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2013年9月14日土曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第175号)

「日の丸・君が代」処分(戒告から停職まで)
累積加重処分取消裁判
これまでのご支援、傍聴に心から感謝します。


判決を受けた者として
判決内容を正確に伝えるべき


2013.9.5 最高裁南門にて




 既報のように、9/5に最高裁第一小法廷にて憲法判断・不当判決を受けた。
 当面の任務はこの判決内容を国民に正確に伝えることだ。この日の2つの判決で示された事実は以下の如く。

① 上告棄却、「職務命令は憲法19条に違反するものでない」
② 戒告是認
③ 裁量権逸脱濫用により減給5件と停職1件を取り消した。
④ 「過去の処分歴等」「不起立前後の態度」により減給6月と停職1月を是認した。

 これをどう評価するか、批判するかはそれぞれ自由である。私は、この判決の主要な側面、核心は憲法判断・不当判決であると考えた。従って、基本的には敗訴した。今、改憲の動きの中で第一波(2011)、第二波(2012)、第三波(2013)の「日の丸・君が代」最高裁判決の本質(憲法判断・不当判決)を広く国民に提示することが何より重要だ。
 2013・9・5判決は、東京・讀賣・朝日の各紙が簡単に報じた。上告棄却は共通している。ところが、④については共に報じていない。これに関係するのが去年の1・16最高裁判決である。
 今回もまた讀賣が「最高裁は昨年1月『原則として戒告が相当で、より重い減給以上の処分には慎重な考慮が必要』との判断を示している。」と報じている。『原則として戒告が相当』は、どこからの引用か不明だが、少なくとも最高裁判決はそのように言っていない。原則とか、歯止めとかの言葉が一人歩きしてきた。
 現実の学校現場では、都教委は減給処分を発令し、最高裁判決を根拠に「国歌斉唱時の起立斉唱等を教員に求めた校長の職務命令は合憲と認められており」(請願に対する回答)として「強制」記述の教科書採択に介入した。現実を直視すべきである。

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今後の予定 報道


*「授業してたのに処分」事件地裁弁論9/26(木)10:00 第527号
*東京「君が代」3次訴訟地裁口頭弁論10/11(金)15:00第527号
*河原井・根津処分取消訴訟 地裁口頭弁論12/16(月)13:30第527号

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2013年9月6日金曜日

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第174号)

「日の丸・君が代」処分(戒告から停職まで)
累積加重処分取消裁判
~本日(9/5)、最高裁(第1小法廷)判決~
これまでのご支援、傍聴に心から感謝します。
上告棄却、憲法判断・不当判決






 最高裁 南門にて



開廷します。
主文
 本件上告を棄却する
 上告費用は上告人の負担とする。
   これで、閉廷します。 

 横田第一小法廷裁判長の声が流れて終了した。以下四人の裁判官(櫻井・金築・白木・山浦)は無言で消えた。その「理由」は旭川学テ判決などによって「本件職務命令が憲法19条に違反するものでない」とした。2011年の最高裁判決を参照せよ、と言う。
 最高裁は自らが下した判決が、教育現場への教育介入、不当処分に以下に拍車をかけているかに無頓着である。そして、国政での政治状況に追随して判決を書いているようである。特に重視すべきは「裁判官全員一致の意見」としていることである。
 行政処分され、司法判断でも処分是認されたことを重く受けとめる。自由や人権よりも、儀式における「秩序・規律」を優先させる。
 この現実を広く国民に訴え「倍返し」の反撃を強めなければならない。

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今後の予定 報道

*東京「君が代」裁判二次訴訟・最高裁判決 9/6(金)14:00第2小法廷
*08年処分取消請求・非常勤教員合格取消撤回訴訟・最高裁判決 9/6(金)15:30 第2小法廷
*都障労組04年処分取消請求訴訟・最高裁判決 9/10(火)14:00 第3小法廷
*「授業してたのに処分」事件地裁弁論 9/26(木)10:00 第527号
*東京「君が代」3次訴訟地裁口頭弁論 10/11(金)15:00第527号
*河原井・根津処分取消訴訟 地裁口頭弁論 12/16(月)13:30第527号

