地裁判決へ向けて争点と運動の結節点!!
座視して判決を待たず
座視して判決を待たず
最高裁大法廷へ向けて一・二審で前進を勝ち取る
第一波最高裁判決(5/30~7/19)は、憲法19条について一律起立斉唱は思想及び良心の自由を侵害しないとした。それは「慣例上の儀礼的な所作」であるから世界観や歴史観とは直接に関わらないし、国旗国歌への「敬意の表明=間接的制約」も式の「秩序を確保」し「円滑な進行」という必要性・合理性があり職務命令は合憲であるとした。では、それを強制、思想及び良心の侵害と受け止める者は忍従するか、退職するか、それとも不服従によって累積加重処分を受けるか、ということである。大阪府の方では君が代斉唱を「条例上の規定された義務」として累積加重処分の行き着く先=免職までも決めようとしている。“法律で愛の形を決めないで! 通達で式の形を決めないで! 条例で職の形を決めないで!”ということである。
教育の自由(23条・26条)についてはもっとひどい判決内容になっている。最高裁は居丈高にも「上告事由に該当せず」として門前払いした。「事実誤認」だとか「単なる法律違反」だと断定して、それらは下級審の問題とした。
市川須美子教授は指摘している。
「思想・良心の自由主張は、基本的には個別義務免除を求める主張であり、義務賦課のシステム自体の適法・違法を問わないのである。・・しかし、教育の自由を主張する自主性擁護的教育裁判の現状は、最高裁学テ判決以降憲法裁判としての展開はほとんどなく、せいぜい行政の裁量濫用の段階での争いになっている。」(「教師の思想・良心の自由と教育の自由」『法律時報79巻2号』)
10.23通達、職務命令による職務専念義務下の強制メカニズムを解明するには校務としての児童・生徒との関係を追及するのが必須である。
このような最高裁に対して、第二波では大法廷を開かせ、口頭弁論を行わなければならない。そのためには一・二審の事実認定段階で前進を勝ち取ることが特に重要である。
裁量権逸脱・濫用課題
~ハードルの高さを知らなければ越えることはできない~
上記のように最高裁は上告棄却・原審確定の判決を出した。思想良心の自由については最高裁独自の論理展開を明示した。教育の自由等「その他の上告理由」については却下し判決文上には独自の論理展開は示さず原審を是認した。つまり、それぞれの戒告処分を確定したのである。裁量権についても最高裁がどう審理したのかは明示されていないが、それぞれの事案における戒告処分について裁量権は「判断されていない」のではなく逸脱・濫用を認めなかったのである。最高裁は裁量権逸脱・濫用課題を留保したり、下級審判決を待って判断しようとしているのではない。最高裁が原審確定で戒告処分を是認したことを徹底的に批判していかねばならない。
今後、小法廷で裁量権逸脱・濫用により戒告処分を取り消す判決を出すなら、第一波判決との間で法の下の平等に反する事態を引き起こすであろう。最高裁はおそらくそのようなことをしないだろう。小法廷では少なくとも戒告処分については裁量権逸脱・濫用を認めないだろう。このハードルを越えねばならない。戒告、減給、停職全ての処分における裁量権逸脱・濫用を確定し、処分を取り消させるためにも、重大な判決の変更を求めて大法廷を開かせなければならない。(大法廷で審理される案件:憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき)
地裁民事19部に、公正な審理、判決を求める賛同署名
~9月末、第1次しめきり、よろしくお願いします~
今後の予定 報道
*再雇用拒否撤回二次訴訟 地裁口頭弁論 9/1215:00 103号
*都立七生養護ここから裁判 高裁判決 15:00 101号
*早川公務災害裁判 判決 9/14 15:00 809号
*都教組八王子・3人の裁判 新たな闘いの前進をめざす集い 9/22 18:30 労政会館
*米山処分取消訴訟 高裁口頭弁論 9/27 15:30 822号
*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 10/11
*東京「君が代」裁判三次訴訟 地裁口頭弁論 10/14
累積加重処分取消訴訟 地裁判決 11/17(木) 13:30 527号
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