論点、争点、キーポイント(結審に向けて 15)
最高裁 ダブル不当判決
最高裁 ダブル不当判決
7/4,第二小法廷は、府中小学校教員処分取消訴訟と南葛飾定時制高校教員嘱託地位確認訴訟において、「職務命令が憲法19条に違反するものでない」とする連続不当判決を下した。判決文はいずれもこの間の最高裁判決を「参照」せよというワンパターンであった。これで最高裁小法廷は5・6度目の“19条枠・23条除外”の判決を確定したことになる。
命令を「慣例」、追従を「所作」と強弁し、象徴天皇制国家思想を学校教育に全面展開することを容認するものである。そして、「敬意の表明」を拒否する者を排除することをも合憲とした。以後も続々と上告棄却判決が予定されており、思想・良心の自由については、現段階における最高裁の論理が固定化していくだろう。
最終陳述、事実に語らせよう
さて1週間後に結審を控え、最終陳述で何を述べるか。結論は、私が不起立・不斉唱に至った動機と効果、過酷な処分の事実を率直に展開することに行き着いた。
本件事案発生時の生徒との関わり、行動を起こした経過、どのような影響があるか、裁判所に何を求めるか、5分間の勝負だ。最高裁の不当判決が続いている中、地裁、高裁での闘いが特に重要になってきたと思う。「正しい教育をしたいという思い」、この動機と共に不起立・不斉唱の教育的効果を正確に伝え、教育の自由(教授の自由と学習の自由)がいかに侵害されたかを述べたい。
皆様の傍聴をお願いします。
研修の途中で分限免職~疋田分限免職取消訴訟・高裁不当判決~
6/30,上記の判決が出された。その判決文で、都教委は自ら設定した「研修」を課しておきながらその途中で一方的に分限免職処分を発令し、裁判所はそれを追認している。大阪では免職条例が用意されているという。都教委では懲戒分限審査会(懲分審)で処分が決定される。さらに、一部の「保護者」の声が絶対視され信用失墜の根拠とされている。
教育基本法の実働化(「つくる会」系教科書採択・象徴天皇制・愛国心・規範意識・公共の精神・国際貢献・国益等)が学校教育全般に及んできている。それを拒否し教授の自由を発揮する教職員はどうなるのか。極めて危険な段階に入った。
*累積加重処分取消裁判 民事19部 青野裁判長
次回口頭弁論(結審)7/11(月)13:30~ 527号
最終準備書面の提出・原告本人の最終陳述 傍聴よろしく
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