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2012年3月31日土曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第90号)

~「日の丸・君が代」強制 2012.3卒業式処分~
行政権力(東京・大阪)と最高裁、
“狼狽奸を為す”

なぜ、不当処分・戒告にとどまったか

 東京都教育庁は、卒業式での国歌斉唱時不起立により3名の戒告処分を発表した。大阪でも30名以上の処分を出した。処分取消を求めて裁判を行っている者にとっても、学校現場での非暴力不服従の抵抗が継続していることは心強い。過酷な情況の中で果敢に行動する方々、顕在化しなくともそれぞれの持ち場で多様な取り組みをしている教職員の皆さまに連帯のエールを送ります。
 ところで、都教委は複数回の不起立者に対して戒告処分を行った。従来のような単純累積加重処分を避けた。1/16最高裁判決を受けて「慎重に考慮して」「最も軽い処分」である戒告を下し裁判でも確実に是認させる道を選んだ。これで都教委は最高裁の意向を受容する態度を示したことになる。もちろん最高裁は行政権力の意向を受け「10・23通達」職務命令の19・20条合憲を確定している。調停を偽装する最高裁と狡猾な処分を強行する行政権力との合作である。双方が最も警戒しているのは不当な介入・支配、教育の自由侵害への世論の注目である。これに対する歯止めでも“戒告止め”は効果がある。
 そして、東京でも大阪でも強化執行されようとしているのが「再発防止研修」の名による「転向強要」「サイボーグ研修」である。すでに大阪では“再度の不起立をしない”「誓約署名」が強要されている。東京では入学式前の4/5にセンター「研修」が強行されようとしている。許されることではない。

戒告処分を取り消させる道はあるか

裁判所法第四条:(上級審の裁判の拘束力)上級審の裁判所の裁判における判断は、その事件について下級審の裁判所を拘束する。


 この条項によれば、当面、「10・23通達」職務命令は憲法19・20条に違反しない、戒告処分は裁量権逸脱・濫用に当たらないというのが上級審である最高裁の判断である。ここで戒告を取り消させる道は不当な介入・支配、教育の自由侵害(憲法23・26条)を認めさせるしかない。問題は、学校現場における「日の丸・君が代」一律起立・斉唱・伴奏の強制と不起立・不斉唱・不伴奏による抵抗の意味に回帰する。

*強制は、教育課程のどこで行われているのか。
*強制は児童・生徒に何をもたらすのか。
*抵抗は何のために行われるのか。
*抵抗は不作為か、それとも教育的意味をもつか。


 今回の卒業式不起立による被処分者が「子どもに、不起立、現認される姿を見せておく必要があった」との見解を表明した。私たちの国家社会の自由や民主の弱さは、どこにあるのだろうか。ヨーロッパのレジスタンス、アジアの民族解放・反独裁の闘い等は、そのものの意義はもちろん、次の世代がそのことをしっかり見て語り継がれたこと、つまりは歴史を創ったことを示している。被処分者の言に深く学ぶ次第である。

「日の丸・君が代」強制・累積加重処分
(戒告・減給1月・減給6月・停職1月)
東京地裁 判決日 決定!
4月19日(木)13:10第527
1/16・2/9最高裁判決後、初の判決!
処分(戒告から停職)一括取消請求、初の判決!
卒業式・入学式処分後、初の判決!
戒告処分を取り消させるために!!
教育の自由(不当な支配禁止、憲法第23・26条)の侵害に憲法判断を!?
「国旗・国歌・国家への忠誠」「敬意の表明」強制は憲法第19条に違反!
裁量権逸脱濫用(戒告・減給1月・減給6月・停職1月)
歯止めはかかっているのか!?

今後の予定 報道

*都障労組処分取消訴訟 高裁結審 4/18 14:00 第824号
累積加重処分取消訴訟 地裁判決 4・19(木)13:10 第527号
*米山処分取消・不採用取消裁判 高裁口頭弁論 4/19 15:30 第822号
*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 4/26 16:30第424号
*東京「君が代」裁判第3次訴訟 地裁口頭弁論 5/25  第527号
*河原井・根津処分取消訴訟 地裁口頭弁論 5/28 16時 第527号
*河原井損害賠償差し戻し審 高裁口頭弁論 6/20 11時 812号
*再雇用拒否撤回二次訴訟 地裁口頭弁論 6/7 15:00 第103号
*東京「君が代」裁判2次訴訟 高裁口頭弁論 7/20 14:00 第101号


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