁判においても、学校現場においても「過去の処分歴等」「個別具体的な事情」をあげつらってくるであろう。そのことが教育の自由をめぐる争点を浮かび上がらせる。憲法23・26条、教育基本法16条判断を封じ込めようとしても無駄であり、自ら墓穴を掘ることになる。正しく闘いはこれからである。

処分一括取消裁判 地裁(古久保裁判長)判決日、決定
4月19日(木)13:10第527号
第二波最高裁判決後、処分取消、初の下級審判決!!
戒告・減給・停職、一括取消、初の判決!!
「最高裁追随の枠組」判決は許さない!

一,「19条の枠組」を突破する教育の自由(不当な支配禁止・憲法23・26条)侵害を判断せよ「国旗・国歌・国家への忠誠」「敬意の表明」強制は思想良心・信教の自由の直接的侵害
一,「裁量権の枠組」を突破する「10・23通達」、市教委通達、職務命令は違憲・違法
一,分離・分断判決を突破する戒告処分も裁量権逸脱・濫用「過去の処分歴等」の勝手な悪用反対



今後の予定 報道

*都障労組処分取消訴訟 高裁結審 2/20 14:00 第824号
*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 3/8 16:30 第424号
*河原井・根津処分取消訴訟 地裁口頭弁論 3/22 15時 第527号
*米山処分取消・不採用取消裁判 高裁口頭弁論 4/19 15:30 第822号
累積加重処分取消訴訟 地裁判決 4・19(木)13:10 第527号
*東京「君が代」裁判第3次訴訟 地裁口頭弁論 4/27  第527号
*再雇用拒否撤回二次訴訟 地裁口頭弁論 5/28 15:00 第103号
*東京「君が代」裁判2次訴訟 高裁口頭弁論 7/20 14:00 第101号


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