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2011年7月20日水曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第49号)

論点、争点、キーポイント(結審に向けて 20)
最高裁第三小法廷、安部処分取消訴訟に不当判決

 7/19、戒告処分取消請求に対し「上告棄却」の不当判決を下した。5/30以来11件目である。これで、2010年末までに高裁判決を受け上告していた事案は全て最高裁判決を受けたことになる。
 この第一波判決についていくつかの特徴を指摘しておきたい。①「日の丸・君が代」強制の職務命令は憲法19条違反にあたらない。19条違反を根拠とする処分取消の論旨は採用できない。②教育の自由・不当な支配・裁量権行使については上告に該当しない。③事案の共通性から、個別的ではなく全国的意味をもつ。④表現行為も「公共の福祉」から制限を受け、「円滑な遂行」を妨げる行為は「違法性を欠くものではない。」
 これらの諸点からは最高裁中枢の断固たる意志が読み取れる。つまり、象徴天皇制国家思想を学校教育で推進することは合憲・合法であり、それに反する行為は許されない、というものである。さて、第二波の事案には、一審勝訴の予防訴訟、二審戒告処分取消判決の一次訴訟、停職・減給処分取消訴訟などが続いている。これらについて、第一波の判決の枠組みで押し切るのか、それとも部分的にしろその枠組みを変更してくるのかが問われている。また、最高裁の下級裁判所への圧力も強まるであろう。
「19条の枠組み」を突破する共同の取組を

~教育の自由・不当な支配禁止から処分(停職・減給・戒告)取消へ~

プラスの要素

 最高裁各裁判官の「反対意見」「補足意見」を見る限り、多数意見の枠組みをはみ出したものが多い。主要には学校現場への影響を危惧するものであり、教育の自由に関わる内容である。「教育環境の悪化」「児童・生徒も影響」(金築)、「教育は、強制ではなく自由闊達に行われることが望ましい」(須藤)など。
 そして何よりも、3・10大橋高裁判決の戒告処分取消の根拠「正しい教育をしたいという思い」に注目すべきである。この不起立・不斉唱の動機は明らかに教育の自由(教授の自由・学習権保障)に関わるものである。

マイナスの要素

 最高裁は19条合憲の枠組みを固定化し、「反対意見」「補足意見」には、不合理、強圧的なものがある。
 「起立斉唱は・・出席教諭全員に一律に要請されるのが一般的である」「参加生徒らに模範を示す」(那須)、「殊更に示威的な拒否行動」(大谷)、「卒業式を円滑に執り行うという業務を妨害するおそれがある」(宮川)また、基本的な対立を無視して起立斉唱が自発的に行われることを期待する意見もある。さらに「受付を担当させる等、会場の外における役割を与え、不起立不斉唱行為を回避させる」(宮川)等と学習権保障と逆行する意見もある。そして、厳しい要素としては、予防訴訟高裁不当判決(控訴却下)や3・25加藤高裁判決の停職処分是認がある。
 長期的には最高裁現状12:2の19条不当判決を逆転しなければならないが、陸続する訴訟案件の当面する目標は、最高裁に教育の自由・不当な支配の禁止について公正な審理をさせ停職・減給・戒告全ての処分を取り消させることである。そのためには一審・二審段階で、不起立・不斉唱・不伴奏の動機、態様、意義を全面展開することが特に重要になっている。不起立は「示威行為」や扇動行為ではない。論争的課題が不当な支配によって強制される時、児童・生徒に示す教材は教師自身の行動である。教育公務員だからこその行動であり、「公共の福祉」によって制約されるものではない。
 今や、この闘いは大阪の条例反対などで全国化し、また、「つくる会」系教科書採択などによって教育課程全般に押し広げられようとしている。全国の教職員を始め広範な人々との共同の取組が急務となっている。

報道

*7/21・8:30:再発防止研修抗議行動(水道橋駅前・都教職員研修センター)
    3月卒業式、4月入学式で処分されたものへの不当研修 反対

*7/25・13:10:「君が代」二次訴訟・地裁民事19部 判決予定

*7/30・13:30:藤田事件最高裁不当判決抗議 報告集会(板橋文化会館)

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停職、減給、戒告、全ての処分の取り消しを求める。
*累積加重処分取消裁判 民事19部 
結審 8/22(月)4:30~527号 原告本人の最終陳述 

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