論点、争点、キーポイント(結審に向けて 19)
最高裁第一小法廷、再びダブル不当判決
~東京「君が代」解雇裁判・北九州ココロ裁判~
最高裁第一小法廷、再びダブル不当判決
~東京「君が代」解雇裁判・北九州ココロ裁判~
先日7/4の第二小法廷に続いて、上記2件について上告棄却の不当判決を出した。特に解雇裁判の方は、「これまでの最高裁判決を見よ」という素っ気ないものだった。ここには「職務命令が憲法19条に違反するものではない」、教育の自由などは「上告理由」にあたいしないという最高裁の強固な意志が示されている。おそらく、最高裁はこの問題が広く国民の間で議論され、教育問題、学校現場が話題になること自体を避けたかったのだろう。
これまでのところ最高裁は、基本的には一審、二審の枠内で不当判決を出した。まだ、難波判決の予防訴訟、戒告を取り消した一次訴訟・アイム‘89、さらに停職・減給処分取消訴訟などが続く。私も結審延期を受けて残されたチャンスを生かし、ミスリードすることなくしっかりと主張していきたい。
教育の自由こそ憲法判断を!!
最高裁に憲法23・26条違反の上告理由を取り上げさせるために
最高裁小法廷は、民事訴訟法312条によって「その余の上告理由」(教育の自由の侵害)を認めない、と言う。(312条1項:上告は判決に憲法の解釈の誤りがあること、その他憲法の違反があるときに、することができる。)
なぜ、このような結果になっているのか。19条(思想及び良心の自由)・20条(信教の自由)はその保障が憲法に直接規定されている。ある面では“私の思想・信条・信教が侵害されました”というのはわかりやすいかもしれない。これに比して、侵害を受けた教育の自由(教授の自由・学習の自由)は教育基本法規定または学テ最高裁判決によって明文化されているという関係にある。(憲法23条:学問の自由・26条:教育を受ける権利、②義務教育)つまり、まず不当な支配の禁止(47教育基本法10条、06法16条)、教師の裁量権・一方的な教え込みの禁止(旭川学テ判決)を明確にしてこそ憲法に到達できるのである。教育現場での校務中の校務内容における強制を問題にするべきである。
そのためにはどうしても、「10・23通達」「職務命令」との関係で不起立・不斉唱・不伴奏のまさしく教育的意味を明らかにしなければならない。3・10高裁大橋判決は控訴人の「正しい教育をしたいという思い」を評価して戒告処分を取り消した。この不起立・不斉唱・不伴奏の動機、さらにはその効果、特に児童・生徒の学習権の保障(公正な判断力、多様な考え、批判力等)にとっての意義を全面展開して証言する必要がある。一審、二審で憲法との関わりでの事実認定を前進させ、できれば部分的にでも勝訴を勝ち取り、その上で最高裁に臨むこと。現段階のような理不尽な却下を許さない実績を上げていく必要がある。一連の最高裁小法廷判決において「反対意見」「補足意見」が続出した。その内容は「19条合憲」を補強するものも多いが、一つの側面として問題の本質である教育の自由についての憲法判断を封じ込めた結果である。
現段階ではまだまだ不当判決反対運動は盛り上がっていない。先日、教科書展示を見に行ったが、「つくる会」系(公民教科書)では「公共の福祉による権利の制約」が異常に強調されている。また、「日の丸・君が代」の項目では「慣習、ならわし、国民統合」の意義を示し、最高裁判決と呼応している。不当判決や大阪をはじめとする強制のドミノを前に、運動の巾を広げ戦後教育史上に突出した大弾圧を背景とする反動攻勢を阻止したい。あなたや子供、孫、そして生活の問題だから。
情報
*7/19・16:00:安部さん処分取消訴訟 最高裁第三小法廷 判決予定
*7/21・8:30:再発防止研修抗議行動(水道橋駅前・都教職員研修センター)
3月卒業式、4月入学式で処分されたものへの不当研修 反対
*7/25・13:10:「君が代」二次訴訟・地裁民事19部 判決予定
*7/30・13:30:藤田事件最高裁不当判決抗議 報告集会(板橋文化会館)
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停職、減給、戒告、全ての処分の取り消しを求める。
*累積加重処分取消裁判 民事19部
結審 8/22(月)4:30~527号 原告本人の最終陳述
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