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2011年4月5日火曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第25号)

証人尋問に向けて(五)
明確にすべきは不起立・不斉唱の教育実践的意義と累積加重処分(戒告・減給・停職)の取消

 3・10高裁判決(大橋裁判長):
「日の丸・君が代」は議論の対象
「歴史的な理由から、現在でも『日の丸』及び『君が代』について、控訴人らと同様の歴史観ないし世界観又は信条を有する者は、国民の中に少なからず存在しているとみられ、控訴人らの歴史観等が、独善的なものであるとはいえない。」
「日の丸・君が代が現在でも論争的あるいは価値対立的な存在であることは肯認し得る」

起立・不起立の自由 斉唱・不斉唱の自由
「国旗・国歌法の制定過程において、政府が国会においてした答弁には、・・『それぞれ、人によって、式典等において、起立する自由もあれば、また、起立しない自由もあろうかと思うし、また、斉唱する自由もあれば、また、斉唱しない自由もあろうかと思うわけで、この法制化はそれを画一的にしようというわけではない』(野中広務官房長官の答弁)・・などがあった。」

累積加重処分の恐れ
「毎年必ず少なくとも2回は懲戒処分の機会が訪れることになり・・控訴人らはやむにやまれぬ行動であったということができるから、これを繰り返すことも考えられるため、始めは戒告という最も軽い処分であるとしても、短期間のうちに処分が累積し、より重い処分がされる結果につながることが当然に予想される。・・そのような結果を招くほどに重大な非違行為というのは、相当ではない。」

不起立・不斉唱・不伴奏は何のため 
「控訴人らの本件不起立又は本件ピアノ伴奏拒否は、・・生徒に対し正しい教育を行いたいなどという前記のとおりの内容の歴史観ないし世界観又は信条及びこれに由来する社会生活上の信念等に基づく真摯な動機によるものであり、少なくとも控訴人らにとっては、やむにやまれぬ行動であったということができる。」

 大橋判決は不起立・不斉唱・不伴奏者の言動について、入り口、動機については、その主張に理解を示している。もう一歩進めるべきは、児童・生徒との関係である。事態は卒業式・入学式等の児童・生徒の学習の場面、教員にとっては職務専念義務が課されている教授の場面で進行したことである。都教委・市教委の一律起立・斉唱・伴奏の「通達」、校長の「職務命令」は「指導」に名を借りて、処分を構えて強制される。これは「有効な職務命令」ではなく「職務命令違反があった場合、理由のいかんを問わず、適正な公務の遂行が阻害され」るというものではない。問題は教育の自由がどう侵害され、それに対し多様な考え・行動を示す不起立・不斉唱・不伴奏の積極的意義を認めることである。
 大橋判決は裁量権の逸脱、濫用として「戒告」処分を取り消したが、加藤判決(3・25不当判決)は「停職」処分を妥当とした。私の戒告・減給・停職を問いたい。

口頭弁論[原告本人尋問] 傍聴よろしく
4/28(木)13時30分 地裁527号


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