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2010年11月21日日曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会 ニュース(第15号)

新教育基本法実働化の中の愛国心・「日の丸・君が代」
~月刊『現代教育科学』(明治図書出版)に表れた先導論~

 愛国心・公・修身 上記の月刊雑誌には大学などの研究者だけでなく小・中・高の学校現場の教員が投稿している。ほとんどの論考が、現在進められている新教育基本法、新学習指導要領の推進を展開している。戦後教育の中で進められてきた子どもの個性ある成長をはかる教育を攻撃し、国家の意向に従う路線が強く主張されている。
 「相変わらず国家や愛国心をタブー視する・・・脱却すべき『戦後教育観』とは、歴史を無視し、殊更に国家を基軸とする『公』(公意識)を敵視することで教育理念を弄び歪めてきた政治性である。」(貝塚茂樹「『公』を敵視する二項対立図式からの脱却」2009.12)
 「教師の多くが、戦後一方的に否定されてきた日本の『昔の教育』の中に、実は尊い、本物の教育があったことに気づき、その復活、再生、再興をこそなすべきだと考え始めている。例えば、愛国心の問題である。国旗、国歌の教育の問題である。」(野口芳宏「むしろ『修身』の良さを学べ」2010.9)
 小学校の教科書に「神話」が取り入れられたり、全教科に道徳課題が挿入される事態の背景である。
 不起立の意味 多くの論者が集中攻撃するのは「学テ最高裁判決」と「ピアノ最高裁判決藤田反対意見」である。これらの正当な判決・意見を歪曲し、「教育行政機関の行為」が「不当な支配となりえない」とする。「特定の歴史観や世界観を教師の具体的な職務と関係なく思想及び良心の自由として主張するのはラフすぎると言える。」(江間史明「『自分の身に国を引き受ける』ことを考える」2010.1)あたかも不起立・不斉唱・不伴奏が教育実践と関係ないかのように描き出している。不起立は、教員が果たすべき「職務」である。       
 教育の自由(学習の自由・教授の自由)を大いに語らなければならない。

 第4回口頭弁論 (12)月(2)日(木)(16:30~)地裁527号

*裁判所より’10停職処分の併合通知があり、計4件の累積加重処分が審理対象となります。誰を証人採用するかが決定される見込みです。傍聴、よろしく。

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2010年11月2日火曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第14号)

それでも、そして学校現場への強制・統制は進む

 尖閣列島(釣魚島)問題をきっかけに、安倍政権時代にもまさる「国益」優先ナショナリズムと排外主義の横行が見られる。政府も政党もこぞって国民の愛国主義をあおっている。「尖閣に領土問題はない」とは、かの「蒋介石政権を相手にせず」を想起させ、もはや実力(武力)行使しかないところに踏み込む危険さえ感じる。その領有の根拠が日清戦争(甲午戦争)中の1895年1月の「内閣決定による先占」だという。再考を要する。
 さて、06教育基本法の実働化はいよいよ新学習指導要領の実施へと進む。道徳教育への導入では「小学校新教科書の仰天内容」(俵義文『週刊金曜日第820号』)参照。「日の丸・君が代」では文科省の『08解説』で「社会科における指導などとの関連を図り」として、「国際的な儀礼」が強調されている。校内の職階制と共に、教育内容への介入が本格化する。

2011'めぐりくる春'へ向けて

 2003「10・23通達」から8回目の卒業式・入学式を迎えることになる。先日の全国原告団学習・交流集会では、各地の緊迫した情況の中で「戦術転換をして不起立行動を中止するという決定をした」という報告も出された。また、北海道では「いろいろな考え方があることを子どもたちに知らせたい」として入学式で不起立を貫いた教員が「見せしめ」処分された。正に一人の不起立が、一律起立・斉唱の国家忠誠表明強制に風穴を開ける。
 来春の情況は特別な意味を持つ。簡単にその課題を列挙する。
  1. 学校現場で不起立・不斉唱・不伴奏を含む多様な取り組みを強化する。
  2. 裁判では、広範な世論の力を背景として強制を止める判決を勝ち取る。
  3. 都知事選をはじめとする地方選で、「日の丸・君が代」強制に批判的な勢力の前進を図る。
 私たちの運動の基本は学校現場であり、懲戒処分・分限処分の攻撃にさらされている教職員の皆さんと固く連帯して進んでいきたい。

 第4回口頭弁論 (12)月(2)日(木)(16:30~)地裁527号
  *裁判所より'10停職処分の併合通知があり、計4件の累積加重処分が審理対象となります。誰を証人採用するかが決定される見込みです。

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