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2013年9月3日火曜日

最高裁に公正な判決を求める要請

「日の丸・君が代」の強制を止めさせ学校に自由と人権を取りもどすために

  私の事案は、2007年から2010年までの4度の懲戒処分(戒告・減給1月・減給6月・停職1月)を一括併合して取消を請求しています。下級審の判決では、減給と停職処分は都側の裁量権逸脱濫用により取り消す判決が下されました。
 八王子市では、都教委「10・23通達」と同様な八王子市教委通達が発せられ外国人生徒も多く学ぶ市立第五中学校夜間学級の卒業式では校長の職務命令が出されました。本件事件が発生した時期には、多国籍の生徒(インド・中国・バングラディシュ・フィリピン・ラオス・カンボジア・グァテマラ)が在籍し、日本人生徒と共に学んでいました。中国残留孤児の1世・2世、戦後の混乱期に義務教育を受けられなかった成人している生徒もいました。そのような情況で日本国国旗・国歌だけを取り上げ「敬意の表明」を指導することは“立ちたくない、歌いたくない”と考える生徒に拒否感をもたせるだけではなく、国際儀礼自体にも違和感を抱かせました。私は、卒業式ではせめて「国歌(君が代)」斉唱だけはやめるべきだと提案してきました。各国の国旗・国歌を対等に尊重する方法は別に考えるべきです。
 2011年の最高裁判決では、一律起立・斉唱は「国旗国歌に対する敬意の表明の要素を含む行為」であると判じました。卒業式は教育課程の特別活動・儀式的行事の実施にあたります。「敬意の表明の要素を含む行為」は明らかに教育内容です。
 国旗(日の丸)・国歌(君が代)にたいする教育内容を行政が一方的に決定し処分を構えて強制することは、旭川学テ裁判最高裁大法廷が「教育内容についてはできるだけ抑制的であることが要請される」「一方的な観念を受け付けるような内容の教育の強制」を禁じた判決に反すると思います。
 現在、都教委、神奈川県教委、大阪府教委は教科書採択に当たり介入を強めています。神奈川県の教育委員長は校長への「再考指導」を「混乱を避けるいい判断だった。」(2013/8/21付け毎日新聞朝刊)などと事態を転倒して述べています。このような事態は、第1小法廷の裁判官の皆様が補足意見で憂慮した事態ではないでしょうか。
 金築誠志裁判官「教育環境の悪化を招くなどした場合には、児童・生徒も影響を受けざるを得ないであろう。」、横田尤孝裁判官「現実が多感な生徒に及ぼす影響」、櫻井龍子裁判官「自由で闊達な教育が実践されていくことが切に望まれる」と提示されています。教育の自由を保持するために、以下の項目について要請いたします。

要請項目


1,大法廷に回付するか、高裁に差し戻して、口頭弁論を行い慎重な審理を尽くしてください。
2,「10.23通達」・八王子市教委通達・職務命令が、教育の自由侵害、学校教育への「不当な介入・支配」にあたり、思想及び良心の自由侵害にもあたり、違憲・違法であることについて公正な判断をしてください。
3,裁量権逸脱濫用である全ての処分を取り消すよう公正な判決を出してください。

     
要請文へのリンク

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第173号)

「日の丸・君が代」処分(戒告から停職まで)
累積加重処分取消裁判
~第三波最高裁判決(2013/9)にあたって
これまでのご支援に心から感謝します。
改めて「日の丸・君が代」強制に
反対する意味を考える


「日の丸・君が代」問題の現段階の意義は何か:
 教職員の処分・弾圧を通して学校教育への介入、教育破壊が進められている。現在、介入と処分は教育内容全般、全国化の様相を呈している。その意味では国民的な闘いはこれからである。
 延べ450件の処分と裁判闘争が続けられている。私もまたその小さな一部分であるが、その総体は関東大震災・朝鮮人中国人虐殺90年,学徒出陣70年、戦後68年、「10・23通達」10年、3・11から2年半における抵抗の到達点である。

対外的意味は:
 再び排外主義的ナショナリズムに屈服しないことは、戦後の日本の教員の世界の人々に対する約束だったのかもしれない。
 歴史認識や自虐史観とも関係するが、ともかくアジアの人々は、日本の若者が再び銃を持って来ないでほしい、ということだろう。国際貢献や自衛、価値観(人権など)を名目とする武力行使が警戒されている。

世代論的な意味では:
 団塊世代など「侵略者二世」は、侵略戦争の事実を直接きかされてきた。その記憶の中継者にならなければならない。それが広義の教育かもしれない。「日の丸・君が代」問題は、戦前と戦後の連続性を断ち切り、戦後責任を果たす契機となっている。

勝利と敗北について:
 憲法判断においての焦点は教育の自由にある。一審判決では「国の教育統制機能」を認めている。今回の最高裁判決では、旭川学テ判決を後退させ、教員の教授の自由を一層制限するかもしれない。
 いずれにしろ、まだ10年足らずであり、数十年、百年単位で歴史的評価は下されるのかもしれない。今、特に重要なのは、敗北の形をはっきり見せることだ。戦後教育史上に突出した教職員弾圧と教育介入の客観的評価は長いスパーンで下されるだろう。
 この裁判闘争自体を教材化する若い教員が現れるかもしれない。

最高裁判決 9月5日(木)
  近藤順一 07~10年処分取消訴訟・最高裁判決
   14:30 傍聴整理券交付開始(最高裁南門)
   14:50 整理券交付〆切(その後、抽選)
         15時30分判決(第1小法廷)
最高裁への行き方:地下鉄(半蔵門線・有楽町線・南北線)
永田町駅・4番出口 徒歩5分
   *16:30 記者会見(予定)

今後の予定 報道

*東京小中「君が代」裁判 最高裁判決 9/5(木)14:00 第1小法廷
*累積加重処分取消裁判 最高裁判決 9/5(木)15:30 第1小法廷
*東京「君が代」裁判二次訴訟・最高裁判決 9/6(金)14:00第2小法廷
*08年処分取消請求・非常勤教員合格取消撤回訴訟・最高裁判決 9/6(金)15:30 第2小法廷
*都障労組04年処分取消請求訴訟・最高裁判決 9/10(火)14:00 第3小法廷
*「授業してたのに処分」事件地裁弁論 9/26(木)10:00 第527号
*東京「君が代」3次訴訟地裁口頭弁論 10/11(金)15:00第527号
*河原井・根津処分取消訴訟 地裁口頭弁論 12/16(月)13:30第527号

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最高裁判所 東門にて(8/26)



最高裁に公正な判決を求める署名、
221筆提出 前回1843筆、
あわせて2064筆、皆さまに感謝。


最高裁判決 9月5日(木) 
14:30 傍聴整理券交付開始(南門)14:50 整理券交付〆切(抽選)
15:30 判決(第1小法廷)
*16:30 記者会見(予定

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